【短編小説】今日がその日 #島の話
郊外を走る休日の私鉄はほどよく空いていて、のんびりとした空気が流れている。隣に座る娘は推しのTwitterをチェックするのに忙しく、気が向いた時しか母親と話をしてくれない。
スマホのネットニュースを流し読みしながら、目の端で向かいの席に座る家族連れを見ていた。座席に膝を立てて車窓をみている年中さんくらいの男の子に慣れた手つきで靴を履かせているのは、25年前に一緒にいた人だった。
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島で住み込みのアルバイトを