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街には僕の青春が眠っていて

出かけるのが好きだ、というと大体「友達少ないのに?」と言われる。余計なお世話である。

僕は、特に予定がなくても人と会わなくても外に出てブラブラする。
単に家でジーっとしているのが苦手で。ようするに子供なのかもしれない。
暑くても寒くても、基本的に外にいる。

22、23歳ぐらいの頃は、とにかく原宿に行っていた。
田舎者にとって、オシャレ=原宿で東京=原宿なのだ。異論は認めない。

24歳から26歳頃の思い出が詰まっているのは赤坂や六本木である。
その頃はとんでもないブラック企業にいたんだけど、悪い思い出ばかりじゃない。
よく深夜まで働いたあと、朝にラーメンを食べて帰ったものだ。

26歳からの思い出の街は、間違いなく荻窪だ。
32歳になるまで、6年間あの街で暮らした。
僕にとって、かけがえのない6年間だった。

他にも、東京には思い出深い場所がたくさんある。

21歳の頃、僕がよく行ったのは東京駅。
就職活動をしている時、夜行バスが発着するのは決まって東京駅だった。
カラオケやネットカフェで面接の結果を待ったり就職活動のスケジュールを確認しながら、夜行バスまでの時間を潰したものだ。

今でも頻繁に訪れるのは、お台場方面。
仕事の絡みでよく行くんだけど、行く度に昔のことを思い出す。
20歳の頃に付き合っていた彼女と旅行で来たこと。
上京してきた頃も、ミーハー根性でよく行ったこと。
まさか。この年齢になって今更また頻繁に行くようになるとは。
今年の春、思い出の詰まったヴィーナスフォートが閉業した時は感じるものがあった。
よくあそこで買い物したり、仕事をサボったり、デートをしたりしたものだ。

こんな風に考えてみると、街にこそ自分の思い出が眠っているんだと思い知らされる。

初心を思い出したり、あの頃の感情を呼び起こしたい時は思い出の詰まった場所に行ってみてもいいのかもしれない。

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