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落選文学展

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コンテストに落選した珠玉の迷作たちを「落選文学」として公開。自画自賛展といっても過言ではない。完全なる自己満足の世界。 ・・・と言いつつ、誰かに読んでもらいたいだけという寂しがり…
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色づく体温~短歌6選~

色づく体温~短歌6選~

影を踏む揺れる木の葉が落とす影ここは水底見上げれば空

向日葵のような明るさないけれど朝顔ほどの潔さ得る

はっとした言葉の綾も病葉も気づいた時に色は過ぎゆく

雪原に紅を染めたる寒椿空より他に知る者もなく

強くあれ念じながらも震えてたタンポポみたい記憶飛ばして

流れゆく砂をせき止め握る夜それでも闇は白々と明け

左巻きの証

左巻きの証

朝顔の蔓のように
左巻きに
時計の針に逆らうように
日々を歩んでいけたらと願う
朝顔のように愛でられて
一日の始まりを告げるように
太陽に顔を向けて
どこまでもどこまでも
上へと伸びていけたらいい
丈夫でも儚くて
夜に溜まったその日の澱を
左巻きに吸い上げて
浄化のごとく花開かせる
新しい日を拓かせるように
朝を始める、花

すべての花が種を残せることはない現実に
抗い続ける左巻き

風に負け、た

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「坊っちゃん文学賞」に落ちたショートショート。落選文学と名付けて発表!

「坊っちゃん文学賞」に落ちたショートショート。落選文学と名付けて発表!

世界で知らない人はいない気がする、モネ等印象派の画家たち。ご存知だろうか、実は彼ら、当時の画家の登竜門とでも呼ぶべき権威ある公式展覧会「サロン」への落選を繰り返していた。

どの画家もサロンへの入選を目指していた時代において、彼らは1874年、サロンに落選していた画家たち皆でグループ展を開催。のちに印象派展と呼ばれるようになったが、要は落選展である。別に拗ねているわけでも、開き直っているわけでもな

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