1粒で3度おいしい物語!!|【第2話(3):あだな】「みなみけ」を三幕構成で分析する
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分析対象
三幕構成
【問】本話の魅力は?
いやぁ、面白いですねー!
本当に面白い!
それではここからは、本話が一体なぜこれほどまでに面白いのか考えていきましょう。
【本話の魅力①】嗚呼、ギャップ萌え!
本話の最大の魅力、それは、
・第1幕~第2幕:千秋はクールでドライ、クラスメイトから「容赦なく急所をえぐるようなところからある」と評される少女だ。教師やクラスメイトに酷いあだ名を付けていく
・第3幕:そんな彼女が自身に「姫」というあだ名を付ける。さらに、マコトにツッコまれると恥ずかしそうに赤面した
……というギャップでしょう。
「クールな千秋も女の子。やはりお姫様に憧れているのか?」とか、「千秋って攻めには強いが、守りには弱いタイプなのかな?かわいい♥」とか……思わずニヤニヤしてしまいますよね。
嗚呼、ギャップ萌え!
【本話の魅力②】1粒で3度おいしい!
<1>
しかし、本話の魅力はギャップ萌えにとどまるものではありません。
ここからは、「構成」面の魅力に注目してみましょう。
<2>
まずご注目いただきたいのは、
・第1幕:【あだ名】は登場するが、【そのあだ名を付けられた人(教師)】は登場しない
・第2幕後半:【あだ名】も【あだ名を付けられた人(マコト、シュウイチ)】も登場する
……という差です。
第1幕……教師は姿を現しません。ゆえに私たち鑑賞者は「『台風14号』、『局地的豪雨』って……えっ!?それ、どんな教師だよ!(笑)」と興味を惹かれる。
一方、第2幕後半……【マコトやシュウイチが登場 → 彼らの性格が大雑把に描かれる → 千秋があだ名を付ける】という順にストーリーが進みます。
だから私たちは「『バカな子供』って!(笑)確かにマコトは『バカな子供』っぽいな(笑)」「これといった特徴のない少年を『プレーンヨーグルト』と名付ける……巧い!(笑)」なんて具合に、千秋のセンスに笑ってしまう。
<3>
さらに、第3幕は【千秋が自身にあだ名を付ける → 照れる(ギャップ萌え♥)】という展開。
要するに、<第1幕>も<第2幕後半>も<第3幕>も【千秋とあだ名を巡る物語】という点では共通していますが、しかし、ストーリー展開も笑いどころも異なっているのです。
だから、私たち鑑賞者は途中で飽きたりしない。最後まできっちり楽しめる。
本作は言わば「1粒で3度おいしい物語」。
この短いストーリーの中に2箇所も転換点を設けるって……いやぁ!すごいですねー!
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(担当:三葉)
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