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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 21 辞書が引けるようになる その2

21 辞書が引けるようになる 【育て方】

 「辞書を引くスキル」の【育て方】を書きます。

 4歳から6歳の子どもは、好奇心盛りです。「~は、なぁに?」「これは、なんという~なの?」など、いろんなことを聞いてきます。
 そのときが「辞書を引くスキル」育てるチャンスです。知っていたら、ぱっと答えたいところですが、わざと「調べてみようか?」と「調べる」ことに誘ってみましょう。

 【解説】でも書いたように、調べて知った内容より調べる過程を知ることに「辞書を引くスキル」の本質があるからです。

 最初は、散歩の途中で花を見つけて、それを「図鑑で調べる」ことから始めるといいでしょう。「ああだ、こうだ」と調べ方を見せたあと、図鑑の解説を読んであげましょう。
 子どもが「これ、なんていう意味?」と聞いてきてら、知らない言葉を、一緒に辞書で調べて読んであげるだけで、辞書を引くスキルは上がっていきます。

 もし、ひらがなが読めるなら、子どもに国語辞典を調べさせてもいいでしょう。その時は、五十音図を用意して、もっと左にページをめくっていくのか、それとも左に戻っていくのかを教しえてあげましょう。五十音図を見て、右か左かを決める方法を教えてあげましょう。辞書を引くスピードが上がります。 

 分からないこと、知らないことを調べるという習慣は「物事を疑い考える習慣」につながっていきます。金属でできた「たらい」をおばあちゃんところで見つけて、「これ何?」と聞いてきたときの例を書きます。

これは、どういう意味かな?

【セリフ】お父さんと子どもの「やりとり」を使っています。

子「これなんなの?」
父「これはね『たらい』と言うんだよ。」
子「なにするもの?」
父「えー、うまく言えないなぁ。」
子「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」
       (『チコちゃんに叱られる』というテレビ番組の影響)
父「ごめんごめん。しかたないから、国語辞典引いてみようか。」

家に帰って、辞書を持ってくる

子「ぼくが、引く。」
父「いいよ。ひらがな最近読めるようになったからね。
 まず、『たらい』だから『た』のところを開けようか。
 辞書のここ(小口)に『あかさたなはまやらわ』とかいていあるでよう。
 ここの『た』を開いてみて。」(小学生用には、ひらがなが書いてある)
子「ここだね。開いたよ。」
父「開いたのは『たいおう』のところだね。『たらい』の次の字は『ら』だ
 から、五十音図から言うと、右に戻る、左に進む?」
子「左。」
父「そうだね。それも『い』から『ら』だからたくさん左に進むね。たくさ
 んめくってみて。」

ちょっとめくり過ぎる。五十音図を見せながら、

父「あれ、『ら』を行き過ぎたね。『ら』じゃなくて『たわし』になってる
 よ。『らりるれろ、わ』だから、すこし右に戻るね。今度は『わ』から
 『ら』までだからちょっとだけだよ。ゆっくりめくって。1ページずつで 
 いいよ。」

1ページめくる。

父「あっ、この辺怪しいね。『たら』があるから横に見ていきましょう。」
子「たら、たら、たら…『たら』ばっかりだ。あっ、あった『たらい』。」
父「あったね。調べた記念に付箋貼っておこうね。じゃ、読んでみるよ。ど
 うするの?」
子「しっかり、パパの読むのを聞く。」(実行機能を働かせる)
父「そうだね。読むよ。手洗いが変化したことば。湯や水を入れて物を洗う
 丸くて平たい容器。金属のもの『カナダライ』という。」
子「おばあちゃんところのは、かなだらいだね。」
父「そうだね。アッ、となると、お風呂の体洗うとき使うやつを、家では
 『風呂桶』っておいってるけど、これで言うとあれも『たらい』だね。」
子「へぇー、そうなんだ。調べると、いろいろ分かって楽しいね。」
父「そうだね。分からないことがあったら、また調べようね。」

 このように、「やりとり」すると愛情も愛着の器にたまります。辞書引きに慣れてきたら、親子でどちらが早く引けるか競争しても面白いですよ。


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