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私から僕と言えた日。

僕はLGBT。生まれた時は「女」今は「男」の戸籍で生きるFTMトランスジェンダー。鈴木優希。
1980年生まれ 名古屋出身。

仕事は地元名古屋で同じ性別違和を抱えて生きるLGBTQ当事者を主に採用した飲食店を経営している。

物心ついてからずっと心は男だった。

でも見た目が、身体が、戸籍が女だから、当たり前に僕は「英理子」だった。

女の子らしさ。女とはこうあるべき。そんな昭和の時代背景もあり、「わたし」と自分の事を呼んだ。

違和感、嫌悪感はあったけど、「俺」とか「僕」なんて人前で言う勇気もなかった。心の中で「俺」と呼んで架空の人物を作って男の姿を空想していた。

僕と呼べた日

「俺」というキャラではないから今でも「僕」と呼んでいるが(笑)
はじめてそう呼べたのはこの仕事を始めた時!

ではなく...。

僕はこの夜の世界「水商売」は女として入ったからずっと「わたし」で居なければならなかった。自分で自分をこじらせていた時期だ。

女。ホステスでいる事に限界を感じた僕はカミングアウトして次のステップに進む。
これで「自分らしく生きれる!」そう思ったけど、いくら男っぽくしても、ホステスをしていた店の系列店だったのでやはり求められるのは「わたし」の自分だった。

貫く自信もなかったから長くそんな時期を過ごした。

「僕」

はじめて言えたのは独立して自分の店Venusを持った時だった。
その時もホステス時代のお客様もいらしてくれたのでなんだか恥ずかしかったけど、「オナベバーVenus」と開店したからこそ覚悟が決めれたんだと思う。

最初は照れ臭かった。でもとても嬉しかったことを今でもはっきりと覚えている。

やっと自分になれた。

そんな気がした。

その時、鈴木優希 26歳。長い時間がかかった。

わたしから僕。

呼び方ひとつで僕は自分になれたんだ。

昭和後半、平成世代は?

先日、Venusと系列店の撮影でスタッフが集まった。
LGBT、FTMに関することをテーマに毎週木曜日に配信しているVenusのオフィシャルTickTock。
その時のテーマが「自分の事なんて呼んでますか?」だった。

スタッフはみんな僕より年下。一番下は平成8年生まれの26歳。

みんな「僕」と自分の事を言っているのはもちろん知っていたが、
「いつからそう呼んでますか?」の質問の答えがとても意外だった。

それはみんな同じ回答で、「この店Venusで働いたからです。」だった。

僕の世代とは違いLGBTに対してもっと開けた時代を生きた彼らも、
僕と同じ答えだったことに驚いた。

いくら男っぽくても、僕たちは「女」を生きてきた。生きるしかなかった。
時代が変わっても、変えるキッカケが難しいのは同じなんだと知った。

キッカケ

それは自分で作るモノで、そしてそれは自分で考えているよりもずっと簡単だ。

意外とすんなりと変われるし、その変化も人は案外認めてくれる。

自分らしさを取り戻そう!

名前を変えるだけで、呼び方を変えるだけで、服装を変えるだけで、

人生が「楽しく」なる。

自分を抑えて、自分に嘘をついてこの貴重な人生の時間を過ごすことは辞めて欲しい。

キッカケを探してみよう!
きっとそれはすぐそばにある。

2022.7.19(火)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第10回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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鈴木優希のセミナー活動関連のお知らせ、性同一性障害のお子様を持つ親御さんへのメッセージなどLGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトもご覧いただけたら嬉しいです。そしてコメントもお気軽にお待ちしています。








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