「いつも元気でアクティブなキャラが風邪を引く」という物語を描く時に気をつけるべきこと!!|【第9話(3):つきっきり】「みなみけ」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
「いつも元気でアクティブなキャラが風邪を引く」という物語!
本話は、【<いつも元気でアクティブなキャラ>が風邪を引き、気弱になり、そして普段とは違うもう1つの顔を見せる】というエピソードです。
<いつも元気でアクティブなキャラ>というのは、例えば「ドラえもん」のジャイアン、「こち亀」の両津、あるいは「けいおん!」の律などですね。
※補足:「けいおん!」の第11話が、律が風邪を引き、普段とは違うもう1つの顔を見せるエピソードです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【ポイント①】普段とのギャップ!
<1>
この手のストーリーの見どころは、そう、<普段とのギャップ>です。
私たち鑑賞者は、例えば【いつもは強気で口やかましいのに、今日はとても素直】なんてギャップに萌えるのです♥
<2>
本話であれば、
・1:夏奈がすねる(ミッドポイント)
・2:夏奈がしんみりとした口調になる(ピンチ2)
・3:千秋もしんみりとした口調になる(第2幕後半)
……この3箇所!
普段は元気でアクティブな夏奈がすねる、しんみりとした口調になる。さらに、夏奈に対してはいつも強気な千秋もしんみりとする……嗚呼、このギャップ!
堪らない!
【ポイント②】<普段の姿>を描くのも忘れずに!
<1>
しかしですね、「ギャップがあればそれでいい」というわけではありません。世の中そう単純にはできていない。
ご想像ください。
ジャイアンが、物語の最初から最後までぐったりしていたらどうか?同様に、両津が終始大人しかったら?そして、始めから終わりまで律がしおらしかったら?
たぶん……つまらないと思うんですよね。
そもそも、ジャイアンや両津、律が元気に暴れ回る姿を見たくてその作品を手に取ったわけですからね。
<2>
というわけで、重要なのは【<普段とのギャップ>を描きつつも、それと並行して<普段の姿>も描く】ということです。
その点、本話は完璧です。
例えば、ファースト・ターニングポイント。千秋は「この間お前のアイスを食べたのは私だが、何か言うことは?」と問い、その反応を見て夏奈の体調を推し量ろうとします。
【怒らない → 重病だ!】というこの発想。いかにも千秋っぽくて最高ですよね♥
あるいは、エンディング。
夏奈は、体調を崩した千秋にリンゴを丸ごと1つ差し出します。それに対して千秋は、「丸かじりする元気はないよ……」とうめく。
この、いかにも夏奈と千秋っぽいやりとり!最高です♥
「みなみけ」は、やっぱりこうでなくては!
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