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親しみと優しさを込めて、ドヴォルザークを聴く ための日#33

今日にぴったりな、今日の音楽を紹介

アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)/  弦楽三重奏のためのミニアチュール

黄色いガーベラを部屋に飾った。なんだか、全くわたしの部屋の様子とは合っていなくて浮いているけれど、それでもたまに、こんな風にわたしには恥ずかしいくらい黄色い花をみているのも悪く無いなあと思う。
黄色いガーベラの花言葉は、親しみやすさや温かさなんだって。
それを聞いて思い浮かんだのは、ドヴォルザーク。彼には穏やかな優しい印象を持っている。

親しみと優しさを込めて、ドヴォルザークを聴こう

チェコを代表する作曲家といえば、ドヴォルザーク。
国民楽派的な作風でありながらもアメリカやイギリス、ヨーロッパ各地で活動をしていたドヴォルザークは、とても多くの努力を重ねて地位を積み上げていった作曲家である。そしてたくさんの幸運と、彼の才能を信じてくれた人びとに恵まれて成功を収めた。

この曲は、2本のヴァイオリンとヴィオラによる三重奏の作品で全4楽章。もともとは、下宿人として一緒に暮らしていたアマチュアヴァイオリニストのために描かれた曲で、とても弾きやすいように作曲されている。
「シンプルな旋律にどのくらいのことを表現できるか?それをベートーヴェンやシューマンもやってのけた!」という言葉を友人への手紙で記している。
そんな風に、楽しみながら作曲された作品である。
さらにタイトルである「ミニアチュール」とは、小さな油彩画または中世西洋の写本に出てくる挿絵を意味する。
そのためドヴォルザークは、それぞれ関連性のない別の小品として書いたと言われている。

第1楽章:カヴァティーナ Allegro Moderato
第2楽章:奇想曲 poco Allegro
第3楽章:ロマンス Allegro
第4楽章:悲歌(バラード) Larghetto

初めて聞いたときに、どうして終楽章は遅いテンポなんだろう?と少し不思議に感じた。大抵楽章で分かれている作品は、速めのテンポで華麗に終わるものが多いから。調べてみると、本当は楽章を増やす予定だったらしい、けれども作曲途中でドヴォルザークは亡くなってしまった。

第1ヴァイオリンの旋律から始まるフレーズが、なにか遠くの思い出を運んでくるような、そんなふんわりとした優しさを感じる。
ドヴォルザークの作品はどれもどこか懐かしい、知らない場所の見たことがない風景ですら親しみを感じさせてくれる。

もしかしたら、ヴァイオリンとピアノの二重奏に編曲されている「4つのロマンティック」のほうが有名かもしれない。ほとんど手は加えられていないけれど、旋律が1本になるのでより繊細な印象になる。そちらもとっても美しい




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