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あれもムカつく!これもムカつく!もっとムカつく!もっともっとムカつく!!|『セックス・アンド・マネー』(3)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「セックス・アンド・マネー」に登場する「ジェーンの物語」をベースに新しい物語を妄想します。


※【参考】「セックス・アンド・マネー」の作品概要などはこちら


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。「セックス・アンド・マネー」は、40代女性のリアルな日常を描いた群像劇です。

嘉村 ええ。

三葉 そして、「群像劇」というからには作中に複数の物語が登場するのですが……その内の1つが「ジェーンというキャラにまつわる物語」。今回は、この「ジェーンの物語」のストーリー構造を利用して、新しい物語をアレコレ考えてみましょう!

嘉村 承知しました。

三葉 まずは、「ジェーンの物語」の概要を振り返ります。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。


案①


三葉 さて、以上を踏まえて「『ジェーンの物語』をリスペクトした物語」を考えるわけですが……もう1つ、以下もご覧ください。


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嘉村 なるほど。

三葉 ということで……まずは、「いつも苛立ち、攻撃的な中年女性のエピソード」を考えてみましょう!


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三葉 ストーリーはこんな具合です。……主人公は中年女性。彼女には、優しい夫と素敵な子どもがいる。仕事では成功者と目されている。お金にだって恵まれている。彼女の人生は、まさに順風満帆に見えた。……が、しかし!彼女は憂鬱だった。

嘉村 ふむふむ。

三葉 先日、彼女は43歳の誕生日を迎えました。……嗚呼、40代!気がつけば40代!人生の折り返し地点です。体のあちこちに衰えを感じる。この先、私の人生には何があるのだろうか?……もう何もない気がした。

嘉村 ふーむ……。

三葉 このまま淡々と時間は過ぎていくのだろう。もう胸がときめくようなことは何も起きないのだ。そして死。嗚呼、何と言うことだ!私の人生はこんなものだったのか!……彼女は落ち着かない。じっとしていられない。何があったわけでもないが、終始むしゃくしゃして仕方がないのです。

嘉村 まさに、「中年の危機」ってヤツですね。

三葉 ええ、その通りです。

嘉村 なるほど。

三葉 さて、「セックス・アンド・マネー」はアメリカの都市部(ロサンゼルスのいわゆる「上位中産階級(アッパーミドルクラス)」が住むエリア)を舞台にした物語ですが……。

嘉村 ふむ。

三葉 「案①」の主人公は、東京に住んでいることにしましょう。そして東京と言えば、電車移動が基本です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり、こんなエピソードが考えられるでしょう。……主人公は駅にやってきた。「電車の到着が3分ほど遅れる」というアナウンスが流れる。事故の影響だと言う。主人公はブチ切れる。

嘉村 怒りの沸点が低いなぁ……。

三葉 そして駅員に詰め寄った「事故って何よ、事故って!冗談じゃないわよ!私は急いでいるのよ!どう責任とってくれるのよ!」。

嘉村 うーむ……。

三葉 電車内でも、彼女のイライラは止まりません。ミニスカートにバッチリメイクのJKを見かけると、「まぁ、下品!ああいう子がパパ活なんかに手を出すのよねぇ」。声がデカい。無論わざとです。JKがじろっと睨みつける。主人公は平気の平左、素知らぬ顔をしている。図太い神経である。一方、主人公に同行する友人は気まずさのあまり俯く。

嘉村 なるほど……。

三葉 次の駅では、高校生カップルが乗ってくる。じつに仲睦まじく、微笑ましい。しかし主人公は、「あらあら!ご覧なさいよ、あの子の顔!まるで発情したメス犬ね!」。友人が俯く。主人公は続ける「よく見ると、じつに不釣り合いのカップルよねぇ。男の子はかわいい顔をしているわ。それに比べてあの女の子は……残酷よねぇ。きっとすぐに捨てられるわよ」。高校生カップルが何事か囁き合う。きっと「怖い。変な人がいるわ……」「関わらない方がいいよ」なんて話しているのでしょう。2人は隣の車両に移動する。主人公は追い打ちをかける「ブスってお気の毒ね!」。

嘉村 うーむ……。

三葉 相手がオッサンとなると、さらに容赦はありません。すなわち……中年男性が乗車してくる。主人公がすかさずうめき声をあげる「ううっ!」。車内の視線が集まる。友人は胃が痛い。主人公は顔をしかめて、「臭い!臭いわ!耐えがたいニオイよ!」。中年男性がビクッと肩を震わす。友人は俯く。

嘉村 俯いてばかりですねぇ。首が疲れそうだ……。

三葉 しかし、友人の災難は終わりません。主人公が彼女に同意を求めたのです「ねぇ、あなたもそう思うでしょ?」。友人は聞こえないフリをする。主人公は、友人の顔を覗き込む「悪臭のあまり耳まで遠くなったの?ねぇ、そうでしょ?」。友人は、どうしていいのかわからない。泣きそうな顔で何度もうなずく。主人公はバカデカい溜息をつく「やっぱりそうよねぇ。あー、息苦しいわ!」。

嘉村 もうムチャクチャですね……。

三葉 他にも、車内広告を見ては「不倫した芸能人なんてみんな死刑にすればいいのよ!」と暴言を吐くなど、主人公の攻撃的言動は止まらない……。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案①」では「いつも苛立ち、攻撃的な中年女性のエピソード」を検討しましたが……。

嘉村 ええ。

三葉 「案②」では、「虚無感に囚われ、何もかもが面倒くさい中年女性のエピソード」を考えてみましょう。


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嘉村 ふむふむ。「ジェーンの物語」では、主人公(ジェーン)は洗髪を止めてしまうんでしたよね。

三葉 その通りです。洗髪を止めたことで、彼女の髪はベトベトになる。不潔です。夫や友人は驚く「どうしたの?」。彼女は生気のない顔で「別に。ただ疲れたのよ」。……なかなかどうしてインパクトのあるシーンでした。

嘉村 ふむ。

三葉 さて、これに匹敵するエピソードを考えてみたのですが……例えば、「料理を手抜きするようになる」なんてわかりやすいですよね。

嘉村 なるほど。

三葉 すなわち……主人公は元々料理が好きで、素晴らしい手料理をふるまっていた。ところが、次第に手抜きが目立つようになる。やがてスーパーやコンビニの惣菜が増え、さらにコンビニ弁当になり、最後はポテトチップスなどの菓子だけになる。……なんて感じですかね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 あるいは、「下着をつけなくなる」なんてのはいかがでしょう。

嘉村 ノーパン!いや、ノーブラか……?

三葉 「だって、どうせ上に服を着るのよ。下着……いる?洗濯物が増えるだけじゃない」なんて言うわけですよ。

嘉村 ふーむ……。

三葉 「窮屈だしさ。誰に見せるわけでもないし……」。

嘉村 いや、確かにそうかもしれませんが……。

三葉 もしくは、普段からスマホを携帯用充電器で充電している」なんてのもアリだと思うんですよね。

嘉村 ほぉ……どういうことです?

三葉 主人公は、「電池の残量を気にする → 必要に応じて充電器にセットする」というのが面倒くさい。したがって、常に携帯充電器につなぎっぱなしで、つないだまま持ち歩いているというわけです。

嘉村 ははぁ……。

三葉 以上、「『ジェーンの物語』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!



続きはこちら!!

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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