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メロディーを持つ20世紀最後の作曲家、プーランクを聴く ための日#36

今日にぴったりな、今日の音楽を紹介

フランシス・プーランク(1899-1963)/  メランコリー 

歩いて帰ろう、と思い立ってふたつ前のバス停で降りてみた。バスって、降りるときドキドキしない?「STOP」のボタンを押すことにも、わたしはちょっとだけ怖くなる。そうやってちょっぴり勇気を振り絞って歩きなれない家路を辿る。そんな日でした。だから今日は、あまり聴かない音楽を聴いてみるよ。

メロディーを持つ20世紀最後の作曲家、プーランクを聞こう

「フランス六人組」のひとりでもある、近現代を代表する作曲家フランス・プーランク。彼の描いたピアノの小品を聴いた。
第一次世界大戦前後、クラシック音楽は大きな変化を迎えていた。様々な世界情勢や技術の発達によって、ロマンチックな旋律は姿を消していったのである。そんな渦中に育ったプーランクの作品には、新しい時代の要素を含みながらも美しいメロディーが残されている。
今回の曲「メランコリー」は、彼の作品の中でもとくにそのメロディーが魅力である。幼い頃から裕福な家庭に生まれて多くの音楽を学ぶ機会があった彼は、めまぐるしく変わるクラシック音楽の時代を生きながらいろいろなジャンルの作品を描き上げた。しかしやはり、調性のある美しいメロディーを残し続けたいと願っていた。この曲にはそんな彼の意思を伺うことができる。

わたしがどうしてプーランクをあまり聴かないかというと、「フランス的」すぎるなあと思っていたからである。軽くて華やかなパッセージが多い印象だったのであまり好きではなかった。しかし、この曲を聴いたときに、なんだか彼を以前より少し理解できた気がしたのだ。すこしだけ内面に触れた。その作曲家を知るためには、より多くの作品を聴くべきだと改めて感じた。

(とにかく、とっても素敵な作品です)

ちなみに、「メランコリー」とは憂鬱な気分のことを現す精神学用語で、フランスロマン派作品のタイトルに多く使われている。

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