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STRAY SHEEP

学校帰りに見える、暮色に包まれた空は、まるで、全人類の希望と憎悪が、一気に、わたし一人に降りかかってくるみたい。

そんな黄昏時の空は、わたしがいかに両義的で、歪な存在であることを、教えてくれているようだ。 

わたしは、人の両義性を見つけるのが、、すき。

まるで赤の他人から、罵倒の声を浴びせられたみたいに、わたしの身体の奥底から"得体のしれないなにか"が、ふつふつと煮えたぎって、今にも"バケモノ"として出てきそうな感覚がして、たまんないの。

たとえば、"静かでおとなしい子"は、誰しも、その中に「激しさ」の渦を、内在させているものだ。

派手なネイルをしていたり、
人を見透かすような、鋭く切り立った目で、通り過ぎる人を寂しく見つめたり、
他人に見つからないように、死を思ったり。

自分の持っている知識から何を引き出すのか、ということが大事にされる現代(いま)だけど、

その人が気づかず放っておいた感情の欠片が、本人も気づかないところで、「ボアァァァ」って、悪魔みたいな顔をして表れて、虚無の空間を作り出す、

そんな瞬間を見つけることの方が、大事なの。


人はなぜ本を読むのかな。
ただ好きだから、でもいいと思うのだけれど、
わたしはこんなふうにも、思う。

自分の伝えたい言葉は分かってるけど、言葉にすることができなくて。

だから、いま現実に存在する言葉の中で、自分の伝えたい感覚に1番合ったものを選択するために、読む。読む。必死に言葉を探しながら、読む。「いつか出逢えたらいいな」みたく楽観的に。


言葉はいわば、ペルソナのようなものなのね。

言葉によって、どれくらい自分を守ってくれるかが変わってくるの。

この言葉は、硬いペルソナを。
この言葉は、柔いペルソナを。

そう。みんな、傷つかないように、いろんな硬さのペルソナを持っているの。

傷つきにくい人は、柔いペルソナを持つ言葉で、この社会を生き抜けるし、

傷つきやすい人は、傷つかないように、硬いペルソナを持つ言葉を探しながら、生き抜かなくてはならない。


あれ。

好きだったんじゃないの。

うん、好きなはずなのに。

好きだけを、追い求めていたはずなのに。

わかんないよ。

ね。迷える子羊さん。

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