【創作大賞2024 恋愛小説部門】甘く、酸っぱく、君らしく #3
三日ぶりの学校、教室は、もう知らない場所のように感じた。確かに背中は押されたが、それで全てを乗り越えられるわけじゃない。今日は登校できただけでも上出来じゃないか。教室でひとりぼっちになる自分を想像して、気分が落ちていく。愛奈にも、合わせる顔がない。
「やっぱり今日は、保健室に行こっかな……」
教室に行くのを諦め、人の流れに逆らうように振り返る。すると、後ろから愛奈が歩いてきた。一瞬、緊張が走る。隠れたくもなったが、そんな場所もない。愛奈と目が合うと、驚いたように大きな声で私