変出者、ニューヨークの夜に現る!
それは、クリスマスの近いニューヨークだった。
私たち、女子三人は中心部からやや外れているが、かわいいアイシングクッキーを売る店などが立ち並ぶ夜道を歩いていた。
通りはやや薄暗いが、店の明かりで照らされ、通行人はそれなりにいる。
すると、一人の友達が言った。
「なんか、後ろのおじさん、私たちの後を着いてきてない?」
私は、まさかそんなことはないだろうと思った。
おじさんは、猫背でやや腰が低く、暗めのジャンパーにズボンの質素な服装をしていた。
その他の通行人のように、危ない人にも見えなかった。
とりあえず、私たちは、ちらちらと後ろのおじさんを見ながら前に進む。
だが、やはり怖くなった私たちは、とっさに目に入ったファーストフード店/カフェのような店に駆け込んだ。
本当にそのおじさんが私たちの後をつけているのかどうか、正直わからなかった。
私たちは店内の奥から、入り口の小さな窓付きのドアを見つめる。
すると、そこには…
ドアの小さな窓に、
両手をバンザイのようにくっつけ、
その間から顔を出し、
店内の中にいる私たちを目で探す…
おじさんの姿があったのだ!!!!
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