白骨化スマホ(毎週ショートショートnote)
「それで、昨日は誰とどこに行ってたの?」
美幸とは付き合って5年になる。
ちょっと地味だけど料理上手のしっかりした女で、そのうち結婚するつもりだ。でもそれまでは少しくらい・・・とギャル系キャバ嬢のノアちゃんと遊んでいたのが何故かバレているようだ。
「そういえば、白骨化アプリって知ってる?」
急に話が変わったので、このまま忘れてもらおうと俺は全力でかぶりを振った。
「ほら、スマホを無くした時に遠隔操作で初期化できるでしょ?」
あれと同じでね――
満面の笑みで俺の目をじっと見つめたまま美幸が言った。
「遠隔操作で白骨化できるんだって、スマホを」
シンプルなフレンチネイルの爪がコツコツとスマホを叩く。
「一瞬でね、白骨化するらしいよ」
ビビり散らかした俺はアワワワと意味の無い言葉を口から垂れ流す。
「ね、試してみよっか? このiPhone15 Pro Maxで」
「申し訳ありませんでした」
漫画のように飛び上がり、今度は全力で土下座した。
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