本当に追い詰められたとき、人は誰に相談するべきなのか
今回私が会社でパワハラに悩み、そこから退職に至るまで何人かの方に相談をさせてもらった。
相談して頭が整理されたり、自分の本心に気づくきっかけになったお友達。その一方で相談して「しまったなぁ」と思ったこともある。なのでそのあたりについて書いてみようと思う。
*極限まで追い詰められたとき、判断力は恐ろしいほど下がる*
今だから言うけれど、渦中にいた時、びっくりするほど私の思考力は落ちていた。
今までなんの気なしにできていた作業すらできなくなっていた。そのことで、叱られたり自分で自信を無くしたりの負のスパイラルにどんどん落ちていったわけだけど、その頃は毎日何でもないことで毎晩泣き、はっきり言って精神衛生上、どう考えても正常な状態ではなかったと思う。(その後医者にかかり、今は無事その状況から脱した)
*では、一番適切な相談相手は誰なのか*
その1番の答えは端的に言えば自分自身である。
具体的に言えば自分の感覚。たとえば「なんとなくは分かるんだけど、なぜか心がざわざわする」「なぜかすっきりしない」「体があったかい」「ほっとする」「ちょっと気持ちがアガる」「こころなしか気持ちが軽くなる」とか。そういう自分の身体感覚だったり、微細な自分の気持ちの部分。
また、すごく力になってくれたのが本当にさりげなく温かい言葉や私が自分自身に問いかけるその手助けをしてくれていたお友達。これらも本当に心から感謝してもしきれない。
*一方で失礼ながら相談して失敗した相手は・・・*
というか、本当に思考力がなくなっている時こそ距離を置くべき相手は「権威のある人」だと私は感じた。
語弊があるので補足したいのだけど、要は相手の社会的地位が高くても低くても専門家であってもなくても、とにかく自分が「仰る通り」としか言えない相手や当たり前だけどポジショントークをしてくる可能性のある相手。たとえば同じ会社の上司やそのまた上司とか、押しの強い人だとか。
そう思うのには、実は痛い失敗事例があるからだ。
*医師でないとダメな理由*
実は私はメンタルの病院の初診の予約が2カ月後しかとれなくて、それでも今の自分は絶対ヤバイという自覚があったので「とにかく誰か」と思い、ネットで検索して出てきたカウンセラーに相談をしたことがあった。
結果からいうと、事情も何も知らない中で未来も過去も全否定され、逆に凹みまくった上にメンタルの状況も悪化してしまった。
その時は「仰る通りです!!」しか言えない空気だったので、私もアドバイスを素直に受け入れて自分の生き方を反省しまくってドへこみしたけれど、改めて振り返ってみると、その内容は傾聴から程遠い、一方的な決めつけに基づくアドバイスでもあった。
当たり前のことだけど、相手は医師でもなければカウンセリングのプロでもない。だからその方が医師やカウンセラーの代わりにその方がなるかといえばならないと思う。それに当然相性もある。そして何より、こちらが納得出来ないまま無条件に言いなりになるような上下関係が出来てしまうのも、やっぱりちょっと個人的には違和感がある。
とは言えその方に相談した私の選択がそもそもミスだったわけで、その方が悪いわけではないし、その方も良かれと思っての商売としてアドバイスをくれたんだと思う。
*メンタルが危険な時ほど言葉が強い人に惹かれる*
ただ危ういと思うのは、異常をきたすレベルの深い悩みの渦中にいる時って、相手が自信満々の振る舞いであるほど心強く頼もしく感じるし、勢いに飲まれて「よし、じゃあそうしてみよう!」と思えることがあるということだ。これには 後から自分でも正直びっくりした。
普段ならできる、「話を聞く→自分なりに考える→納得出来たらやってみる」という手順を、メンタルが落ち過ぎていたり、自己肯定感が低くなりすぎていたりして普段なら踏むはずの手順を踏めなくなっている中、うっかりそういう強い言葉に出会ってしまうと、自分の選択に自信が持てず、他人に流されやすくなっているからか、意外と簡単に自分でで消化できないままに「やってみよう」という思考になってしまうことがある。
もしかすると、うつで極端な道を選ぶ人って、案外こういうマインドセットに陥っているのではないかと、正直今だから思う面もある。そして自分が陥って初めて分かったけれど、信じられないけどそういう事が、自然とおこりうるから危ういなぁと改めて思う。
私自身、自分の思考力が段々戻ってくる中でよくよく考えてみると、相手のあの発言は違和感があるし、私はそれに従うべきじゃなかったな、と思う場面も正直いくつかある。
結果泥沼になったり、例えば「休職」などの退職以外の選択肢を自ら潰してしまったと思う面も正直ある。
でもその時の精神状態が悪すぎて思考力が落ちまくりで視野もめちゃくちゃ狭まっている中では最善と思って出した答えだし、何より過去は変えられないので前を向いていくしかないので別に自分も含め誰かを責めるつもりもない。ただ、あの時タイミングと相談相手を間違えたなぁ、という思いは正直少しある。
*振り返って思うこと*
だから一つ、今後の教訓として思うのは、心が弱って強い言葉を言ってくれる人に頼りたい気持ちになった時ほど、強い言葉を言う人には近寄らない方が良いかもしれない、ということ。
これからの人生、おそらくまた色々選択していかなくちゃいけないこともあるし、ストレスがかかることもたくさんあると思う。その時のためにも、この事は自分の中の教訓の記録として残しておきたいと思う。
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