アニメ「咲-Saki-」第22話を3つの視点から分析する👀

100%ツールズ｜創作の技術

2021年6月30日 18:18

※引き続き、アニメ「咲-Saki-」を分析します。本記事で取り上げるのは第22話。第21話以前を分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください！

分析対象

あらすじ

【ポイント①】数絵の能力、数絵の境遇

＜1＞

本話は、【数絵の能力や境遇が明かされるエピソード】である。

まずは能力。

数絵の能力は優希のそれによく似ている。

・優希：東場に滅法強い

・数絵：南場に滅法強い

＜2＞

続いて境遇。

数絵は＜優希とよく似たキャラ＞と認識されることが多いようだが、それはあくまでも能力に限っての話だ。境遇に関していえば、久に似ている。

すなわち、2人は家庭の事情で麻雀無名校に進学した。

しかし、進学後のスタンスは大きく異なる。

・久：「必ず優秀な後輩が入ってくる！そしてインターハイの団体戦に出場するんだ！」と信じ続けた（で、今年咲らと共に念願の団体戦出場を果たした）。

・数絵：「弱い仲間なぞ不要。私の足を引っ張るだけです」。

＜3＞

以上を整理すると、【＜優希の能力＞と＜久の境遇＞をかけ合わせて、少しずつズラすと数絵になる】と言えそうだ。

【ポイント②】なぜこのタイミングで、＜プラスマイナス0点麻雀＞なのか？

＜1＞

本話前半の咲は、点数がプラスマイナス0点になるように調整しながら麻雀を打っている。

おお、懐かしの＜プラスマイナス0点麻雀＞だ！

＜2＞

思えば、第1話時点の咲は＜プラスマイナス0点麻雀＞しか打てぬ少女だった。

しかし第2話で久からアドバイスを受け、麻雀で勝つ喜びを知った。さらに第3話では、「手加減してはいけません」と和から叱咤された。

かくして咲は＜勝つ麻雀＞を打てるようになり、団体戦の県予選では常人離れした力を発揮したのだった。

＜3＞

ところが……ここにきて＜プラスマイナス0点麻雀＞、再び！

「えっ！また！？」と驚いた鑑賞者は多いと思う。＜プラスマイナス0点麻雀＞のことなぞ最早忘れていたという人も少なくないだろう。

もしかすると、「えー！」と不満を感じた人もいるかもしれない。

というのも……上述の通り、咲は第3話で和から叱咤されている。「接待麻雀なぞ優しさではない！それは真剣に麻雀を打つ者に対する侮辱である！」と。その時、咲は十分に反省したはずだ。

それなのになぜまた！？

＜4＞

なぜこのタイミングで、＜プラスマイナス0点麻雀＞なのか？

ストーリーの流れから考えると「咲は団体戦で優勝し、全国大会進出を決めた。ゆえに浮かれている。緊張感が失われている。だから悪いクセが出たのだ」ということになるだろうが……ここでは、制作者の視点から考えてみよう。

結論から言うと、これ、【最終回に向かってより一段と盛り上げるためのテクニック】である（なお、本話は第22話。そして最終回は第25話だ）。

具体的には……

・Step 1：物語序盤の出来事を再演する

・Step 2：「あー、そんなことあったなぁ」と鑑賞者に過去を思い出してもらう

・Step 3：そして「思えば、主人公は随分と成長したものだなぁ」と主人公に特別な感情（好意、感情移入 etc.）を抱いてもらう

・Step 4：これにより、クライマックスで大いに感動してもらうことができる

【ポイント③】激アツの戦い！

本話後半、咲と久の直接対決が始まった。これがじつにアツい！

・アツい1：一種の師弟対決と言えるだろう。

・アツい2：久は「見せてあげるわ、私の本気をね！」と宣言。そして実際に手加減なしで、桃子と智紀を誘導するようにして咲を完封してしまう。この本気っぷりがいい。

・アツい3：久が頭脳プレーで咲を封じた！見事！……と思いきや、その直後、今度は桃子がステルスモードを発動。この＜達人同士の息つく間もないぶつかり合い＞がいい。

続きはこちら！

・この＜王道感＞溢れるオープニングよ！！｜【第1局：出会い】「咲-Saki-」に学ぶ

・主人公が覚醒するには、＜強く美しいライバル＞と＜鋭い観察眼を持つ先輩キャラ＞が必要！！｜【第2局：勝負】「咲-Saki-」に学ぶ

・説教が始まるかと思いきや百合展開！！｜【第3局：対立】「咲-Saki-」に学ぶ

・浮かれるな！現実を見ろ！地に足をつけろ！……そして強化合宿へ｜【第4局：翻弄】「咲-Saki-」に学ぶ

・いま、ついに、主人公たちの足並みが揃った！！｜【第5局：合宿】「咲-Saki-」に学ぶ

・鑑賞者に今後の展開を予想させ、期待を膨らませ、「あー、早く続きを見たい！」とワクワクさせるテクニック！！｜【第6局：開幕】「咲-Saki-」に学ぶ

・風越女子と福路美穂子の＜ギャップ＞の魅力♥｜【第7局：伝統】「咲-Saki-」に学ぶ

・＜百合＞と＜ちょいエロ＞を使って、重すぎず軽すぎない絶妙なバランスの物語を作る！！｜【第8局：前夜】「咲-Saki-」に学ぶ

・構成の妙！鑑賞者をミスリードしまくれ！！｜【第9局：開眼】「咲-Saki-」に学ぶ

・鑑賞者が思わず＜下世話な妄想＞を膨らませてしまう展開や演出をぶちこむ！！｜【第10局：初心者】「咲-Saki-」に学ぶ

・久はジョセフ、ネテロ、カイトに匹敵する曲者キャラである！！｜【第11局：悪戯】「咲-Saki-」に学ぶ

・隙あらば百合！でもやっぱり主人公カップルが最高だと思う！！｜【第12局：目醒め】「咲-Saki-」に学ぶ

・透華はあまりにも格好いい！なぜこれほどに魅力的なのか？｜【第13局：微熱】「咲-Saki-」に学ぶ

・アニメ「咲-Saki-」第14話を7つの視点から分析する👀

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・アニメ「咲-Saki-」第16話を5つの視点から分析する👀

・アニメ「咲-Saki-」第17話を5つの視点から分析する👀

・アニメ「咲-Saki-」第18話を6つの視点から分析する👀

・アニメ「咲-Saki-」第19話を3つの視点から分析する👀

・アニメ「咲-Saki-」第20話を3つの視点から分析する👀

・アニメ「咲-Saki-」第21話を3つの視点から分析する👀

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