見出し画像

れんげ荘のミッション「自分と仲良くなる」

最近、ソロ活でドーミーインに泊まってきました。
(ドーミーインというビジネスホテルの素晴らしさは、またいつかたっぷり書きたいです)

サウナに力を入れてるドーミーイン。
仕事終わりの遅い時間にチェックインし、
真夜中に、サウナ→水風呂→外気浴を繰り返し、外気浴でボーッと暗い夜空を眺めていました。(いわゆる「整い」の時間ってやつ)

そのとき、先輩から理不尽な言動をされた、退勤間際のできごとを振り返ってみましたが、どうでもよく思えました。
そんなちっぽけなことは、身体から立ち昇る湯気ごと、真っ暗な高い空が吸い込んでくれるようです。

「でもさ、先輩の前では100点の対応だったのに、先輩がその場を離れた途端に『f******ck!!!!』と盛大に中指をぶち上げた事実を踏まえると、総合的に40点だねー。

うんうんうん、ちょっと面白い反抗ではあるけど、コンプライアンス的にも人としても、まずかったなって分かっとるよね、まぁ、次は深呼吸して受け流そうや、できるじゃろ。

だって私、いまこんなに幸せで、爽快で充実した時間をすごしとるんよ!これからなにがあっても大丈夫!」



え?


失礼致しました。




2022年、今年の抱負は、
丁寧な字を書くことと、
キレイな言葉遣いをすること、です。


^ ^



さて、前回書かせていただいたように、私の理想の小さな宿「れんげ荘」のコンセプトは、「まぎれる」ひとり時間、です。




そして、今回書かせていただきます、
れんげ荘のミッションは、
誰もが自分自身と仲良くなることで、ストレスのない平和な世の中をつくること、です。

「自分と仲良くなる」というのは、先ほど私が私自身に「40点だねー」などと言っていたようなことです。
そういうのを哲学や心理学の世界では「自己受容」と呼ぶそうですね。

自己肯定とは、できもしないのに「わたしはできる」「わたしは強い」と、自らに暗示をかけることです。これは優越コンプレックスにも結びつく発想であり、自らに嘘をつく生き方であるともいえます。

一方の自己受容とは、仮にできないのだとしたら、その「できない自分」をありのままに受け入れ、できるようになるべく、前に進んでいくことです。自らに嘘をつくものではありません。

もっとわかりやすく言えば、60点の自分に「今回はたまたま運が悪かっただけで、ほんとうの自分は100点なんだ」と言い聞かせるのが自己肯定です。それに対し、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えるのが自己受容になります。
岸見一郎・古賀史健 著 「嫌われる勇気」より


私も決して「ひどい先輩よね、腹が立ってもしかたないよ」と自分を甘やかすのではなく、
「順調に100点の対応してたのに、最後中指立てたのが台無しだったね。だけど次は深呼吸してね、その後の楽しいことを想像したら100点の対応できるよ」と、事実を受け止めて、今後どうしたら良いか考えるようにしよう、と心掛けております。


周りからの承認を求め、間違った自己肯定で満たされずに、モヤモヤ悩んでいた数年前、本屋で手に取ったセルフコーチングの本にも書いてあったんです。

あなたは自分自身とどのくらい仲良しですか?
また、お互いの関係を表すとしたら、どのようなものですか?
困ったときに悩みを聞いてくれる友人というくらいでしょうか。
それとも、わかり合える同志?ライバル?はたまた、頼りにならない奴・・・とか、悲しいけど嫌いな存在ですか?

私は、自分のことを「最強のパートナー」だと思っています。
自信はあまりないほうでしたが、あるときから、自分の中の自分が「大丈夫だよ!」「必ずできるよ!」「ちゃんと見てるよ!」って、いつも私のことを励ましてくれるのがわかるようになったのです。
こうやって自分との対話をするようになってから、自信が湧いてくるのを感じ、前向きに生きていけるようになりました。
孤独を感じたり、やるせない気持ちになったり、自信を失っている人は、あなたがダメなのではなく、もしかしたら自分との対話が十分にできていないからかもしれません。
長谷川朋美 著
「自分の人生が愛おしくてたまらなくなる100の質問ノート」
自分を最強のパートナーにするセルフコーチング【完全版】


これ、タイトルがすごく恥ずかしいので、自分の本棚にあるのがちょっと嫌なんですけど(長谷川さんに失礼!)、自問自答できる質問が本当に100問あって、しかも丁寧に回答例もあって、自分と向き合ったり、頭の中の整理整頓にとても役に立ちます。

私が自分と仲良くなったなと思うのは、車を買って車中泊用に改装するようになってからです。
20万で手に入れた、三菱のミニキャブバン。
地方の自治体で丁寧に乗られていたもののようですが、平成7年製なのですごく古い車体です。

ミニキャブは、トップの写真のように、外観は完全に「業者の車」とか「農村の車」です。
そこがすごく気に入っています。
どこの街にも田舎にも「まぎれる」ことができるからです。


中をきれいに掃除して、
後部座席を倒してフラットにして、
マットと自分好みの布をかぶせて、
カーテンを取り付け、


はじめての車中泊で「よそよそしかったミニキャブちゃんと打ち解けたな」と感じ、

板を塗って天井収納を作り、
Bluetoothスピーカーを買って、
ソファマットレスを乗せて・・・


そうやって少しずつ改良を加え、車中泊やドライブを重ねるごとに「ミニキャブちゃんとすっかり仲良くなったな」と思えるようになりました。

まだ装備が少なかった頃のミニキャブちゃん(と、愛犬ムック)



だけど、あるとき気づいたんです。私はミニキャブと仲良くなった気でいたけど、ミニキャブを通じて自分と仲良くなったんだなぁ、と。

ミニキャブの改良をする上での失敗を、「これがトライ&エラーだ」と失敗のまま終わらせず、試行錯誤して、上手くできたら素直にうれしい。

その失敗って、カーテンのために買った布が小さかったとか、そういう極小のことなんですけどね(笑)
でも、これまでだったら小さい失敗ですぐにさじを投げていた私からすると、小さな成功体験が自信になるって本当なんだなと実感したことでした。

自分自身がなんでも言える無二の親友で、一番の理解者で信頼できる存在だと思えるようになり、
自分で自分を励まして認めてあげられることができるから、苦手だった「コツコツ努力」も続けることができるようになったと思います。
スクワットとか、5年日記とか。


それに、以前のように、他人の言動をコントロールできないことに悶々とすることはなくなりました。「ベストは尽くしたって、自分がわかってるからいいや」って思えるようになったのかな、と。

もちろん、まだまだ不完全です。
だから冒頭のように、先輩の言動に反応してしまったりするんですけど(笑)
だけどそれで自分を嫌いになるってことはなくなったかなと思います。


こうやって、世の中のみんなが自分自身と仲良くなれば、他人と比べることもなくなり、ストレスも減って、傷つけ合うようなことはなくなるんじゃないかなと想像してみるる。


私みたいなひとり時間を求めて、近場のビジネスホテルに泊まってみたり、ひとり旅をしてる人、もしくは「してみたい」って人は、多くはないけど一定数いると思うんです。

そういう方はどこかしら、自分を癒したいとか、もやもやする気持ちを整理したいとか、あるんじゃないかと。

れんげ荘は、能動的に何かを施すことはしませんが、宿の中はもちろん、宿のある町全体で、自分と仲良くなる要素をたくさん散りばめたいと考えています。

自分と仲良くなることで、平和な世の中を。
未だない宿「れんげ荘」の哲学であり、ミッションです。


この記事が参加している募集

#振り返りnote

86,560件

#わたしの本棚

18,844件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?