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僕はLGBT。女から男に性別を変えて生きているFTMトランスジェンダー鈴木優希41歳。

生まれた時の名前はお父さんがつけてくれた「英理子」という名前だった。

仕事場は夜の街。
地元名古屋の錦三丁目に僕の店Venusはある。
経営者と言っても僕もまだ若いスタッフ達と一緒に店に立ってお客様の接客をさせて頂いている。

41歳。昼夜逆転の生活。体力と気力の限界を感じる毎日。
この二年はウイルスに翻弄され時短や休業を余儀なくされた。やっと通常営業出来るようになった今。
だからこそ「今やらないと」「やれるときに」という思いでまたリスタート。
毎日をシャカリキに「やれる事を全力で」というスローガンを掲げて現場に出る毎日。

周年や誕生日などの稼ぎ時であるお祭りごとのイベント時はまさに闘い。
スタッフ一同休み返上で準備を重ね、営業時は明るくなるまでアスリートのような日々を送る。

反対された意味

僕が水商売に足を踏み入れた時、親は猛反対をした。

やっとの思いで、美容師の免許を取ったのに何で…。

あの落胆した母の顔は今でも覚えている。

「いつまでもやれる仕事じゃない」

若かった僕にその意味はわからなかった。

エリート公務員の父への反発。
父の真逆。
道を逸れることがカッコイイと思っていた。

人が寝ている時間に働く。派手なネオン、綺麗な女性に溢れる。一晩で大きなお金が動く。僕にはすべてが魅力的だった。

あれから15年・・・

今、あの時の父の言葉を実感。そして体感している。
身体のしんどさ。安定とは程遠い毎日。何年働いても何の保証もない。身体を壊したら終わり。
商品である「自分」が居なければ「収入」を得ることが出来ない仕事。

若い時は出会いもお金を得られる刺激的な毎日に。
こんなに楽しい仕事ってあるんだぁ!なんて思っていたのに。

第二の人生。

そんな事を考えていると、
野球選手の戦力外通告のテレビ番組がよぎる。

自分のやりたいこと。好きなことが出来なくなった時に何が残るのか。

まだやれる!そんな気持ちと裏腹に無理が効かない身体を天秤にかける毎日。

経営者である僕は誰かに戦力外通告をされることはないけど、それでも不安なのだ。
お客様にこれまで以上のサービスを提供できるのか?パフォーマンスは落ちていないか? 

自分はどこまでやれるのだろう。そしてその先に何が残るんだろう。

この仕事が大好きだからこそ他の事が考えられない。

出来ればいつまでもしがみついていたいけど、お客様に迷惑はかけたくない。
良い時にカッコよく幕引きが出来たらいいだろうけど、僕には到底山口百恵や安室ちゃんのようには出来そうもない。

今居てくれる若いスタッフもやがて僕と同じ思いをする事だろう...
その時僕はどんな道を見せてあげれるだろうか。

「自分らしく生きる場所」をテーマにVenusを作った。
若い時はそれで良い。でも歳を取った時も果たしてVenusはLGBT、セクシャルマイノリティの為の居場所となるだろうか。

まずは僕が見つけないと。
この先の自分らしくやりがいのある働く場所。働き方を。

※2022.3.12(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第6回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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