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維持せよ、エレクチオン!!|『スピード』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「スピード」をベースに新しい物語を妄想します。

※「スピード」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「スピード」は、突如犯人の「罠」にハマった主人公が仲間の協力を得て、次々と襲い来るトラブルに対処し、やがて犯人を打ち倒すに至る物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『スピード』 ~『100db以上で叫び続けろ!』編」でした。


案②


三葉 まずは、「スピード」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 また、「スピード」の中心にあるのは「バスが50mph(時速50マイル=時速約80km)を下回ると爆弾が爆発する」というアイデアですが、これについて、前回以下のように申し上げました。


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嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは前回に引き続き、この「5つのポイント」を満たすアイデアを考えてまいりましょう!

嘉村 承知しました。

三葉 ということで「案②」は……エロ成分多めのアイデア。「『スピード』 ~『維持せよ、エレクチオン』編」です。


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嘉村 エレクチオン……?

三葉 勃起のことですね。


三葉 すなわち、主人公は「勃起を維持せよ。さもなくば男根に仕込んだ超小型爆弾を爆破するぞ!」と脅されている。

嘉村 ははぁ……。

三葉 これ、じつにしんどい状況ですよ。「スピード」以上の窮地と言っても過言ではないでしょう。何しろ、本人の意志ではどうにもならないところがありますからね。

嘉村 ふむ。

三葉 とまぁそんな大ピンチの主人公の前に、様々な「障害」が立ちはだかります。例えば………体内に爆弾を仕込まれたと聞けば、誰だって驚き、緊張し、焦るに違いありません。

嘉村 ええ。

三葉 しかし、こうした感情は、勃起の「障害」以外の何ものでもない。したがって、主人公の仲間が叫ぶ「いかん、怒張が収まりつつあるようだ!」「焦ってはいかんぞ!落ち着くんだ!……いや、待て待て待て!落ち着いてはダメだ!」。緊張や焦燥同様、「冷静」もまた勃起からは程遠い感情ですからね。

嘉村 確かに。

三葉 要するに、「冷静」と「緊張・焦燥」の間にある「適度な興奮」を維持する必要がある。かくして仲間の1人が言いました「竹野内豊だ!竹野内豊だッ!お前は竹野内豊になるのだッ!!」。

嘉村 ……ん?何ですって?

三葉 えーとですね、いまのは「冷静と情熱のあいだ」(ドラマ版の主演は竹野内豊さん)と、「タイガーマスク」の名ゼリフ「虎だ!虎だッ!お前は虎になるのだッ!!」をミックスしたギャグですね。


嘉村 わかりづらい……。

三葉 確かに万人受けするギャグではありませんが……しかし、主人公には響いた。彼は吹き出す。仲間が慌てる「マズい!『笑い』もまた勃起からは程遠い感情だ!」。

嘉村 ふーむ。こう考えると、勃起というのはじつにデリケートなものですね。

三葉 そうですね。思春期の中高生ならまだしも、ある程度年齢がいっている場合、勃起を維持するのはそう容易いことではない。

嘉村 ふむ。

三葉 その後も、主人公の勃起を維持すべく、一同奮闘します。しかし彼らをあざ笑うがごとく、次々と「障害」が襲いかかってくる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 まずは……勃起を維持するにはオカズが必要だということで、仲間がエロエロな写真集やAVを調達してきます。ところが、ここで判明!じつは、主人公は特殊な性癖を持っていた。

嘉村 あー……。

三葉 例えば、「触手」が大好きだとか。


三葉 したがって、ノーマルな写真集やAVは役に立たぬ。仲間内のリーダー格の男が叫びました「大至急、触手モノを探すんだ!」「イエッサー!」。

嘉村 なるほど。

三葉 あるいは……仲間が言った「よし、あいつが密かに想いを寄せるA子ちゃんに協力を仰ごう」。彼らは、A子の家に急行しました。しかし……A子はブチ切れた「はっ!?あり得ないんですけど!なんで私が、あんな陰キャのために脱がなきゃならないのよ!」。必死に説得するが、にべもない。仲間が呟いた「……『A子ちゃんは留守だった』ということにしよう」「ああ、それがいい」。かくして、勃起の妨げとなる不都合な真実は隠蔽される。

嘉村 ふむ。

三葉 致し方がない。かくなる上は……仲間は大金を積み、百戦錬磨のデリヘル嬢に協力を求めました。やってきたのはB子。彼女は人情に厚く、また賢い女性だった。事情を聞き、B子が言った「『管理』と『開発』が必要だね」

嘉村 「管理」と「開発」?何やらすごそうですね……。

三葉 「『管理』ってのは何のことだ?」。B子が頷く「萎えさせず、しかし射精も許さない『興奮の管理』のことよ。こう言っちゃなんだけどね、オニイサンたちの『管理』は甘すぎる。もっとビシッといかないとね」

嘉村 ほぉ……。

三葉 B子は馴染みの医師を呼び寄せ、主人公の心拍数や脳波、あるいはペニスのサイズなどをモニターする。

嘉村 なるほど。「興奮」を科学的に測定しようというわけですね。

三葉 ええ、その通りです。そしてB子と医師は、主人公の「興奮」の度合いに応じて、「刺激」を強めたり、あるいは弱めたり適宜調整する。主人公の仲間は、それを見てガッツポーズ「こりゃすごい!さすがはプロだ」。しかし、B子は笑った「まだまだこれからさ。『管理』ってのは、言わば守り。守りを固めたら、次は攻めに転じなきゃね」

嘉村 攻め……!

三葉 B子曰く、「人間は刺激に慣れるもの。いくら『管理』したって、そこには自ずと限度があるさね。だから……そう!新しい性癖を『開発』するのさ。人間の可能性は無限大。快楽の地平を切り開き続ければ、永遠に勃起を維持することだって可能だよ」

嘉村 何かすごいことを言っていますね……。

三葉 主人公の仲間が一斉に生唾を飲み込んだ。ゴクリ。かっ、快楽の地平……!オレも切り開いてほしい!

嘉村 うーむ。

三葉 とまぁキリがないのでこの辺りで終わりにしますが、いかがでしょうか。【明快な「ルール」】、【ヘビーで迅速な「罰」】、そして【バラエティ豊かで、高密度の「障害」】……「案②」は、前掲の「5つのポイント」を十分満たしたアイデアと言えるでしょう。

嘉村 確かに。

三葉 ちなみに「案②」に基づく物語を作る場合、もちろんエロエロの「女性向けポルノ」路線を狙ってもいいのですが……。

嘉村 ええ。

三葉 「シリアスなギャグ」路線をいくのも面白いと思うんですよね!「シリアルなギャグ+エロ」の世界には、「絶望の犯島-100人のブリーフ男と1人の改造ギャル-」という傑作があります。


三葉 上手くやれば、ああいった作品になり得るのではないでしょうか。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『スピード』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 「スピード」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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