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平和の祈りを込めた作曲家、ペンデレツキを聴く ための日#26

今日にぴったりな、今日の音楽を紹介

クルシュトフ・ペンデレツキ(1933-2020)/  広島の犠牲者に捧げる哀歌

75年前の今日は、日本国民が国営ラジオで自分たちの降伏を知った日。つまり終戦の日。実はこの日に急に決まったことではなくて、お偉い人たちの間でドイツ・ポツダムでは終戦に向けた話し合いはずいぶん前から進められていた。
しかしなかなか、うまくまとまらなくて、そんな中の8月の原爆投下。これを決め手に一気に事は進んだのだ。いつの時代も(いまのこと)話し合いというのは、どうしてそんなに長引いてしまうんだろう。取り返しのつかないことになるまで、わたしたちはまだ気づけずにいる。お偉い人たちにしかわからない、難しさなんだろうか、戦うのはわたしたちよ。

平和の祈りを込めた作曲家、ペンデレツキを聴こう

今年の4月8日、作曲家のペンデレツキが亡くなった。
現代作曲家であり指揮者であった彼ほど、ヒロシマの平和を強く願っていた者はいないだろう。戦争真っ只中のなかポーランドに生まれた彼は、生涯をかけて「平和」を願った。日本に何度も足を運んでいた、とりわけヒロシマへ。
彼の作品のなかでも特に人気のあるものが、今回の曲。

「広島の犠牲者に捧げる哀歌」である。密集した52本の弦楽器がそれぞれ別の音を出す、という作風である。まさに現代音楽、といった感じで譜面ズラもすごい。

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はじめて聴くと、タイトルからも感じ取れるがものすごく不気味で怖い。
”音楽の聴き方”の概念を変えてしまうような、覆してしまうような。
しかし実はこれも現代音楽における古典的作法のひとつである。すごいなあ

それから作曲当初は、別のタイトルがついていたらしい。たまたま完成後に「原爆ドキュメンタリー」というものをテレビで見て、心を打たれてタイトル変更をしたそうだ。結局このタイトルで有名になり、彼の音楽は遠く離れたわたしたちの国にまで届いたのだ。

それでも、この音楽には戦争に対する悲痛の想いや叫びを感じられずにはいられない。

実際に演奏している姿が観れるので、こちらのオケで。

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