独創的な事業やサービスが作れるIT テクノロジー人材がなぜ日本では育ちにくいのか。
前回のNOTEで、CMOサービスのご紹介とエンジニアのキャリア形成に必要なカリキュラムについて、ライティングをさせていただきました。
日本よりもはるかにIT産業がすすんできている欧米において、CMO(Chief Marketing Officer、最高マーケティング責任者)という役職が存在感を増しています。
事実、アメリカのビジネス誌Fortuneが選ぶトップ企業500社の最新データ(2015年)によると、500社のうち約3割がCMOのポストを設けているようです。
いかにマーケティングが、事業や経営戦略に欠かせない重要な役割を担っているかを指し示すデータだといえるでしょう。
一方、経済産業省の調べでは、日本の時価総額上位300社において、CMOを任命している企業の割合は0.3%しかありません。
欧米と日本でこのように大きな差が生じているのはなぜでしょうか。
日本では、CMOは、欧米に比べてIT産業が後続的なポジションにいるということと、それに加えて、日本には、なかなか定着しない(していなかった)。という風土がその背景にはあるのかもしれないと思い、調べてみました。
ちなみに、おさらいですが、CMOの定義とは、以下の通りです。
「企業のマーケティング活動そのものに責任を持つだけでなく、経営チーム(役員)の一員として、マーケティングの視点から組織全体の方向性や戦略立案に携わることが求められる」と定義されます。
※※参考:神岡太郎氏(現・一橋大学商学研究科教授)らの著作「CMOマーケティング最高責任者」
日本のマーケティングの実情、欧米との比較
日本のマーケティングの実情について、以下の図にまとめてみましたが、マーケティングというものを重要視しているか、否か、という産業、業界や企業体質というものが、根底にはあるようです。
英国では、マーケティング人材に投資は7~8%、米国では、6%台であるのに対し、日本では、3~4%台という低い数字になっています。
では、なぜ欧米は、マーケティングを企業戦略として重要視しているのでしょうか。
それは、以下の図ような産業構造(サービスプロセス)の変革があり、マーケティングという役割の管轄が広義の意味で拡大しているということに気づいているということだと考えます。
つまり、インターネット上で完結するビジネスにシフトし、従来のようなセクション間の明確な役割の区切りがなくなったということを意味します。
マーケティングという守備範囲が広がるという事は、採用の人材要件においては、その分野に長けた高度な人材が重要視されていく傾向にあることと、職務要件の明確な定義づけが、各企業において必要といえるでしょう。
IT産業は今後伸長していく半面、なかなかCMO人材がいない、というのは、このような産業構造的な課題とそのものの捉え方(課題設定と戦略策定)の優先度の違いがあるからであると、考えます。
では、日本の産業構造をもう少し欧米と比較して見てみたいと思います。
日本の産業構造、欧米との比較
日本の産業が欧米と根本的に異なるのは、価値競争ではなく、価格競争になっているから。ということが言えます。例えば、企業が新規事業をする場合や、アントレプレナー(個人事業含む)が創業する場合にしても、既存事業の横展開でしかありません。飲食、小売り、製造は、既存事業の模倣であり、競争過多な状態から事業がスタートします。つまり、欧米のようにテクノロジーや新たなサービスバリューを創造してきている事業が少ないという事実があげられます。
事実、以下の数字にある通り、欧米のサービス産業では、営業利益率、純利益率が3~4%台となっているのに比べ、日本のサービス産業では、1%前後程度しかありません。
現在、コロナの影響がでて、窮地にたたされている産業は、まさに、小売り、宿泊、卸業といったサービス業ではないでしょうか。今後、デジタルシフトをしていく必要があり、そこに、マーケティングを戦略的に取り入れていく必要があると、想定できるでしょう。
CMOはじめ、テクノロジー人材を積極的に育成する、もしくは、積極的にその知見をとりいれて企業の産業構造と付加価値を新たに作り出す、そういう工夫が、ますますこれからの企業において、必要をされることを、述べて当記事を締めたいと思います。
エンジニアの教育キャリアパスと、教育カリキュラムについて、本日も連続して簡単に述べさせていただきました。ご相談やご質問のある方は、ぜひ、弊社宛に、コメントをお寄せください。
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弊社の自社ブランドである『ゆめかなう』は、法人企業様、個人事業主様にかかわらずご利用いただけるプラットフォーム事業をしております。新規事業や起業の立ち上げ、そして、既存事業の変革や成長牽引のナレッジを、上述の「グロースハック」サービスと連携してご提供していることと、新しい価値の創造をされるかたがたが、きちんと立ち上がり、事業として継続的に顧客を創造できるような場創りをご提供しております。
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