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みんなが口にしている《言語化》を朝日新聞クロスサーチでしらべてみた


過日、《言語化》について図書館へいき、朝日新聞クロスサーチで検索してみた。

朝日クロスサーチは1985年からの「朝日新聞」「AERA」「週刊朝日」「朝日新聞デジタル」の記事をデジタル化したものであり、
ある用語の使用例や初出を調べたいときに重宝される。


新聞だけに限れば1879年(明治12年)の創刊当初から検索することもできるが、今回は1980年代からの《言語化》について調べたかった。
NDL Ngram Viewerで言語化を入れると次のようなグラフになる。


ここから明らかなように1915年、1933年、1965年、1987年以降に転機があることがわかる。

以前の記事にも書いたように言語化は再び流行っているが、
今回しらべたことでそれは確信にかわった。

1985年から言語化で調べると約971件である。
この中には「多言語化」も入っており、除いてはいない。

では、言語化は何年から登場するだろうか?

朝日系列における《言語化》の初出


1989年1月16日の朝日新聞朝刊

ゼロの記号論 茂木和行著 過去へ宇宙へ、知の旅(書評)


からである。

1985年からのクロスサーチであるが、朝日関係における言語化という単語の初出は1989年であった。

つまり全く使われていない時期があったことを意味する。


言葉の中には、反対の意味を含む二重性を持つものが少なくない。著者は、それを「ゼロ言葉」と名付け、実は、言語化される前のあらゆる概念はゼロ状態にあり、概念が熟成するにつれて意味のペアがとび出すのだという。(太字はズンダ)

ゼロの記号論 茂木和行著 過去へ宇宙へ、知の旅(書評)


この使われ方は意外なものではない。
今と同じで、

「言語化されて概念には明確な意味をもつようになる」といったものだ。

しかし、言語化の使用頻度がいきなり増加することはなかった。
2回目の出現は2年後の

1991年10月22日「宮崎一定・井筒俊彦氏 全集になる最後の大学者(リポート・出版)

である。

回数は?

その後は毎年、姿をあらわすようになるが一定もしくは僅かに増えていく。

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