さくらまりか  

気がつけば51歳。2度の離婚と大人の失恋いくつか、子宮全摘を乗り越え、躁うつ病となかよ…

さくらまりか  

気がつけば51歳。2度の離婚と大人の失恋いくつか、子宮全摘を乗り越え、躁うつ病となかよく共存中。マッチングアプリにお見合い、合コン、あれこれ五十路の恋活に励んでいます。両親と伯父夫婦の介護に振り回されながらの仕事と恋バナ、よかったらおつき合いくださいませ。 本業は社会福祉士。

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ありがとうが似合う別れになるように

「最初に私、言ったよね。 相手に合わせすぎちゃって、黙って我慢して、突然、爆発しちゃう」 「ごめん、何か違うなって思っていた。ごめん」 「もう終わっているから。私…

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殿方が何を話すかも大事だけど、どう話すかも同じくらい大事だ。

話す内容には、その殿方が経験したことや、どう世の中を見ているかが反映される。
話し方には、その殿方の五感やことばの感性が映し出される。

まりかよ、お前はそれらを感じ取ることができるのか。
できるようになってみせる。

殴る妻

「もうずっと前から冷め切っていてね。 離婚したのは半年くらい前だけど、長女が生まれてすぐから外に別の女の人もいて、ちょうど10年くらいつき合っていたかな。 家に帰る…

デートセッティングアプリの解約を忘れていたらしく、5つ上の殿方とマッチング。
一時休戦宣言したけれども、せっかくだから明日の夜、ごはん食べてきます。
久しぶりに爪を塗って、美容院の予約して、こういうのもよいわねと思う梅雨の終わりの夜。

大木にしがみつく枯れ枝

「いつもお世話になってすみません。ウチの人をよろしくお願いします」 遅れている梅雨をとおせんぼするように晴れわたった六月の朝、まりかはソウちゃんの家の前にトヨタ…

日曜の昼間、めずらしくぽこっと時間ができた。

お見合いパーティー、ゆこっかな、やめよっかな。

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頭のデトックス

「1日6,000歩から8,000歩。 足の裏には、メカノレセプター、感覚受容器があって、使わないとどんどん老化してっちゃうんだよ。 ヨガも大事だけど、まずは歩く、歩く!」 …

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恋活、一時戦線離脱

「レンタルビデオはさ、借りてきて、ビデオデッキに入れる瞬間がいちばんドキドキするよね」 と、恋活仲間のひめちゃんが言っていた。 前評判やパッケージ、あるいは絶対…

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老いてゆく幸せ

いまの生活がいつまでも続くと思わないようにしよう。 いまの生活が続かなくなることを不幸と思わないようにしよう。 いずれは老いていまの生活を送れなくなるだろう。 老…

12

筍をたくさんもらったので、タイ風のカレー。
青唐辛子がなかったので、柚子胡椒で代用。
ほんとに永遠に食べられそうだー。

自分のためだけに料理して、自分だけのご機嫌を取るって、本当に幸せ。
しばらくおひとりさまを心ゆくまで楽しもう。

https://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/okanmeshi/4542

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身代わりタイヤ

「さくらさん、これタイヤ見てもらった方がいいよ。 空気圧が低そうで、何ならパンクしてるかも」 「えっ」 朝、いつものようにシニアのシニアのみなさんが集まるラジオ体…

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4時の目覚ましでウォーキングのはずが、どうにも起き出せない。
歯医者さんのあとは、スタバでまったりと思ったが、どうにも起きていられない。
仕方ないから、近くのスーパーで野菜を買い込み、数品常備菜をつくり、冷麦を食べてお昼寝。
体温計が37.1℃を指していた。

今日は早寝しよう。

12

口内炎、頭皮や耳の吹き出物。
旅の高揚感で忘れがちだけど、これ、まりかのカラダとココロのSOS。
今週末はきちんと休もう。

恋活も、しばらくお休みかな。

11

思い違い

「ごめんなさい、ご自分のペースで行ってください」 「わかりました。気をつけていらしてくださいね」 なぜまりかは、このやりとりだけで彼女に嫌われたと思ったのだろう…

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親を捨てよう その後

「私、父と母のことが自分のせいだと思うのをやめようと決めました。 父も母も、私のせいで在宅で生活できない、と、思うのをやめます」 「いいと思います。 そうですよ、…

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頭のよさと情の厚さ

「少し前に、まりかさん、noteでまりかの強みを教えてください、って言ってたでしょ? たくさんあるじゃないですか」 「そうかなあ。それが自信を持てないのよね。たとえば…

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ありがとうが似合う別れになるように

ありがとうが似合う別れになるように

「最初に私、言ったよね。
相手に合わせすぎちゃって、黙って我慢して、突然、爆発しちゃう」
「ごめん、何か違うなって思っていた。ごめん」
「もう終わっているから。私の中では終わっているから、大丈夫」

まりかはひと息で言い切ると、左隣のタカシをちらりと見た。
タカシは泣いていた。
左の手の指を目頭にぎゅっと当て、じっと空を仰いだ。
金曜夕刻の東京駅丸の内駅前広場。
目抜通りの街路樹と、レンガ作りの駅

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殿方が何を話すかも大事だけど、どう話すかも同じくらい大事だ。

話す内容には、その殿方が経験したことや、どう世の中を見ているかが反映される。
話し方には、その殿方の五感やことばの感性が映し出される。

まりかよ、お前はそれらを感じ取ることができるのか。
できるようになってみせる。

殴る妻

「もうずっと前から冷め切っていてね。
離婚したのは半年くらい前だけど、長女が生まれてすぐから外に別の女の人もいて、ちょうど10年くらいつき合っていたかな。
家に帰ると、警察沙汰になるくらいの暴力もあったから」
「暴力? どちらからですか?」
「元嫁。自分の友だちが来ているときにも、襟首掴まれたことがあって、びっくりした友だちが呼んだんだよね。
別によくあることだったんだけど」

まりかは、よく冷え

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デートセッティングアプリの解約を忘れていたらしく、5つ上の殿方とマッチング。
一時休戦宣言したけれども、せっかくだから明日の夜、ごはん食べてきます。
久しぶりに爪を塗って、美容院の予約して、こういうのもよいわねと思う梅雨の終わりの夜。

大木にしがみつく枯れ枝

「いつもお世話になってすみません。ウチの人をよろしくお願いします」

遅れている梅雨をとおせんぼするように晴れわたった六月の朝、まりかはソウちゃんの家の前にトヨタを停めた。
小柄な奥さまがじきにドアから顔を出した。
以前、「ウチの奥さんは“あいのこ”で、東欧の血を引いている」と、ソウちゃんから聞いた記憶がある。
どうりで、森のお家でキノコのスープをつくっていそうな愛らしさだ。

今日はA県神社庁B

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日曜の昼間、めずらしくぽこっと時間ができた。

お見合いパーティー、ゆこっかな、やめよっかな。

頭のデトックス

頭のデトックス

「1日6,000歩から8,000歩。
足の裏には、メカノレセプター、感覚受容器があって、使わないとどんどん老化してっちゃうんだよ。
ヨガも大事だけど、まずは歩く、歩く!」

梅雨入り前の午前4時10分。
まりかは、ヨガのオオキ先生のことばを思い出しながら、玄関の鍵を閉めた。
6,000歩ウォーキングである。
8年前、1年の休職から職場に戻る前に体慣らしに歩いて以来、お気に入りのコースだ。
住宅街か

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恋活、一時戦線離脱

恋活、一時戦線離脱

「レンタルビデオはさ、借りてきて、ビデオデッキに入れる瞬間がいちばんドキドキするよね」

と、恋活仲間のひめちゃんが言っていた。
前評判やパッケージ、あるいは絶対おもしろいというインスピレーションで借りてきても、必ずしもその一本が期待どおりとは限らない。
レンタル代330円返せ、120分返せと思うことも、少なくない。
もっとも、レンタルビデオもビデオデッキも昭和、平成の産物だ。
いまは何本観ても一

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老いてゆく幸せ

老いてゆく幸せ

いまの生活がいつまでも続くと思わないようにしよう。
いまの生活が続かなくなることを不幸と思わないようにしよう。

いずれは老いていまの生活を送れなくなるだろう。
老いることを不幸とは思わないようにしよう。

いずれは老いていまの姿を保てなくなるだろう。
しみしわしらがが増えることを不幸と思わないようにしよう。

いずれは老いていまのように歩けなくなる日が来るだろう。
腰を曲げ膝を開きゆっくり歩くこ

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筍をたくさんもらったので、タイ風のカレー。
青唐辛子がなかったので、柚子胡椒で代用。
ほんとに永遠に食べられそうだー。

自分のためだけに料理して、自分だけのご機嫌を取るって、本当に幸せ。
しばらくおひとりさまを心ゆくまで楽しもう。

https://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/okanmeshi/4542

身代わりタイヤ

身代わりタイヤ

「さくらさん、これタイヤ見てもらった方がいいよ。
空気圧が低そうで、何ならパンクしてるかも」
「えっ」

朝、いつものようにシニアのシニアのみなさんが集まるラジオ体操に行ったら、参加者のひとり、マサオさんに声をかけられた。
マサオさんは70になったばかり、ユーモアある人柄と、きめ細やかな気配りで、80代、90代のお姉さま方にも、おじいちゃま方にも絶大な人気を持つ。
もちろん、まりかとて例外ではなく

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4時の目覚ましでウォーキングのはずが、どうにも起き出せない。
歯医者さんのあとは、スタバでまったりと思ったが、どうにも起きていられない。
仕方ないから、近くのスーパーで野菜を買い込み、数品常備菜をつくり、冷麦を食べてお昼寝。
体温計が37.1℃を指していた。

今日は早寝しよう。

口内炎、頭皮や耳の吹き出物。
旅の高揚感で忘れがちだけど、これ、まりかのカラダとココロのSOS。
今週末はきちんと休もう。

恋活も、しばらくお休みかな。

思い違い

思い違い

「ごめんなさい、ご自分のペースで行ってください」
「わかりました。気をつけていらしてくださいね」

なぜまりかは、このやりとりだけで彼女に嫌われたと思ったのだろう。
彼女は疲れたから先に行ってと行っただけなのに。
まりかの認知機能はどこかでそれを曲解し、「あなたとは口も聞きたくないから先に行って、いまなら私が疲れたせいにしてあげるから」と、翻訳してしまったのだ。

まりかはこの日、ひとりでバスツア

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親を捨てよう その後

親を捨てよう その後

「私、父と母のことが自分のせいだと思うのをやめようと決めました。
父も母も、私のせいで在宅で生活できない、と、思うのをやめます」
「いいと思います。
そうですよ、それでいいです」

発症から9年間診ていただいていた精神科のドクターが、定年退職することになった。
なかなかしっくりくる医師と出会えない精神科の通院、まりかは幸せなことに、一発で心を預けられる先生に出会うことができた。
この9年間、何度、

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頭のよさと情の厚さ

頭のよさと情の厚さ

「少し前に、まりかさん、noteでまりかの強みを教えてください、って言ってたでしょ?
たくさんあるじゃないですか」
「そうかなあ。それが自信を持てないのよね。たとえば?」
「まずは頭のよさ。それから情の厚さ。
両方を兼ね備えたまりかさんは最強です。
もっと自信持ってください」

ゴールデンウィーク後半の真ん中、電車を乗り継いで2時間、まりかは東京の反対側に来ていた。
去年の秋、亡くなった伯父も眠る

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