もりた夕貴

1995年生の虚弱社会人 ▶︎小説を書きます/ 本も読みます / 歌詞に惚れがち 日記📓…

もりた夕貴

1995年生の虚弱社会人 ▶︎小説を書きます/ 本も読みます / 歌詞に惚れがち 日記📓「今日も、必死に瀕死」始めました 🦋https://bsky.app/profile/yuuki3o3.bsky.social

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #4【最終話】

――二十年後 『わたしの将来の夢は、パティシエールです。わたしの家は、ケーキ屋さんです。お父さんとおじいちゃんが、毎日ケーキを作っています。お母さんとおばあちゃ…

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #3

 三日ぶりの学校、教室は、もう知らない場所のように感じた。確かに背中は押されたが、それで全てを乗り越えられるわけじゃない。今日は登校できただけでも上出来じゃない…

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #2

「じゃあ、お母さん仕事行ってくるね。ゆっくり休んで。何かあったら連絡してね」 「……うん」  これは仮病だろうか。仮病でもなんでもよかったのだから、この問いに意味…

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #1

 小さい頃からお母さんと通っているケーキ屋さんがある。そのケーキ屋さんは、家から歩いて通える場所に佇んでいる。この町の雰囲気によく馴染む、水色の屋根をした小さな…

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そして一人になる【短編小説】

 結婚することになった。  お風呂上がりに、通知音が連続して聞こえた。こんばんは、と頭を下げる猫のスタンプと、簡潔にしかし理解に時間のかかる文章が送られてきた。…

もりた夕貴
2週間前
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かれんの友だち【短編小説】

 小野花蓮ちゃんは、私の憧れだ。まず、名前が可愛い。「かれん」なんて可憐な響き、とびっきりの美人にしか似合わない。私はそれを痛感している。 「あ、加藤さんも、か…

もりた夕貴
2週間前
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『癖』【短編小説】

「一(にのまえ)くん、友だちになろう!」  握手を求めるように右手が伸びてくる。 「僕は佐々木」 「知ってる、同じクラスだし……」  佐々木は学校の有名人だ。一年生…

もりた夕貴
2週間前
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今日も、必死に瀕死【24.07.02】

会社にいるのが苦しい。 厳密に言えば、リモート勤務なのでその場には居ないのだが。 年齢層が若いこともあって、元気で活動的で仲が良くて……と言う雰囲気がしんどい。 …

もりた夕貴
3週間前

今日も、必死に瀕死【24.06.27】

いわゆる、社会不適合者ってやつです。 成長が見られないのも、これといった得意分野がないのも、私が不出来だからです。 全て力不足です。期待しないでください。 でも、…

もりた夕貴
4週間前
【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #4【最終話】

【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #4【最終話】

――二十年後
『わたしの将来の夢は、パティシエールです。わたしの家は、ケーキ屋さんです。お父さんとおじいちゃんが、毎日ケーキを作っています。お母さんとおばあちゃんは、おいしいコーヒーや紅茶を淹れて、お客さんに出しています。
 わたしが、パティシエールになりたいと思ったきっかけは、お父さんとお母さんの、昔のお話を聞いたからです。お母さんが、中学校を休んでいたとき、お父さんがお見舞いにケーキを持って行

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #3

【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #3

 三日ぶりの学校、教室は、もう知らない場所のように感じた。確かに背中は押されたが、それで全てを乗り越えられるわけじゃない。今日は登校できただけでも上出来じゃないか。教室でひとりぼっちになる自分を想像して、気分が落ちていく。愛奈にも、合わせる顔がない。
「やっぱり今日は、保健室に行こっかな……」
教室に行くのを諦め、人の流れに逆らうように振り返る。すると、後ろから愛奈が歩いてきた。一瞬、緊張が走る。

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #2

【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #2

「じゃあ、お母さん仕事行ってくるね。ゆっくり休んで。何かあったら連絡してね」
「……うん」
 これは仮病だろうか。仮病でもなんでもよかったのだから、この問いに意味はない。私は、布団を頭まで被って目をつむった。お母さんが車のエンジンをかける。出発すると音は遠ざかっていく。静かになった部屋で、私を笑う声だけが耳にこびりついていた。気持ちがずんと下がっていく感覚があった。
 お母さんが作ってくれた朝ごは

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【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #1

【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #1

 小さい頃からお母さんと通っているケーキ屋さんがある。そのケーキ屋さんは、家から歩いて通える場所に佇んでいる。この町の雰囲気によく馴染む、水色の屋根をした小さなお店『スイーツ サトウ』。パティシエのおじさんと、その奥さん、数人の従業員で切り盛りしている。一人息子の佐藤章くんは、私と同級生だ。たまにお店で顔を合わすことがあった。
 佐藤くんと、初めて同じクラスになったのは小学校五年生の時だ。教室で顔

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そして一人になる【短編小説】

そして一人になる【短編小説】

 結婚することになった。
 お風呂上がりに、通知音が連続して聞こえた。こんばんは、と頭を下げる猫のスタンプと、簡潔にしかし理解に時間のかかる文章が送られてきた。裸のまましゃがんで、何度も何度もその文章に目を滑らせる。膝で押さえつけた胸は、ぐにゃりと形を変え、その奥で心臓がどくどくと走っていた。
 結婚。そうか、隆二は結婚するのか。スマートフォンの画面が暗くなった。
 最後に顔を合わせたのは、一年前

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かれんの友だち【短編小説】

かれんの友だち【短編小説】

 小野花蓮ちゃんは、私の憧れだ。まず、名前が可愛い。「かれん」なんて可憐な響き、とびっきりの美人にしか似合わない。私はそれを痛感している。
「あ、加藤さんも、かれんって言うの? 同じだね!」
 花蓮ちゃんは、にこりと微笑んでいた。同じ名前とか、とボソッと嘲笑したクラスメイトとは違って。私にも微笑んでくれた。
 あまりにも個体差が違うことは、誰より私が一番分かっている。さらさらの黒髪も、うるうるの二

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『癖』【短編小説】

『癖』【短編小説】

「一(にのまえ)くん、友だちになろう!」
 握手を求めるように右手が伸びてくる。
「僕は佐々木」
「知ってる、同じクラスだし……」
 佐々木は学校の有名人だ。一年生の頃から、全国模試はトップを維持し、運動神経は抜群。ただ、人とのコミュニケーションは苦手なようで、友だちはいない。今でも、らんらんと光る瞳で俺を見つめているが、人によっては恐怖を感じるかもしれない。
「なんで俺?」
 窓の外で蝉が鳴いて

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今日も、必死に瀕死【24.07.02】

今日も、必死に瀕死【24.07.02】

会社にいるのが苦しい。
厳密に言えば、リモート勤務なのでその場には居ないのだが。

年齢層が若いこともあって、元気で活動的で仲が良くて……と言う雰囲気がしんどい。
別に、私だけ歳が離れてるわけでもないのに。

いわゆる『社風が合わない』ってやつです。
あと、チームワークも向いてないです。
業務は頑張れるのに、社風が無理で辞めるって勿体無いのだろうか。

毎日苦しくて仕方ないのに、こんな事で辞めるな

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今日も、必死に瀕死【24.06.27】

今日も、必死に瀕死【24.06.27】

いわゆる、社会不適合者ってやつです。
成長が見られないのも、これといった得意分野がないのも、私が不出来だからです。

全て力不足です。期待しないでください。
でも、やれといわれたらやります。信頼してください。

ただ、「みんな出来るからあなたも出来る」は違います。私は平均よりずっと何もできません。
比較しなくても、私の実力などわかるでしょう。

お願いだから、母が作ったご飯を美味しく残さず食べられ

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