YUKI

過去と現在、あるいは架空の物語。文章にはいつも音楽が流れています。クラシック/読書/映…

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過去と現在、あるいは架空の物語。文章にはいつも音楽が流れています。クラシック/読書/映画/自然の中の鳥たち(今日のための曲たちは、さらっといいかげんな独断と単なるわたしの好みです)笛を吹きます。鳥たちと森に住んでいます。

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  • 今日にぴったりな、今日の音楽を紹介

    ゆるりとクラシック音楽を紹介してます。ライフワーク。あたらしい音楽との出会い。

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わたしの朝について

わたしは朝が好きだ。 幼かった頃の日曜の朝、目が覚めるとリビングのほうからかすかに音楽が聴こえてきた。それはいつも決まって朝にぴったりの曲たち。 長調で明るく爽やかなシンフォニー、バレエ音楽、美しい旋律のピアノの作品。 母が流す音楽はとてもセンスが良くわたしは毎週日曜日をとても楽しみにしていた。 休みの日だからといって遅くまで寝ていたりはしない。音楽を聴きながらいつもよりちょっと豪華な朝ごはんを食べるのだ、あの時にわたしは数多くの名曲たちに出会った。 白いカーテンと

    • 今日の気分は濃厚なクラシックを聴きたい 日のための音楽 #37

      今日にぴったりな、今日のための音楽 フランツ・シューベルト(1797-1828) / 弦楽四重奏 第14番 ニ短調 とても久しぶりになってしまった。 何かをするスイッチを音楽でつくっている(かえている)人ってとても多いと思うけれど、わたしはそれがいつもクラシックである。 今日の気分は濃厚なクラシックを聴きたい日のための音楽 『歌曲の王』という別名を持つフランツ・シューベルト そう呼ばれるほどに多くの作品を詩に基づいて作曲してきた。 たとえば彼は、同世代であったゲー

      • メロディーを持つ20世紀最後の作曲家、プーランクを聴く ための日#36

        今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 フランシス・プーランク(1899-1963)/ メランコリー  歩いて帰ろう、と思い立ってふたつ前のバス停で降りてみた。バスって、降りるときドキドキしない?「STOP」のボタンを押すことにも、わたしはちょっとだけ怖くなる。そうやってちょっぴり勇気を振り絞って歩きなれない家路を辿る。そんな日でした。だから今日は、あまり聴かない音楽を聴いてみるよ。 メロディーを持つ20世紀最後の作曲家、プーランクを聞こう 「フランス六人組」のひとりで

        • 秋といえば、どんな曲を聴きたくなる?ラフマニノフなんてどうでしょう? のための日#35

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)/ ヴォカリーズ 今日の朝、リスを見た。茶色いリス(!)なんだか、リスを見るたびに心の中で叫んでしまう。なぜだろう、ちいさな子供になってしまうんだと思う。 今年は夏が短かったから、リスにとっては厳しい冬になるらしい。もしも余裕があったら、そんな彼らのためにクルミを砕いてバルコニーに置いておこうかな。 なんて思う、秋、あっという間。 秋といえば、どんな曲を聴きたくなる?ラフマニノフなんてどう

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        • 今日の気分は濃厚なクラシックを聴きたい 日のための音楽 #37

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        記事

          印象派といえばドビュッシー、彼の音楽を聴いてみよう のための日#34

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 クロード・ドビュッシー(1862-1918)/ ピアノと管弦楽のための幻想曲 あたらしい環境にいってみると、たくさんの過去の記憶がまったく別のものに見えてくる。すべて知っていたと思っていた街たちはまるで違う存在になる。そんな経験をしたことがある? ということで今日は、ローマに留学していた頃のドビュッシー が描いた作品をきいてみようと思う。 印象派といえばドビュッシー 、彼の音楽を聴いてみよう フランス作曲家にとって、登竜門のような

          印象派といえばドビュッシー、彼の音楽を聴いてみよう のための日#34

          daily voices: 9/23/2020

          しばらく違う言語を話していると、いままで流暢に話せていたはずの母国語を忘れてしまう。言葉自体はちゃんと理解できるけれど、どんなふうに言葉を並べて話していたのか、わからなくなる。 わたしは言葉をパズルみたいに組み合わせて話すことが好きだ。だれかと会話をするときに、そのパズルのピースが好きなかたちの人だと嬉しくなる。わたしの知っているピースを持っている人だと、たくさんの言葉を交わしたくなる。 ひらがなと漢字と、たまにカタカナと、そのいろいろなフォルムの文字たちを組み合わせて作る文

          daily voices: 9/23/2020

          親しみと優しさを込めて、ドヴォルザークを聴く ための日#33

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)/ 弦楽三重奏のためのミニアチュール 黄色いガーベラを部屋に飾った。なんだか、全くわたしの部屋の様子とは合っていなくて浮いているけれど、それでもたまに、こんな風にわたしには恥ずかしいくらい黄色い花をみているのも悪く無いなあと思う。 黄色いガーベラの花言葉は、親しみやすさや温かさなんだって。 それを聞いて思い浮かんだのは、ドヴォルザーク。彼には穏やかな優しい印象を持っている。 親しみと優

          親しみと優しさを込めて、ドヴォルザークを聴く ための日#33

          音楽家はみんな病的なロマンチスト?ベルリオーズを聴く ための日#32

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)/ 幻想交響曲より 第一楽章 病的な感受性と想像力に富んだ若い芸術家が、恋に絶望し、アヘンによる服毒自殺を図る。しかし、薬は致死量には足りず、彼は、重苦しい眠りの中で奇怪な幻想を見、その中で感覚、感情、記憶が彼の病んだ脳の中に観念となって、そして音楽的な映像となって現れる。愛する人が旋律となってまるで固定観念のように、そこかしこに現れてくる。 これはある作品に作曲家によって実際にかかれたプ

          音楽家はみんな病的なロマンチスト?ベルリオーズを聴く ための日#32

          フィンランドで愛される音楽家、オスカル・メリカントを知っている? のための日#31

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 オスカル・メリカント(1868-1924)/ 牧歌 秋がやってきた、急に。肌に当たる風がこのあいだとは全く違う。ひんやりとした秋の風。おいしい季節がやってくるね。 最近、過去の楽譜を整理していたら、メリカントのピアノ曲集をみつけた。 メリカント、きっとピアノをやっている人じゃないと知らないかもしれないけれど、とってもいい曲がたくさんある。懐かしい気持ちになる、穏やかな曲たち。 フィンランドで愛される音楽家、オスカル・メリカントを知っ

          フィンランドで愛される音楽家、オスカル・メリカントを知っている? のための日#31

          daily voices: 9/11/2020

          いままで見ていたものが、ある日突然生まれ変わる瞬間がある。あたらしい気持ち、知らなかった側面、出会えるタイミングはいつも、それ自体とはまったく別のことをしている時だと思う。だけど心はいつもそのことを考えている時。 今年の夏、これまでの夏よりも多くの時間を費やしてゴッホのひまわりを探し求めていた(あ、わたしはひまわりに特別思い入れがある、理想のひまわりがあるの、こだわりがある)生涯を不安と孤独と向き合いながら、あるいは闘いながら、若くして死んでしまったゴッホ。彼の人生のなかで

          daily voices: 9/11/2020

          赤といえば、どんなクラシック音楽を想像する?のための日 #30

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 ジョルジュ・ビゼー(1838-1875 )/ オペラ『カルメン』より間奏曲 noteのアイコンを変えてみた。自分で書いた自画像....とも言えないレベルのただの落書きである。面倒なことが苦手なので色の塗り方にもそのまま性格がでてしまったようだ。ちなみにわたしの髪は赤ではない、一時期アリエルみたいな赤髪にしていた頃もあるけれどね(あの時は本当にアリエルになりたいと思っていた、ちなみに大人だったころの話)とりあえず、わたしは赤という色が昔

          赤といえば、どんなクラシック音楽を想像する?のための日 #30

          ベルリン放送響によるマーラー、ライブ収録を聴く ための日#29

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 グスタフ・マーラー(1860-1911)/ 大地の歌 iTunesのnewリリースの欄にマーラーの『大地の歌』があった。8月の初めごろにリリースされたもので、マーラーの楽曲を得意とするサラ・コノリー(メゾソプラノ)とロバート・D・スミス(テノール)による独唱。とのこと 指揮者はウラディーミル・ユロフスキで演奏はベルリン放送響。 おっと、カタカナだらけのプロローグ(わざわざここにも使用)を書いてしまった。カタカナはむずかしい。とりあえず

          ベルリン放送響によるマーラー、ライブ収録を聴く ための日#29

          daily voices: 9/5/2020

          家の近くに森がある。森というかとても大きな公園で隣町まで小川で繋がっている。そして大きな池が真ん中にある。いくつもの坂道を越えると大きな木が並ぶ広場もある。何もない場所、緑だけの。いろんな鳥の声が聞こえて、虫たちがそこら中にいる。なんて夢みたいな場所に、わたしは小さい頃から夢中だった。 この場所でわたしは育った。 昔はよく、その森の奥に探検に行って泥だらけになるまで遊んでいた。だけど大人になってからはあまり奥には行かなくなった。どうしてだろう。そんなことを思いながら昨日は太

          daily voices: 9/5/2020

          ウィーンの天才ヴァイオリニスト、クライスラーを聴く ための日#28

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 フリッツ・クライスラー(1875-1962)/ シンコペーション ものすごく間が空いてしまった。秋に遠くに引っ越しをする予定があって、その準備やら何やらでものすごく追われる毎日を過ごしていた。なんだかすごく不運なことが続いて、身の回りの大切なものを失ったり無くしたり、自分の力では到底どうにもならないような出来事たちに見舞われていた。ここまで大変なことが続けば、新生活はたのしいに決まっている。そう、ところで、そんなどうにもならない日々も

          ウィーンの天才ヴァイオリニスト、クライスラーを聴く ための日#28

          『壊れものにつき、取扱い注意』R・シュトラウスの愛の詩を聴く のための日#27

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)/ 歌曲『Morgen!』 大学生の頃に、声楽のレッスンがあった。ものすごく歌うことが苦手で、ずっと逃げて来た(たとえば高校生までは必ず歌いたくないのでピアノ伴奏者に立候補していた、普段の授業中なんて先生に指されないようにずっと下を向いているような女の子だったけれど、この時ばかりは真っ先に手を挙げていた) というわけで、悪夢のような時間だった。しかもスパルタ先生で、わたしの後にいつもレッス

          『壊れものにつき、取扱い注意』R・シュトラウスの愛の詩を聴く のための日#27

          平和の祈りを込めた作曲家、ペンデレツキを聴く ための日#26

          今日にぴったりな、今日の音楽を紹介 クルシュトフ・ペンデレツキ(1933-2020)/ 広島の犠牲者に捧げる哀歌 75年前の今日は、日本国民が国営ラジオで自分たちの降伏を知った日。つまり終戦の日。実はこの日に急に決まったことではなくて、お偉い人たちの間でドイツ・ポツダムでは終戦に向けた話し合いはずいぶん前から進められていた。 しかしなかなか、うまくまとまらなくて、そんな中の8月の原爆投下。これを決め手に一気に事は進んだのだ。いつの時代も(いまのこと)話し合いというのは、

          平和の祈りを込めた作曲家、ペンデレツキを聴く ための日#26