伊藤砂礫

つらつらと書いていた詩歌と拾ってきた写真、性懲りも無い呟きをあげています。 在野の物書…

伊藤砂礫

つらつらと書いていた詩歌と拾ってきた写真、性懲りも無い呟きをあげています。 在野の物書きです。榎木津礼二郎風に言うと物書きは職業ではない!物書きという自覚が物書きたらしめるのだ!(うろ覚え) と、まあそんな感じで

記事一覧

『リンデン』

起きては眠り、眠っては起きるあわいで夢を見る。擦っても擦っても落ちない瑠璃のインクと黄昏の円筒の内側の町。曇り硝子と花礫。朧の道なりの建物に透明な物の総称を見た…

伊藤砂礫
1年前
2

『唐(カラショウビン)翡翠』

新たな傷をつける不眠不休の唐(ショウビン)翡翠右故に瑪瑙の血小板に刻む(hug and --)そしてautomaticに automaticに彼としてのお前は均されていく鳥の機構・自滅のテ…

伊藤砂礫
1年前
2

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん

伊藤砂礫
1年前
2

今年こそは

今年こそはもっと詩っぽいものを書こうと思う

伊藤砂礫
1年前
4

『感傷』

腕につけた格子状の傷が開いて紅いかすみ草が咲いたらエールを飲んで眠ろう。あの夏に砂で作った風の墓標が円柱の街にしまい込まれ海の記録との感傷だけを撒き散らすと、何…

伊藤砂礫
1年前
3

『建築現場』

土建屋の翼のカンタータ。夕暮れの街灯は丸く四方八方に鋭角の光を突き出し金属音を内包しつつオーム貝にスペクトラ厶臻ジーザス日差しの前後で音は変わり籠から溢れ出た桃…

伊藤砂礫
2年前
7

『海はなかった』

目覚めた筈の海辺の観覧車に一人見付けた冗長冗漫な貴方はナニを食みナニを繕う 日傘が無いと日の出から日の入り迄目を開けていられないのは瞳が光源を思うから 揺さぶられ…

伊藤砂礫
2年前
2

Auf Wiedersehen

効いてるか効いていないか判らない薬の空き束が転がり鉄の味が見初める白球の胡乱な軌跡が磨り硝子の向こうで明滅すれば擦過音は隣の建物の屋上からScheiße居畳まれず立ち…

伊藤砂礫
2年前
2

『summer noise』

オレンジの花びらが生垣から零れ夏は始り朝方何処かで郭公が鳴きねじれの位置に有る世界は愉快な音を生み出しているが裏で響くのはバックグラウンドノイズで聞き耳を立て氷…

伊藤砂礫
2年前
5

『紫煙』

鈍い金属音の後の僅かなスロープにしがみつき胸腺に咲く鳥の赤い目に引き裂かれる雷samba parade何時かの細道に馴れ初める唇は蒼くトラットリアの指輪に潜む冥府の王の夢を…

伊藤砂礫
2年前
13

『サバス』

風が青くて鴫の白い翼にラピスラズリが忍び込み[ナレは時空の星、奏上の月の光][貴兄に送る手紙は宇宙の営みのこれまでとそれから]伽羅を燃やした煙が水平線に流れるア…

伊藤砂礫
3年前
7

『Sin』

〔因数分解する〕肢体〈 〉は〔アルカリ溶液の作中劇〕〔花虻が〕晦日に終わる〔常夜にsonatine〕〔食む月〕背筋の二口〔近隣の裏口〈の〉paint〕混ざり込む〔butterの虎…

伊藤砂礫
3年前
4

『ノーライフキング』

カーディフからタウィンまで続く蓮のランタン。白を希求し砂に溶けていく鷺を片眼に記憶して君は何処かへ行ってしまった。下草の無い森の地面に金の空魚が泳いで、験、軌跡…

伊藤砂礫
3年前
3

『August』

オレンジの花びらが生垣から零れ夏は始まった。朝方何処かで郭公が鳴き、ねじれの位置に有る世界は愉快な音を生み出しているが裏で響くのはバックグラウンドノイズで子供は…

伊藤砂礫
3年前
5

『ノタリコン』

<хороший halation!> [絡みつく緑の蛇]/ [竜胆の結晶体] //目眩の源泉に言葉を振り掛けるオーボエ…

伊藤砂礫
3年前
2

『熊蜂』

熊蜂の唸りが跳ぶ。翳した手の甲は蛍光の血管 “Let's” パーティの終わりは瀧だから蜜色の霧が立ち籠め(、) 徐に足を組んだ君の片笑窪が宙返りするキュレーター。シグ…

伊藤砂礫
3年前
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『リンデン』

『リンデン』

起きては眠り、眠っては起きるあわいで夢を見る。擦っても擦っても落ちない瑠璃のインクと黄昏の円筒の内側の町。曇り硝子と花礫。朧の道なりの建物に透明な物の総称を見た。夢に訪れる蜂鳥が囁けば町に降り続ける花弁とキャラメルハイの擬宝珠を冷ややかな石畳の匂いに紛れさせ乍見付けた圧倒的な眠りへの希求と水晶のうねりの相似
明日は昨日の続き、昨日は明日の砂丘の総体
街に閃く鳥の羽ばたきに撃たれ鐘は鳴り、果てのない

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『唐(カラショウビン)翡翠』

『唐(カラショウビン)翡翠』

新たな傷をつける不眠不休の唐(ショウビン)翡翠右故に瑪瑙の血小板に刻む(hug and --)そしてautomaticに

automaticに彼としてのお前は均されていく鳥の機構・自滅のテーゼ antimony

(ショウビン)翡翠、細く短い煙草の切先「で」お前を抱こう『--して』いるのだから羽根の一枚一枚を時間をかけ鞣していく胸骨の運動に震え斑紋の星に解ける私とお前を見だから祭礼の仕舞いで典雅

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遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん

今年こそは

今年こそはもっと詩っぽいものを書こうと思う

『感傷』

腕につけた格子状の傷が開いて紅いかすみ草が咲いたらエールを飲んで眠ろう。あの夏に砂で作った風の墓標が円柱の街にしまい込まれ海の記録との感傷だけを撒き散らすと、何処からか清掃員が箒を持ってサスサスサスと格子状の道を穿いていく。あの日あの時さよならを告げた世界はまだ周りにあって得体の知れない月と太陽を交互に送り込んでくる。アルコールで飛んだ薬で憂つけた頭が告げる、眠って起きたら、また昨日と変わらぬ日常

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『建築現場』

土建屋の翼のカンタータ。夕暮れの街灯は丸く四方八方に鋭角の光を突き出し金属音を内包しつつオーム貝にスペクトラ厶臻ジーザス日差しの前後で音は変わり籠から溢れ出た桃色の天使共。黄昏に揺らめく風の墓標。春と夏が合わせて来た夢の中で反芻した在りと無しのビードロをポッペンとしガーゴイルがその口その腕で打ち下ろす蹄鉄の粘度の岬にありふれた小説という物の紙の角を見つけては花籠に変換する時と時空の11 Lunat

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『海はなかった』

目覚めた筈の海辺の観覧車に一人見付けた冗長冗漫な貴方はナニを食みナニを繕う
日傘が無いと日の出から日の入り迄目を開けていられないのは瞳が光源を思うから
揺さぶられ乍ら弄び乍ら片足を掛けている枝のような窓に寄り添い矢車を愛でるその口に含むそれからとそれまで

貴方はナニを食みナニを繕う

白い手袋を避け明るい昼にひなげしを摘み胸の儚い連鎖を尋ね
驕慢さを嘆くことなく遊具に戯れる手は左手だったのかもし

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Auf Wiedersehen

効いてるか効いていないか判らない薬の空き束が転がり鉄の味が見初める白球の胡乱な軌跡が磨り硝子の向こうで明滅すれば擦過音は隣の建物の屋上からScheiße居畳まれず立ち去る男の影に潜り込む鶫の頁を捲る二枚貝の回内に光る珠を啄み笑い乍瑠璃羽織娘の背に赤外線吾思竜舌香街漂Auf Widersehen上と下とが入り交じる空隙に発破が掛けられ砂塵舞う彼日と此日に紛れ込む穹と果ての饗宴に凄まじく反応するあれ位

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『summer noise』

オレンジの花びらが生垣から零れ夏は始り朝方何処かで郭公が鳴きねじれの位置に有る世界は愉快な音を生み出しているが裏で響くのはバックグラウンドノイズで聞き耳を立て氷菓を齧り自転車で線路を何処までも追うと世界の図書館に何時か辿り着けるはずだと知っていながら途中でペダルを止め青の空を見上げると空に踊るのは神の数式で知っている世界と世界は始まりもしないし終わりもしないしアスファルトの熱気に汗が零れ落ちたって

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『紫煙』

鈍い金属音の後の僅かなスロープにしがみつき胸腺に咲く鳥の赤い目に引き裂かれる雷samba parade何時かの細道に馴れ初める唇は蒼くトラットリアの指輪に潜む冥府の王の夢を噛み砕いて長針が55と戯れるタワーの生命に胡乱な笑いを押し付けギガのcode現雨漣押し寄せるcryと橋の上の紳士の角笛に周り回ってニューロスターが円柱の内側の街に臨む天使の群が籠から溢れる優月橙回青橙と吹き込むギミックの裏で俯き

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『サバス』

風が青くて鴫の白い翼にラピスラズリが忍び込み[ナレは時空の星、奏上の月の光][貴兄に送る手紙は宇宙の営みのこれまでとそれから]伽羅を燃やした煙が水平線に流れるアルペジオ[伏せられたcardを素早く暗記する脳の虚偽申告]籠の中の天使達の翼で編んだショールを纏わせ月が歩くので途切れることの無い電報に秘された素数のLiddleを数学者は電脳に送り込み午後のお茶を飲んでいる[紺碧の棺に眠り続けた修道女の止

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『Sin』

〔因数分解する〕肢体〈 〉は〔アルカリ溶液の作中劇〕〔花虻が〕晦日に終わる〔常夜にsonatine〕〔食む月〕背筋の二口〔近隣の裏口〈の〉paint〕混ざり込む〔butterの虎〕〔安息香に遥か〕so what 〔水晶が茂る〕森を抜け悲しいとも恐ろしいとも〔販ぐsmtwtfss comes again〕〔崩壊する十日〕〈 〉に辿り着く【力学の彼岸】

『エウデリケが記した花文字が数式に変化するサン

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『ノーライフキング』

『ノーライフキング』

カーディフからタウィンまで続く蓮のランタン。白を希求し砂に溶けていく鷺を片眼に記憶して君は何処かへ行ってしまった。下草の無い森の地面に金の空魚が泳いで、験、軌跡、影を木々の陰に探し、見失い、それでもと。蜻蛉の儚さの薄氷のレンズを灯した天眼鏡からは焼べられた活版が見え、其処から黒い森が拡がり続けている。森はこの森と繋がり、此処も其処もなく君へ注がれ、壁一面の滝に浮かび上がっては消えるアイリスの紋章と

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『August』

『August』

オレンジの花びらが生垣から零れ夏は始まった。朝方何処かで郭公が鳴き、ねじれの位置に有る世界は愉快な音を生み出しているが裏で響くのはバックグラウンドノイズで子供は聞き耳を立て氷菓を齧っている。自転車で線路に沿った道を何処までも追うとセカイの図書館に何時か辿り着けるはずだと知っていながら途中でペダルを止め青の空を見上げる。空に踊るのは神の数式。でも知っている。セカイとセカイは始まりもしないし終わりもし

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『ノタリコン』

『ノタリコン』

<хороший halation!>

[絡みつく緑の蛇]/ [竜胆の結晶体]

//目眩の源泉に言葉を振り掛けるオーボエは眼帯の下の蒼球に傅き縦に裂け続ける雨

プラチナの空から空洞に放たれた朝の飛沫は菫で縁取られたスプーンの形をしていたので、愛、というエアコンから風が吹きっぱなしで

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『熊蜂』

『熊蜂』

熊蜂の唸りが跳ぶ。翳した手の甲は蛍光の血管 “Let's”
パーティの終わりは瀧だから蜜色の霧が立ち籠め(、)
徐に足を組んだ君の片笑窪が宙返りするキュレーター。シグナスから蜂の便り“buzz-buzz-buzz”
 
 なんて明るい

重なった黄緑にシャトヤンシー、驚いて、嘘をつき、へそ曲げたまま風に飛ばされ、キスの前に傅く気分は上がりっぱなし。阿房宮で眠ってみて

黄色光輝陽光でアレル

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