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カニロク小説

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記事一覧

【小説】唐揚げ【カニロク】

【小説】唐揚げ【カニロク】

「やめろ、そんなことをするんじゃない!」
「うわ、いきなり大声出すなよ。驚くじゃないか」
「すまん」
「なんだよ」

川沿いの緑地公園にあるベンチ。そこには麦わら帽子の少年が二人、凍ったチューペットをかじりながら座っていた。

「おばあちゃんが新しく猫を飼ったんだ」
「猫、いいね。かわいいよね」
「うん、チャトラの可愛い顔してるヤツでね。僕が飼いたいくらいなんだ」
「なんだ、お前んち一軒家じゃん、

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【習作小説】終わりなき円環のスケッチ

【習作小説】終わりなき円環のスケッチ

ごきげんよう、ロマです。
久しぶりに短い小説を投稿します。
練習として、あるいは実験的に書いたもので、あまり意味の深いものではありません。

「ヒヨコ」
ヒヨコが列になって歩いている。

ヒヨコの行く先には小さな池が2つあった。
茶色い池と、それと同じくらいの大きさの黄色い池。
茶色いほうは黄色いほうよりやや高いところにある。
2つの池は2つの階段で結ばれており、その階段をヒヨコがぐるぐると列にな

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【小説】しゃべる白菜【カニロク】

【小説】しゃべる白菜【カニロク】

今日も一日、嫌なことがあった。
怒られてばかり。辛い気持ちが胸をうずまく。
それでも私は料理を作らなければならない。
キッチンは戦場か?いや、私の心の内が嵐なだけ。

白菜を取り出す。大きくて立派な白菜。
どうしようか、どこから切るか。
どう洗うか?
あまりにも大きいからまずは半分に切る。ザクザクと音が鳴る。
ボウルに水をはって、半分に割った白菜を漬ける。
流水を当てながらゆすって、葉の隙間にある

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【習作小説】ダイエット・思い込み・縁(1)

【習作小説】ダイエット・思い込み・縁(1)

中年に差し掛かりつつあった最近、お気に入りのジーパンがきついと感じる時がある。あんまり自分のことを注意して見ているほうではないが、このまま太ってズボンが入らなくなったらどうしようという不安が頭をよぎる。

別にサイズアップさせて服を買い替えることなんて難しくない。でもそれで本当にいいのか、自分は自問自答した。

昔ほど食べてはいけないのかもしれない。まだ若い気でいたけど、もしかしたら、食べれば食べ

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【習作小説】ダイエット・思い込み・縁(2)

【習作小説】ダイエット・思い込み・縁(2)

朝の河川敷というのは、思っている以上に人がたくさんいて、自分と同じようにランニングしたり、ウォーキングしたりしている人もいれば、犬の散歩をしている人もいる。それから軽トラックとか自転車、原付なんかもけっこう走っているようだった。確かに誰かに出会いそうな雰囲気を感じていた。

それから僕は毎日走り続けた。気分が乗る日も乗らない日も、仕事が忙しくてしんどい日もそうでない時も、出張や旅行で不在にしてる時

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