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#27 「無職&居候」生活を通して学んだこと

(1584字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)
 
【前回のお話】

 さて突然だが、竹子は今、中国でこの記事を書いている。
 
 
 そう。
 無事に全ての手続きが通り、飛行機に乗れたのだ。
 
 そして今、中国の某地域のホテルにて隔離生活(※某ウイルスによる隔離観察)の3日目を迎えた。
 
 やっとの思いで新生活への第一歩を踏み出せた。
 本当に、本当に長かった。
 
 
 初日と2日目は、まだ状況が掴めずパニックだった。
 
 食欲もなく、配給されたお弁当もなかなか喉を通らなかった。
 ただ長旅で疲れていたせいか、夜はぐっすりと眠れた。
 
 そして朝になり、窓の外から伝わる音や匂いを感じ、見慣れない景色を眺めては自分は確かに日本を離れたのだと実感した。
 
 
 「人生の夏休み」は終わったのだ。
 
 これからはこのフィールドで、私の新しい人生を作り上げていくのだ。
 
 
 予想外のハプニングで強制的に始まった「無職&居候」生活。
 収入は無いし、貯金は減る一方だし、これからどうなるのか全く読めなかった。
 
 くよくよ悩んでも仕方がないということで、「貯金が一定額を下回らない限り、たっぷり遊ぶぞ」と吹っ切れ、なんだかんだ言ってひと月丸々楽しんだ。
 
 
 会いたい人に会った。
 食べたいものを食べた。
 行きたいところに行った。
 参加したいイベントに足を運んだ。
 
 時間が足りないのなんだの、言い訳を並べては逃げてきたことにもチャレンジした。
 読みたいけど高過ぎるということで、今まで買うのに躊躇してきた本を、片っ端から購入して読んだ。
 
 
 「無駄」かどうかなんて考えなかった。
 
 もう日本での時間があまり残されていない私にとって、全てが「大事」だった。
 
 
 後半になるにつれ、私はもうごちゃごちゃと考えなくなっていた。
 
 「焦らなくても、きっとなんとかなるだろう」と。
 
 
 そして実際、なんとかなった。
 
 再出国準備も、こうして着々と進んだのだ。
 
 
 中国に到着した初日、日本が恋しくて、寂しくて泣きたくなった私はそっと財布の中にある日本のレシート達を取り出して指で撫でていた。
 
 いつもだったら迷いなく捨ててしまう紙切れ達だ。
 それが今や宝物のようで、もったいなくて手放せずにいる。
 
 
 目が覚めれば会えた家族達。
 
 数分の電車に乗れば通えたお店。
 
 数百円さえ払えば食べられた大好物料理。
 
 1万円ちょいの旅費を出せば心ゆくまで笑い合って遊べた友人。

 
 
 これらが今や、その10倍・20倍もの時間とお金をかけなければ手に入らなくなった。
 
 そんな数々の大切なものたちと、たった1日の移動でこれ程の距離が生じてしまった。
 
 
 「人生の夏休み」の勢いに便乗してこそ出来たこともあったが、今振り返ると、なぜ普段から積極的にやりたいことをやらなかったのだろうと思った。
 
 
 どうしてあんなにもお金を使うのをためらっていたのだろう、なぜあんなにも自分の時間をケチっていたのだろう。
 
 どんなに大金があっても、一度タイミングを逃せば一生巡り合えないことがいっぱいあったのに。
 
 
 遊び放題の日々を経た今、私の口座には、もう生活していくのにギリギリのお金しか残っていない。
 これからしばらくは切り詰めて暮らさなければならないだろう。
 
 それでも、私は自分が「無職&居候」生活でしてきた数々の出費に対し、一切の後悔をしていない。
 
 
 お金は無機質だ。
 頑張って働けば、いくらでもまだ稼げる。

 
 けれどあの時、自分が思い切って出費をしなかったら、もう二度とあんな素敵な思い出達を作ることが出来なかっただろう。
 
 
 「人生は一度きり」というが、本当にその通りだ。
 
 生きていく為に働きお金を稼ぐのは不可欠だが、そればかりが目的となってしまうと、大事なものを逃してしまうのではないか。
 
 何気ない日常に溢れている、こういった小さな温もりやキラメキ程、つい見失いがちではないか。
 
 
 いよいよ新生活が始まる。
 
 「無職&居候」生活で感じた全てを、決して決して忘れずに生きていこうと思う。
 
 
 お金の為だけに奮闘するのではない。
 
 この心に溢れんばかりの、かけがえのない、素晴らしい思い出の為に、私は生きていくのだ。

📚これからの日々も、大切に生きていくよ

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