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そしてあなたは、銃口をわたしに向けた。

地球上に存在する生き物の中で、「死」というわかりやすい痛みに飛び込んで群がる「人間」が1番気持ち悪い生き物だと思う。

そういう「人間」がうじゃうじゃいる場所にいると、どんな言葉であっても発したくなくなる。

一見すると「心配してくれる優しい人達があつまってるんだな」という風に見えるけれど、

その場に集まっている人間は、自分の持つエゴが他人に迷惑をかけるなんて微塵も思いもしない、あほんだらで鈍感な奴らが集まった結果に過ぎない。

いや、そもそもエゴだと、気づきゃしない。

「死」というわかりやすい痛みにしないと、感情にしないと、その人のもつ辛さや痛みすらも感じられないんだよ。その人達って。

すっごいね。

日常的に相手の痛みを感じることに意識も向けようとしないやつの、なにが優しいの。正義のヒーローや、救世主気取り?はは、気持ち悪いね。

世界のどこかの少女の悲痛の声の叫びが、今日も、聴こえて止まない。止めてくれない。今この瞬間も、それは弾丸となって、ぼくの鼓膜を何度も何度も突き抜けてくる。こんなふうに。

「とりあえず生き延びて」って何なの。「逃げてもいいよ」って何なの。「死ぬ」という言葉を出さないとわたしの痛みを感じることもできないあなたが、わたしを救えるっていうの?どうやって?いったい何をしてくれるの?

ごめんね。


そういう鈍感な人間って、相手の人が「死なない」という選択をしただけで「自分は人の痛みを分かってあげられる人間だ」という安直で愚直かつ壮大な勘違いを起こすんだよね。

「あの人が原因でくるしんでるんだよね」
「そういうことする人ってだいたい〇〇な傾向あるからね」

はは。また誰かを悪者にするのか。またこの世界を二面性の世界へ引きずり込むのか。何が「誰一人取り残されない」世界だよ。なぜお前は「自分が犯罪をしない人、人を虐めない人」と言えるんだよ。なぜ「自分はあなたを救ってあげられる」なんてそんな自信を持って言えるんだよ。ああ。

楽をしたいだけだろ?

そうだよな。自分は「犯罪を起こしません」「人を虐めません」そんなペルソナを被った方が楽だ。社会や世間様が守ってくれるもんな。自分は強く誰かを守れる立場ですって、どっぷりとした優越感に浸れるもんな。そうゆうのって気持ちいいよな。ぷかぷか浮かんでるだけでいいんだもんな。

誰も気づきゃしないし、感じもしない。

あなたが、本当は自分自身がとてつもなく痛い、そんな深い傷を負っているということ。

あなたの中に、本当は犯罪者のように何かをとてつもなくぶっ壊してしまいたくなるような、そういうどす黒い衝動が、潜んでいること。


そう。

結局、本当に自分が持つ痛みに、本当は自分の正体が真っ黒い化け物だってことに気付けるのは自分しかいないの。

そして気づくの。

ほら、あなたの嫌いな人の顔を思い出してみて。そして、その人の仮面を少しずつ、ゆっくりと、剥がしてみて。

どう?


そこには、誰が映ってた?


そう。"自分"。自分なの。自分なのよ。誰かを悪者にして、非難して、罵倒していた、そんな醜い人間の正体は、紛れもない、"自分自身"なのよ。


でもね、どうかあなたには、そんな痛みに気づけた自分をどうか褒めてあげてほしいの。「自分は痛みを感じることのできる身体と心をまだ持っている人間なんだ」って。「ちゃんと痛みを感じれるんだ」って。




「痛み」なんていう迷惑しかかけないぼくが生まれてきてしまってごめんね。

でも、それでも、そんなぼくでも、あなたと一緒に生きていきたいの。

ぼくはずっと、あなたの味方だよ。 


「これが、人が天職というようなものなのかしら。自分の心臓のなかに炎が、体のなかに悪魔があるような喜びを感じてすることって、これなのね。」ジョゼフィン・ベイカー

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