『感傷』

腕につけた格子状の傷が開いて紅いかすみ草が咲いたらエールを飲んで眠ろう。あの夏に砂で作った風の墓標が円柱の街にしまい込まれ海の記録との感傷だけを撒き散らすと、何処からか清掃員が箒を持ってサスサスサスと格子状の道を穿いていく。あの日あの時さよならを告げた世界はまだ周りにあって得体の知れない月と太陽を交互に送り込んでくる。アルコールで飛んだ薬で憂つけた頭が告げる、眠って起きたら、また昨日と変わらぬ日常が鵺のようにじっとりと待っている。Nein!終わらせるべきものを終わらせ久遠とエンゲージそこで怠惰な眠りをバイコーン。トテチテターああ、面倒くさい
耳が貝なら音を拾わないで欲しい。口が花なら虫を呼ばないで欲しい。胡乱な心など蹴飛ばして、羽毛布団にくるまって目冷めない朝を希求しながら眠る毎日の膿疲れよ、雲雀よひた舞い上がれ我の代わりに、全て全て全て問うことせず

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