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ミドリの森10 サトミ3
※ 書きかけの小説を少しずつアップしています。
完結させるためのエネルギーにしたくて。
連作ですが、一話ずつ読めます
わたしはきっと処女のまま死ぬんだろう。
そうにちがいない、わたしは処女じゃないわたしを想像できない。出会いも何もない。わたしは死ぬまでこのままだ。処女のまま私は死ぬのだ。
なぜか、急にそう思って、息が詰まりそうになった。
いろんなところで見聞きするセックスなるものの、動作ややり
「ミドリの森9」 ナコ5
※ 書きかけの小説を少しずつアップしています。
完結させるためのエネルギーにしたくて。
連作ですが、一話ずつ読めます
* * *
短く息を吸い、そして呼吸を止める。
空気の流れがなくなり真空が広がった。
磨きあげて、色のないわたしの爪。
そこに、あの日の淡いブルーの空の色を一気に塗った。
金曜日。
休暇を終えて仕事に出て、ひさしぶりに、ミドリさんとわたしが顔を合わせ、そして遅
ミドリの森 7 (ナコ3)
(連作ですが、一話ずつ読めます)
久しぶりの実家はなんだかとても落ち着かなかった。
幼い頃に母と引っ越してきた古びたアパートの2階の1DK 。何年もここで布団を並べて寝ていたはずなのに。懐かしさも何も感じない。
絵を描いてたテーブルは今も健在だった。
ぺらぺらの落書き帳とクレヨンを広げていたテーブル。母の帰りを待つ時間に、わたしが熱中していた小さな宇宙。最後は書き込みすぎて、くしゃくしゃになる