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【生物基礎】DNAとタンパク質(1)【授業実践備忘録】

いよいよ2023年度の夏休みに突入している学校が多いかと思われます。
この記事をご覧になっている高校の先生方におかれましては、夏休み前までのご自身の授業を振り返ると、あの時ああすればよかった、こうすればよかったなんて思われていたりしませんか?
また、特に授業経験の浅い先生方にとっては、夏休み明けに扱う単元だとわかっていても、どのように授業を進めればよいかイメージがつかずに不安になっていたりしていませんか?
実は私自身も、ダラダラと教員を続けついに19年目のシーズンに入ってしまったなりにさまざまな試行錯誤を毎年繰り返しています。
そうした過程の中で私自身が得たことを以下につらつらと綴ります。
ただ、これが完璧というわけではありません。
むしろ、この記事をご覧になっている方におかれましては、「えっ、こんなんでいいの?」「これ以上の授業をやってやるわ!」といった思いをもって、言い換えれば私の実践を「踏み台」にしていただけるとありがたいです。

なぜタンパク質について学ぶのか?

ちょいとここで皆様に質問です。

高校の生物ではなぜタンパク質について学ぶのでしょうか?

皆様それぞれで思われていることを、下のGoogleフォームに書き出してみてください。

ご記入いただけましたでしょうか?
恥ずかしい話ですが、私は農学系の大学出身で、タンパク質の性質や合成については大学の講義で聴いてきたはずなのに、なぜこれが重要なのかが教員15年目くらいになるまで理解していませんでした。

「何でそんなにタンパク質が重要なの?」

「タンパク質ばかりじゃなく、糖類(炭水化物)や脂質はどうなんだよ?」

という思いもあって、理解していなかったと同時に、受け入れられなかったということもあります。

そんな中でも私は生物の授業を担当した際、タンパク質の性質や、それが合成されるしくみについては上っ面の説明はしてきました。
ただ、何年も繰り返して授業を担当してきた中で、見出したことが2つあります。

1.形質を司る物質

動物の体の中で、タンパク質は水分の次に多く含まれている成分であります。
また、授業で担当してきた生徒の多くが見落しがちなところですが、植物や他の生物にもタンパク質は含まれています。
タンパク質というのは、髪の色、爪の形、皮膚の色、血液型、お酒に強いか弱いか・・・といったように、個々の生物の形や特徴(=形質)をつくるもととなっているのです。

2.生命のつながりの成果

個々の生物がもつ形質というのは、その親のもつ遺伝子が子どもに伝わることで現れる(=発現する)ものです。
物質に置き換えてみると、形質はタンパク質がもとになっていて、遺伝子の本体はDNA(デオキシリボ核酸)です。
そうすると、DNAをもとにしてタンパク質が合成されるという形で、親から受け継がれた遺伝子が子どもに伝わり、そこから子どもの体の形質がつくり出されるということになるわけです。
よく「子が親に似る」なんていわれますが、こうした過程を考えてみると、当たり前になるのでしょうね。
(突然変異というのも起こり得ますが)
つまり、タンパク質というのは、親から子へ生命が引き継がれた成果として捉えることもできるわけです。

恥ずかしい話ですが、このことは教員15年目くらいになってようやく合点がいき、自信をもって教えられるようになったんです。

ここで一息

今回の記事ではタンパク質について学ぶ意義について、ダラダラと綴って参りました。
次の記事では、タンパク質の構成や、生体内に存在するタンパク質の種類について、私がこれまでの授業でどう扱ってきたかについて綴っていきたいと思います。

この記事が授業経験の浅い先生方や、ご自身の授業についてお悩みの先生方にとっての手助け、あるいは反面教師(笑)になりましたら幸いです。

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