書評:『良心をもたない人たち』
驚くべき数値である。アメリカの人口の約4%が「反社会性人格障害」ー別名「社会微病質(ソシオパシー)」「精神病質(サイコパシー)」ーだと言われている。二十五人にひとりの割合だ。
ソシオパス、ソシオパスと聞くと、どうしてもハリウッド映画で大ヒットした「羊たちの沈黙」のレクター博士を思い出す。しかし、この本で書かれているのは、身の毛もよだつ殺人鬼の話ではなく、家族や友人など周りの人たちを傷つけても何とも思わないような人のことだ。
『良心をもたない人たち』では、心理セラピストである筆