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2003年NY大停電
2003年8月14日、アメリカ合衆国北東部と中西部の一部、およびカナダのオンタリオ州にまたがる広範囲で起こった北米大停電。
停電が発生したのは午後4時過ぎ。突然、コンピューターが作動しなくなった。同僚たちと何が起きたのか認識するまでに少し時間がかかった。20階の窓から見えるグランド・セントラル駅の出入り口からどんどん人が溢れ出て来る。駅で何かあったのか、と心配になった。しばらくして、この停電は大
異国での小さなふれあい
自宅付近のストリートで話しかけてきた男性「ハイ!ぼく、よく君を見かけるよ」から始まり、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。少しずつ嫌らしい、不愉快な言葉が出てくる。「やめて!ほっとおいてくれる」と冷たく言い放つが、私の横にぴったりついて来る。歩調を速めて行きつけのリカーショップに逃げ込んだ。
「どの男、そのバカなヤツは!」と年配の女性店員さんが店の外へ出て様子を伺う。「腹立たしい男ね!誰かアパー
ニューヨーク公共図書館(NY Public Library)とESL
42丁目と五番街の南西角に大きなNY公共図書館がある。
正面玄関前の両脇に2体のライオンの像が設置され、季節やイベントによって帽子やヘルメットをかぶっている時がある。
建物は石造りの建築様式。絵が描かれた天井、ランプやシャンデリアなど豪華な内装である。1階両脇にある広い階段、写真を展示している2階の長い廊下、3階にある「ローズ・メイン・リーディング・ルーム」にはいくつもの横長の木の机と椅子、図書
もし、お金を求められたら
出勤途中、42丁目のレキシントン街を歩いていたら、突然、アジア系の男性に「あなたは日本人ですか」と呼び止められた。70才半ばくらいの年齢に見えるこの男性を、私は以前に何度もその辺りで見かけている。
彼の話を要約すると次のようになる。
「昨夜、日本のレストランがいくつもある通りを歩いていたら、見知らぬ日本人男性に殴られ、メガネを壊された。あなたは日本人でしょう、このメガネを弁償してほしい」おそら
教会とジャクソン・ハイツ
マンハッタン、50丁目の五番街にあるセント・パトリック大聖堂(St. Patrick's Cathedral)。
同僚のマリアは、毎朝出勤前にこの教会を訪れる。胸の前でクロスを切り、2ドルを寄付してキャンドルに火を灯す。朝に立ち寄ることが出来ない日は昼休みに行く。時々、私はマリアについて行くことがあった。
「祈るのよ、ただ祈るの」と小声で彼女は言う。
マリアは両手を組み合わせ額に近づけて目を
Bronx, Riverdaleに住む友人
ブロンクスの北西部にリバーデールという地区がある。
その地区の閑静な住宅地に住むアレンは、友人の恋人だったアメリカ人。彼は友人よりも20才くらい年上だった。私達の父親に近い年齢である。
タイムズSQから地下鉄1番線に乗り231丁目で下車、そこからバスで15分のところにアレンの家があった。両親から受け継いだ可愛らしい2階建ての家。外見は映画「クリスマス・ストーリー」(A Christmas Sto
百貨店の宝石コーナーにて
NYに住み始めてから指輪もネックレスもブレスレットも身につけなくなった。
いちばん最初に観光で訪れた時、アメリカ人の知人に「そのネックレス、外した方がいいよ」と注意された。小さなダイヤがついた金のネックレスだった。1980年代後半のこと。
勤め先は五番街のセントパトリック大聖堂の近く、昼休みには近所にあるいくつかのデパートをぶらぶらした。
当時、あるデパートの1階に宝石のChaumet(ショー
同じアパートの住人との別れ
私が住んでいたアパートが建築されたのは1983年。新築時からずっと長く住んでいる人たちが何人もいる。私はそこに10年住んだ。
交通の便利良し、買い物も便利、映画館あり、銀行あり、各国のレストランあり、大きな病院も近くにある、とても暮らしやすいエリアである。
*ペントハウスに住むマーガレットと出会った時、彼女は80才半ばだった。
美しい白髪に薄化粧、出かける時は赤い口紅をひいてお洒落をする。物
Central Park
* 乗馬
早朝、ジャクリーン・ケネディ・オナシス貯水池周辺を歩いていると乗馬をしている人とすれ違う。颯爽と過ぎて行く人を見ると、女優・Madeleine Stowe(マデリーン・ストウ) を思い出す。映画:リベンジ (Revenge 1990年)で、馬の手綱を持ってトレイルを優雅に歩くシーン。
美しい人が上品に馬に乗って私の横を通り過ぎた時、異空間が微かに交わった感じがした。
* ザ・モール
Ground Central Terminal とNew Rochelle
現在のように綺麗に改築される以前のグランド・セントラル・ターミナル、1階のメインコースから西側出入り口に通じる階段を上がったところにBar & Cafeがあった。吹き抜けの天井、窓から入る細くて長い太陽光が落ち着く雰囲気をつくり出していた。
友人と短時間だけ会って話したい時や、アップステート行きの列車の時間待ちには最適な場所。ミッドタウンで買い物をした帰り、アップステートへ行く待ち合わせ場所とし
かつての港町サウス・ストリート・シーポート
マンハッタンの南東にあるかつて港だったエリア。South Street Seaport: Pier 17は川沿いに建つ複合商業施設である。倉庫街には小売店が並び、波止場には古い帆船が展示されている。
初めてのFourth of July(独立記念日)はPier 17で花火を見て過ごした。陽が沈む何時間も前から座り込み、どんどん溢れ出るように人が集まって来るのを眺めた。
川沿いの花火が真ん前に見え
小説を読みながらその街に引き込まれる
ポール・オースター ガラスの街
1985年に発表されたポール・オースターのメジャーデビュー作で、ニューヨーク三部作の第一巻。
何度もかかってきた間違い電話から、探偵になりすまし依頼を受けることになった主人公。ある裕福な若い男とその妻から、精神病院から退院してくる依頼主の男の父親を監視するように依頼され、その父親を尾行しながらマンハッタンの街の迷路へ入り込んでいく物語。
詳しく書かれた番地やス
友人の母 ミセス・ゴードン
初めて住んだのは71丁目の1番街と2番街の間のアパートメントの4階。
地下鉄の駅は68丁目のレキシントン街、ハンターカレッジ前である。
広めのスタジオで、キッチンは小さいけれどもセパレート。バス&トイレは淡い
ピンク色だった。
そのアパートの近くに友人のジョンが住んでいた。73丁目のヨーク・アヴェニュー。大きなコンドミニアムに母親とふたり暮らし。アメリカ人の成人男性が母親と住むのは珍しいと思う