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読書日記

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読んだ本を自分の言葉でまとめて、自分なりの考察を記録用に書いてます。ネタバレ案件もありますが、あしからず
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記事一覧

読書日記 『沈黙』

読書日記 『沈黙』

遠藤周作 作

【一行説明】崇高な教徒であったかつての師が日本で弾圧に挫け棄教したとの知らせを受け三人の司教は、危険を顧みず海を渡りその真相を確かめに行く

【趣旨】キリシタン弾圧化の長崎に信仰の火を絶やさぬため、またかつての師が棄教したとの真相を確かめる為ポルトガルから三人の司教が日本を目指す。異国の地で目にしたものは政府による容赦のないキリシタン狩りによりひとつ、またひとつときえる尊い命。彼ら

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読書日記 『乳と卵』

読書日記 『乳と卵』

川上未映子 作
【一行説明】東京に住む私の元にシングルマザーでホステスの姉巻子と姪の緑子が訪ねてきた蒸し暑い夏の三日間。

【趣旨】姉巻子は豊胸することに取りつかれ遥々大阪から東京の整形外科を訪ねに来る。一方思春期の娘、緑子は自分の身体が「女性」へと変わりゆくことを極端に厭う。やがて対照的なそれぞれの身体対する思いが交錯し衝突する。

【考察・感想】わたしの姉でありシングルマザーでホステスで巻子は

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読書日記 『Shoe Dog』

読書日記 『Shoe Dog』

Phil Knight 作 大田黒奉之

【一行説明】Nikeの創業者、Phil Knightが創り上げたものは単なるアパレルブランドでなく、ランニングというカルチャーだ。

【趣旨】オレゴン出身の元大学ランナー、バック(フィルのニックネーム)は、世界を旅した後あるバカげたアイデアを思いつく。止まることを拒み、ひたすら全速力で走り続けることで、やがて世界を席巻する一大帝国を築き上げた。

【考察・

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読書日記 『限りなく透明に近いブルー』

読書日記 『限りなく透明に近いブルー』

村上 龍 作

【一行説明】                            ドラッグとセックスに溺れる売春婦、ヒモ、そしてポン引きの荒れた青春

【趣旨】                              横田基地を抱える東京都福生市、ポン引きのリュウは取り巻きと共にドラッグとセックスに溺れる日々を描く。欲望のままに陶酔を追い続け、繰り返されるドラッグはやがてサイケデリアとリアリテ

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読書日記 『The Catcher in the Rye』

読書日記 『The Catcher in the Rye』

J.D サリンジャー 作 村上春樹 訳

【一行説明】学校を追い出されたホールデンが人との関わり、居場所を探し、数少ない友人を訪ね歩き帰路に就くまでを一人称視点で綴られている。

【趣旨】主人公ホールデンは学業不振、態度が原因で高校を追い出された。そこから行き当たりばったりに友人を訪ね歩くのだが、何に対しても嫌忌的な態度、そして躁鬱気味で不安定な精神状態が故、いつもばつが悪くなり離れてしまう。

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読書日記 『罪と罰』

読書日記 『罪と罰』

ドストエフスキー 作  中村白葉 訳

【一行説明】人を殺めた者のその焦心、そして矜持と罪悪感の葛藤の末、自首に踏み切るまでを描く。

【要約】大学を去り堕落した生活に精神を侵されたラスリーニコフは、自らを超人、大義の為ならば一般の法を超越しうる者と信じていた。熱にうなされた彼は計画を実行し、悪徳金貸しの婆とその妹に手をかけた。以後、彼は警察の手が自分に届くのではという焦心に駆られ、さらに精神を病

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