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アニメ「咲-Saki-」第19話を3つの視点から分析する👀

※引き続き、アニメ「咲-Saki-」を分析します。本記事で取り上げるのは第19話。第18話以前を分析した記事については、最下の「関連記事」欄をご参照ください!


分析対象


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あらすじ


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【ポイント①】県予選終了


本話は、【県予選の結末が描かれるエピソード】である。長かった県予選もついに終わりを迎えたのだ!


なお、どれくらい長かったかというと……

県予選は、14話かけて描かれた(第6話~本話)

県予選決勝は、11話かけて描かれた(第9話~本話)

県予選決勝の大将戦(咲の試合)は、5話かけて描かれた(第15話~本話)


【ポイント②】主人公が、過去の自分を乗り越えるエピソード


<1>

県予選決勝の大将戦では、どのような物語が紡がれたのか?

一口で言えば、【咲が過去の自分自身と戦う物語】と整理できるだろう。


<2>

思い返してみると、第1話時点の咲は麻雀を嫌っていた。だが、メチャクチャに強かった。

つまり、<咲 = 麻雀が強い。しかし好きではない>だったのだ。


そんな咲と鋭く対立したのが和である。和は<麻雀が強い。しかも愛している>というキャラだ。


<3>

上述の通り、<咲 = 麻雀が強い。しかし好きではない>だった。

だが麻雀部の面々と出会ったことで、彼女は麻雀の楽しさを思い出していく。かくして咲は、<麻雀が強い。しかも愛している>という和同様のポジションに移っていった。


<4>

で、衣である。

衣は、ぶっ魂消るほどに麻雀が強い。しかし、彼女は麻雀を愛しているとは言いがたい。

なぜか?


▶ 衣が麻雀を愛していない理由①

衣には、<相手の手牌をある程度読み取れる>という能力がある。彼女は対戦相手にチャンスが訪れるや否やそれを察知し、潰してしまう。だから、対戦相手はまったくあがれない。

そして……藤田プロ曰く、そんなものは麻雀ではない。だって、相手との駆け引きや、ギリギリの攻防こそが麻雀の魅力ってもんだろ!

つまり、衣は麻雀を打ってはいるが、麻雀の魅力には触れていないのだ。ゆえに、麻雀を愛せるはずもない。


▶ 衣が麻雀を愛していない理由②

衣は、【透華のアドバイスを受け、麻雀を通じて友達を探す → しかしあまりにも麻雀が強すぎて、皆去って行ってしまう → 落胆】という経験を繰り返しているらしい。

これでは麻雀を愛すことはできまい。


<5>

ところが……衣は咲と出会った!

咲には、衣の能力が通じない。さらに「衣との麻雀は楽しい」と言ってくれた。そう、咲は上述の2つの<理由>を解除してくれたのだ。

その結果、衣は麻雀を好きになれた(これからもっともっと好きになっていくのだろう)。


<6>

以上をまとめると【咲は、和らのおかげで麻雀を愛せるようになった → 今度は、衣(=過去の咲自身)が麻雀を愛せるようにサポートした】ということになる。

つまり、本話は<主人公が過去の自分自身を乗り越える>という超王道的な物語なのだ。


【ポイント③】華菜のものすごさ


<1>

本話の主役は咲であり、そして衣だ。

が、しかし。もう1人決して忘れるわけにはいかぬキャラがいる。華菜である。


<2>

本話の華菜はものすごい。どれだけ絶望的な状況でも彼女は決して屈しないのである!


華菜曰く、「たとえばこの局、天江から役満をあがる!そしてオーラス、あたしと鶴賀だけが3連続テンパイで流局!その後もう1回天江に役満かませば、うちの逆転優勝だ!」。

さらに曰く、「あたしのすべきことは何か?振り込まない!あがらせない!とにかくひたすらテンパイして流局!それを30回くらい繰り返す!リー棒出してくれたらもっと速くなるし、その後役満あがれば……ほら!華菜ちゃん、奇跡の逆転優勝だし!」。


無論、華菜のプランは常軌を逸している。そんなに幸運が続くはずがない。

そして、そんなことは華菜だってわかっている。というか、華菜自身が1番わかっている。彼女は他の3人と比べて明らかに弱いのだ。

しかし、それでも諦めない!


<3>

素晴らしい役ができても、華菜は間髪入れずに崩してしまう。なぜならば、それでは衣(龍門渕)の持ち点に届かないからだ。

順位を上げることはできるかもしれない。いまはダントツ最下位だが、3位か、はたまた2位に浮上できるかもしれない。

しかし……それではダメなのだ!だって目指すは優勝なのだから!「あたしは勝ちを諦めない!」。彼女は優勝しか見ていない!


<4>

世界は残酷だ。

華菜に奇跡は訪れなかった。

最終的に、彼女は惨敗する。

しかし!

圧倒的強者を前に1度は絶望の淵まで追い詰められながら、しかし最後に至ったのは<絶対に諦めない>という境地!この華菜の軌跡は、咲や衣以上に感動的なものである!



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(担当:三葉)

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