いつか、カフェをはじめたい あなたへ
「自分のカフェをひらきたい」
「老後はカフェをやりたいな」
仕事柄、そんな話を聞くことが多いです。
私は2019年4月から、東京の武蔵小山にて
一人時間に寄り添う喫茶食堂kenohi を一人で営んでいる ひかるです。
※席数やコンセプトは開店当初から少し変更されています。
私も、冒頭のような思いを数年間 胸に抱き、
今に至っています。
「カフェをはじめたい!」
そんなあなたに ぜひ考えてほしいこと、やってみてほしいことを書きます。
※オーナーを目指している方ではなく、あなた自身がお店に立つ小さなカフェを想定しています。
カフェを「はじめたい」のか、「続けていきたい」のか。
自分のお店を持つということがゴールになっている人も多いのでは、と思います。
お店を構えるということは、ゴールではなくスタートです。
お店を持ってからの自分の生活をイメージしてみてください。
「非日常のイベント」ではなく、「日々の生活」になるのです。
お店を持つということは、
・固定費(店舗の家賃や光熱費)が発生
・撤退するにもお金がかかる
・人を雇えば人件費が発生
・あなたがいないと、決めないと何も進まない
・自分の収入はお店の売上次第
こういった現実に足を踏み込む、ということです。
私はカフェを始めるのに必要なことは、ただ一つ。
「自分ですべての責任をもち続けていく覚悟」
それだけだと思っています。
あなたを怖がらせたいわけでも、大変さを伝えたいわけでも、オススメしたくないわけでもありません。
すべて自分のおかげであり、自分のせいになる。
嬉しい/喜ばしい面だけでなく、苦しさや不安もセットで受け入れられる覚悟があるか。それがとても大切だと思います。
お店をやり続けたい気持ち、お店で提供したいコト/モノへの想いが切れたら、(あなたではなく)お店は終わりです。
結局、お店を構えるということは、手段の一つにしかすぎません。
「うるさい!それでもやるの!!!」
と、思ったあなたはもう何も心配いりません。
何事もそうだと思うのですが、その心意気があれば大丈夫です。
馬鹿にしているわけではなくて、本当にそう思います。
何を始めようとしても、嫌なこと、リスクやデメリットばかり言う人はいるものです。(それはそれで、ありがたいことですけども)
理由なんて、なんだっていいんです。
人に納得してもらえなくても、自分さえ納得できれば。
足りてない部分があっても、気持ちさえあればこれからいくらでも足していけます。
(私は、「うまくいくかわからん不安だらけやけどとにかくやってみたい!自分の人生の責任は自分でとる!」と心の中で叫びながら、何が何でも始めると決めました。なんにも、中身つまってなかったけれど。)
「そんなこと言わないでよ...」
と、思ったあなたへ。
4つ質問しますね。
カフェをはじめたい理由はなんですか?
・なんとなく...なんでだろう。
・カフェが好きだから。
・友人たちが集まれる場所を作りたい
・自分のお菓子や料理をいろんな人に食べてもらいたい
・自己表現したい、自分の理想の世界を世に問うてみたい
・明確に、具体的な誰かのための場所を作りたい
先述した通り、自分さえ納得できていれば
なんでも良いのです。
どこまで考えられているかなんて、さほど重要ではないです。
ただ、まだ確信できていないのだと思います。
どんなお店を作りたいですか?
・わからない
・お一人さまがゆっくり過ごせるお店
・お客さん同士でコミュニケーションが生まれるお店
・ご飯やお菓子がおいしいお店
・珈琲にこだわったお店
・内装や外装にこだわって、雰囲気が素敵なお店
どんなお客さんに来てほしいですか?
・わからない
・誰でも良い!ウェルカム
・主婦の方、家族連れ
・学生
・おじさま、おばさま
・○○(特定の趣味)好きな人たち
どんな場所でやりたいですか?
・わからない
・繁華街
・駅前やアクセスの良いところ
・住宅街
・田舎
…
おそらく「そんなこと言わないでよ...」と思ったあなたは、
「わからない」こと、まだ考えていなかったことが多かったかもしれません。
それはまったく、悪いことではありません。
人に説明するための、最もらしい理由や考えの深さなんて、
自分がお店を始める上でなんの役にも立たないからです。(いや、応援してもらえたり共感を呼びやすかったりはするか...)
自分を信じること。他人に勧められたから、他人が「良い」と言ってくれたからではなくて、自分が自分を信じられることが大切だと思います。
何より、なぜだかわからないけど自分の中に沸き起こった「やりたい」という気持ちは、素晴らしく、そして大切なものです。
やる気、何かをはじめたい気持ち…というのは持とうと思って持てるものではありません。
はじめたいと思ったときにやることは?
小さな一歩を踏み出すこと、です。
自分が自分を信じられるように。
・レンタルスペースやレンタルカフェを使って、1日カフェをやってみる
・友達を家に招いて飲み物や食事をふるまってみる
これらは、少しのお金と時間でリスクなくできます。
頭でっかちにならずに、勢いで日にちを決めて、エイっといきましょう。
小さな一歩を踏み出すうえで、最初からうまくやろうとしないこと。
全然お客さんが来ないかもしれないし、
自分の好きな雰囲気じゃない場所でやることになるかもしれません。
それでもやってみたら、改善したい部分はもちろん、
もっとこうしたい! という部分がきっと見えてきます。
繰り返しやっていくうちに、
「あ、月1カフェで満足だ自分は」
「毎週やりたいな」
「こういう方が来てくれたら自分は嬉しいんだな」
「料理よりもお菓子を作るのが楽しい」
「接客よりお菓子作りのほうが好きだな」
「自然に囲まれた場所でやりたいな」
こんな風に自分の「なんとなく」が、少しずつ具体的になってきます。
自分にとっての最適な形が確信できるまでやってみましょう。
焦らず、のびのびと。
私がはじめて1日カフェをやったのは大学2年生の時で、
その後もケータリングをしたり、カフェの雇われ店長をやったり、ITベンチャーに就職したり、就職してからまた1日カフェを繰り返し...
結局、ぼんやり「やりたい」と思ってから6年後にkenohiを開くことができました。
飽きたら、やめたり休んだりすればいいんです。
レンタルカフェなら、それができます。
伝えたいことまとめ
・お店を構えるということは、ゴールではなくスタートです。そして日々になります。
・やらないことには、何もわかりません。小さな一歩(1日カフェ)を踏み出してみましょう。
・(自分にとっての)やる理由、どんなお客さんを相手にしたいか、どんな使われ方をしたいか、提供したいもの、内装、外観、場所...具体的に考える。やる→考える→やる→考える...。
そして、レンタルカフェ等を繰り返すうちに、自分の中で
やり続けていく覚悟ができたら、確信したら、お店をはじめる。
やりたくてしょうがない、ほかのことなんてできない。
気づいたらやってしまう、考えてしまう。
そんな状態になったら、お店をはじめると良いのかな…と私は思います。
以上です。ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
ではでは。
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▼kenohiのコンセプト
▼kenohiの収支
kenohiという小さな喫茶食堂を運営する中で思うことや考えていることを書きます。もし、万が一、応援したいと思ってもらえましたら、サポートいただけると嬉しいです。