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【月刊】喫茶食堂kenohiの振り返り(2021年12月)

・カフェや喫茶店をいつか個人で開業したい人
・kenohiや店主に興味がある人

そんな人に、このnoteが届くと嬉しいです。

東京の武蔵小山、住宅街で小さな喫茶食堂kenohiを一人で営んでおります。
新卒入社したIT企業を3年で脱サラし、26歳のときに開業しました。
あっという間に2年半経ち、現在29歳のひかると申します。

●このnoteに書いていること
・前月の収支結果と、その考察
・実施したことについて
・雑記、エッセイ等

2021年最終月の12月の記録です。
この記事とは別に、1年の振り返りも後ほど書く予定です。

<はじめましての方へ>
●kenohiについてはこちら

●店主についてはこちら

※kenohiの裏側は知りたくないよ!という方は下記の目次から2へ飛んでください

今月のサムネイル画像は、ベイクドチーズケーキ。
特別なものは何も使っていないシンプルなおやつですが、実は私が作るのを楽しみにしている方がいらっしゃることが嬉しいです。

1. 収支

12月
2021年

※運営に欠かせない最低限の勘定科目/経費のみ記載。暫定です。
※便宜上、私(個人事業主)の給料を人件費として記載。
※減価償却、在庫の棚卸しについては記載していません。

■収支(利益):-¥326,215

 ・売上:¥362,195
 ・費用:¥688,410

12月は赤字となりました。

12月を総括すると...

・日販は11月からほぼ横ばいに推移
 - 客数、単価ともに変動ほぼなし
 - 臨時営業やワークショップで営業日が増えた影響で、店舗売上が若干増加

・2021年中に、必要な備品/機材の買い替えや買い増しを済ましたので消耗品費が増加。その影響で赤字金額が大きくなっている。

ここからは、収入と支出に分けて見ていきます。

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■収入について

〇前年同月比

売上全体
店舗売上詳細

・売上全体:34%
 - 昨年は協力金の影響で店舗外売上が大幅に増加した。
 - 協力金を除くと、昨年売り上げは¥652,482になり、前年比は56%
 - 売上が約半減した主要因は店舗売上の減少


・店舗売上単体:52%
→昨年比で営業日数が3日間減少。加えて、客数/営業日が-8人と大きく減少した。客数減が主たる要因だと捉えている。

○日販平均(店舗売上/営業日数)

営業日数は月毎に変わるので、お店の経営的な健康状態を正確に知るうえで重要な指標です。

・日販平均:¥17,375(先月比99%)
 - 客単価:¥1,154(99%)
 - 客数/営業日数:15人(100%)

日販は先月からほぼ変動ありません。
1営業日当たりの客数が、7人程増えることが望ましいです。
(日販2.5万円程の一日が、体力的にも精神的にもちょうどよい。それでも足りない分は他で売上を作るのが理想)

おひとりさまのためのお店にして2ヶ月。
お2人でのご来店に「ごめんなさい」とお断りする機会も減ってきました。今の地力を確認できた一か月でした。

平均客数は「休業しよう」と決めた2021年8月と同数。
開業時からの推移は下記グラフをご覧ください。

〇売上詳細

<店舗売上>

※()内は先月比

・売上:¥312,750 (+¥66,800)
・客数:271人 (+58人)
・客単価:¥1,154 (-¥1)
・営業日数:18日 (+4日)
・日販平均:¥17,375 (-¥193)
・客層:既存81% (-4%) 新規19% (+4%)
・テイクアウト売上:12% (+2%)

営業日が増えた影響で売上が増加しています。

<店舗以外の主な売上>

計:¥49,445

・note:¥14,985
・LUUP:¥1,100
・店舗貸し(間貸し営業):¥30,330 (計6回)
・ワークショップ:¥3,000
・その他:¥30

約5万円の売上でした。
継続的な店舗貸し(SEE YOU in the MORNINGさん)と、noteの収入が大部分が占めています。

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■支出について


協力金の影響で収入が大きくなった2021年のうちに、機材や備品を買い替えたことで、消耗品費が大きくなっています。


人件費(私のプライベート用なので、経費ではない。が、それ込みで黒字じゃないとなあと思うのでこの記事では費用に含めています)を抜いても-12万円程の収支。赤字は赤字なのですが、現状維持以上であれば半年~1年は様子見をするつもりです。

2. 12月にあったこと、やったこと

〇展示『そして今日も日が暮れる』

by facelighterさん

夕日が思い浮かんだきっかけを尋ねると「職場の窓から毎日オレンジの光を感じるのがすごく嬉しかったから」と。

こういう個人的な理由がとても好きです。
kenohiでの展示は二度目となる @facelighter さんによる夕日の写真展。店内の雰囲気がよりあたたかく、そしてノスタルジックになりました。1/15(土)まで展示しています、どうぞお楽しみください。

〇余り物忘年会

12/26(日)、最終営業日の翌日に、ご来店いただいたことある方限定でひっそりとオープンしていました。
最終日に余ったお菓子やお惣菜を無料で振る舞って、お飲み物のみご注文いただいて。
捨てるのは心苦しいので、沢山の方が召し上がってくださって何よりでした。

それ以外はいつも通り。
入れ替わりで、kenohiを大事に思ってくださる方々がいらっしゃって、和やかにお話される方々がいたり、静かに過ごされる方もいたり。

楽しかったです。それと同時に、例えばバーカウンター形式のお店のように、いろんな方と毎日お話する方は凄いなと思いました。
気の知れた方々とはいえ、1日動きっぱなし話しっぱなしというのは久しぶりで疲れました。笑

3. いま考えていること

収支的には、どう見たって「良い」とは言えない状況ではありますが…店内で読書をしたり、お客さんとお話したり、毎日たのしく穏やかに暮らしています。心と身体は健康です。

末永く生きていけるように、記載した収支表には反映させていないところでも、できうる限りの適切な節税もしました。(iDecoを活用して控除を増やしたり、学生時代の年金を追納したり、大家さんに相談して家賃の前払をさせていただいたり、です)

そうして残した協力金(バブリーなこと、一切していない人です)と、これまでの貯金とを切り崩しながら、この日々を続けていこうと思っています。

新しいことを始めたり、そもそも営業日をまず増やしたり。
収支を改善するために、すぐにでもできることは色々とあるのですが、もうちょっとこのままの日々を過ごしたい。

段々と調子が整ってきている気はしますが、万全ではない感じもするからです。(抑うつ状態だった9月10月と比べるとずいぶん回復しましたが、まだ無理はしたくない)

そういうわけで、せっかく作った「あわいの時間」も予約が入ればお話する、という受け身の状態で、新年暫くは何も予定していません。

様々な変更を受けて「面倒なお店になった」と去る人もいれば、
noteやInstagramを見て来てくださった方がかよってくださったり。嬉しいことも悲しいことも、色々ありますね。

===


先日はじめて来てくださった方から、嬉しい感想をいただきました。

喫茶店という場を通しても対話は十分可能である。事実ここでは対話が成立していた。
対話がしたい。つまるところそれだけ。
対話がしたい。性別も年齢も問わない。
旧知の仲でもできない人とはできないし、初対面でもできる人とはできる。

ここにいる人とはきっとすぐに対話ができるような気がした。
実際には声をかける勇気などなく、ほうじ茶を飲み干し店を後にした。

会話がなくとも対話はできるんだなあと改めて感じました。

お客さんのInstagramの投稿より。一部編集しています。

私からお客さんに話しかけることは、基本的に(特に初めましての方には)ないので、この方とはお話はしていません。

でも、本当にその通りに感じます。実際には一言も交わしたことない方でも、何か分かり合えているような感覚になることがあるのです。

逆に、何度話しても言葉だけが行き交って、心は通っていない、すれ違いのような会話になることもあります。

必ずしも言葉を交わさなくても、感じてもらえるものがあったことを嬉しく思いました...。


===


さて、最後に2022年はじめにプライベートのSNSアカウントで投稿した文章を投稿して終わります。


新年のご挨拶を申し上げます。

2021年夏、婚姻届を提出したものの元々一緒に住んでいたので、当初は実感もなく暮らしも変わらず。(妻が苗字を変えてくれたから影響がなかった、というのもあるでしょう。話し合って決めました、ありがとうございます。林と田中なので、林田か中林が良いねと話していたものの、今のところそういう訳にもいかず...)

秋頃から進めはじめた式・披露宴(2022年4月予定)の準備や年末年始のご挨拶の中で、結婚は二人の間だけのことではなく、家族同士のことなのだとしみじみ思いました。


本年は、より一層がんばらずに過ごしたいです。

心身ともに無理せず、我慢せず、小さな違和感を無視せず。こんな生き方をする人間が一人くらいいてもいいのでは、とも思うし、こうやって等身大のまま生きていくことが容易ではない(と感じられる)世の中を悲しいとも思います。


がんばらない、即ち怠惰になるというわけではなく。引き続きコツコツ少しずつ物事を進めて、切羽詰まることなく余裕を持って日々を過ごしたい。

でも意外と「まあ自分が我慢すればいいか」と無意識に飲み込んでいることも多いので難しい...。


"私が自分のためにやることが、何かの奇跡で誰かのためになったとき、心がふるえます。"

随分前に、あまり深く考えずにnoteのプロフィールに書いた文章ですが、本心をありのままに表現できている気がします。


まずは自分のために物事を行わないと、ですね。やりたいことの多くはもう、日々十分にできている気はしますが、

暮らしの舞台を3年以内には東京から移したいなあとぼんやり考えています。

では何処に、というのが具体的なわけでもないですが。



"人間は「人生から問われている者」である"
"人がみずからの主観で人生に意味があるかないかを決めうるとして、人生の意味を問う構えそのものが、そもそも傲慢なものだ"
"むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。"

12月に読んだ、ヴィクトール・ E・フランクルの『夜と霧』(の、要約版)。

そのままではないけれど、確か上記のようなことが書かれていて、心に残りました。

今年はどんな問いを投げかけられるのでしょうか。どう応えてやろうか、と考えると少し前向きになれる気もします。

(同時期に『BLUE GIANT』を読みましたが、主人公が苦難の中で「人生が俺に挑戦してきたー!」というようなことを叫ぶシーンがあるのですが、そんなふうに考えたことなかったです...)

※ちなみに、とても都合よくかいつまんで、都合よく解釈しています。



kenohiは明日から営業、日常に戻ります。気づけばもうすぐ3年、色々あっても未だにkenohiを営業できていて嬉しいです。

明日も楽しみです。毎営業日楽しみだと思えていることにホッとします、飽きないものですね。

長くなってしまいました。本年もどうぞよろしくお願いします。

4. 質問箱

オープンな場でコメントするのを躊躇する方もいらっしゃると思います。
上記フォームでの回答は私しか閲覧できません。

感想、長めのご相談、素朴な疑問等、なんでも構いません。
楽しみにお待ちしています。


以上です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

kenohiに興味を持ってくださった方は、他記事も読んでくださると
とっても嬉しいです。

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