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真っ白なフランスの家庭料理、ブランケット・ド・ヴォー

日月がウィークエンドな我が家。お疲れ土曜日はがっつりフレンチごはんのお話をしよう。

ポロ塩とんこつカプレーゼを作った日(木曜)の夜ご飯に作ったのが、このブランケット・ド・ヴォー仔牛(veau: ヴォー)のクリーム煮だ。

気付いたら最近ラーメンとかカツとか丼とか和モノに偏りつつあったので、がっつりフレンチを久しぶりに作ってみようかなという気になった。・・・という建前で、本音はスーパーで仔牛が若干お買い得っぽい値段だったからという理由なのだけども。


このブランケット・ド・ヴォーは、フランスを代表する家庭料理のひとつだ。

私のnoteで毎度お馴染み、「日本のパリ」こと東京都は西の府中にて日々世界料理の研究とスーパー主婦ぶりを発揮していらっしゃるケイチェルおじどのが、以前作られていた一皿がこちら。ヴォーじゃなくてボークだけど、限りなく近縁な親戚の一皿だ。もう半年以上前にもなるのか〜。

もうこの記事の中にブランケット・ド・ヴォーとはなんぞやなどの情報が集約されているうえ、さすが世界料理研究家、ウクライナ料理やセネガル料理にまで視野が広がり、さらにはフランスの文豪エミール・ゾラまで登場する博識ぶり。とにかくブランケットをアツーーーく語って下さっているので、みなさん是非こちら必読ですよ。


ちなみに私は日本のクリームシチュー、俄然パン派なのだけれども、シチューに飽きたらカレールーを入れてカレーシチューにしてごはんにかけて食べていた。

すでに絶版のようだけど、『カレーシチューはうめえぞ』というちょうど生まれ故郷のあたりが舞台の本をよく読んでいたので、それがきっかけなことは自明。


そういえば、前のパリ長期滞在でも夜な夜な作っていた。
写真の日付をみると2017年なので俺は2歳。若いねえ。カット仕立てか?整ってるぅ。

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このときのブランケット・ド・ヴォーも美味しいは美味しかったんだけれども、簡単レシピで作ったからかソースが真っ白じゃなくて若干茶色がかってしまったのが納得いかない。

先ほどのケイチェルおじどのの記事にも、こう書いてある。


英語のblanketは「毛布」だけど、フランス語のblanquetteに毛布の意味はない(仏語で毛布はクーベルチュール[couverture]という)。もともとは「白」という意味の仏語の"blanc"に指小辞-etteが付いたものらしい。つまりは「ブランケットという料理は白いもの」ということは言えそうだ。

その通りだ。白くなくてはいけない、ブランケットは

ということで、今回は真っ白なブランケット・ド・ヴォーをめざそう。


フランスの料理はなるべくフランスのサイトで作ってみたい欲。
ただし、ご近所で人気者のミクニシェフは面白いし美味しそうだから例外。

今日は検索上位で一番真っ白だったこちらの動画のブランケット部分を参考にしつつ、なにせ調理開始が18時くらいなので時間もそこまでないので、ところどころ端折ったり思いつきで足したりしていこう。


・仔牛は400gいかないくらい。いいダシがとれるかなと思って骨つきも混ぜた。

・ブイヨン用の野菜は玉ねぎ、にんじん(もう一本足した)、ポワロー(ネギ)、セロリの葉っぱ、うつってないけどハーブ(ローリエ、タイムなど)。クローブがあるとなおよし。

・別で調理する具はカブのように見えて巨大なシャンピニオン(マッシュルーム)と玉ねぎ(本当はペコロスという名の小玉ねぎがいいけど玉ねぎが大量にあるので今日はこちらで)。

・ソース諸々に使うのは、バターと小麦粉、クレームフレッシュエペス(固形状生クリーム、普通に液状のものでもOK)。ポイントはレモン、うつってないけど卵黄。あとナツメグも。

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まずは仔牛を適当な大きさに切って、鍋に入れ、水をひたひたちょい多めくらい入れる。

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中火でコトコト火を入れて、アクをとりつつ3、4分ゆでこぼす。

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にんじん、ねぎ、玉ねぎとともに下処理した仔牛をいれて、タイムとローリエ、セロリの葉をいれたお茶パックと水を入れる。
本当は臭み取りのためにクローブを玉ねぎに刺していれるようにあるけど、あいにく準備してなかったので、ナツメグを少々入れた。

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沸騰させないようにじっくりコトコト1時間くらい煮込んでブイヨンをとる。
その間にダッシュで一瞬俺散歩をしたりシャワーを浴びたり。

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1時間後、上の写真のようにくたくたになったらシノワでブイヨンを濾す。もっとコトコトしてもいいかもだけど、HARA HETTAを連呼する人が帰ってきたので急ぎ気味で。


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胃に染み渡る系のブイヨンができた。ちなみに本体に仔牛はもちろん使うけど、野菜は使わない・・・のは勿体無いので、にんじんは本体にも使っちゃおう。


次、本体の具を準備。鍋にたっぷりバターとレモンを熱して、6等分したカブに見えるマッシュルーム、ざく切りにした玉ねぎ2分の1個、塩・砂糖をひとつまみずつ加えて火にかける。

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火が通ってきたら白ワインをまわし入れてアルミホイルで落とし蓋して、弱火〜中火くらいで玉ねぎがくたくたになるくらいまで。業界用語的にはグラッセするとでもいうのかしらね。

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本体最後のステップ。真っ白ソースづくり。

ソース・ベシャメルを作るのと同じ容量で、バターを溶かす。

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小麦粉を加えて絶えず木べらで混ぜ続ける。
先ほど作ったブイヨンをおたま2杯くらい、塩とナツメグを加えて真っ白なとろとろ状のソースに。

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次に、クレーム・フレッシュ・エペス100gくらいと卵黄1個分をボウルにいれて混ぜる。noteご近所の方々が興味津々だった固形状のクレームフレッシュはこんな感じざます。

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クレーム・フレッシュと卵黄を混ぜ合わせたものを先ほどの白いソースに加え、さらに少々のレモン汁と玉ねぎとマッシュルームをグラッセしたときのジュ(煮汁)を加える。なぜかこのあたりの写真がない。

最終的にはこんな感じに。卵黄入れても白さが保たれている。万歳。

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本当は具を盛り付けてソースをかけるという手法なんだろうけど、ここにきて素人は最後に具をぶち込む。

仔牛とブイヨンをとったときのにんじん、グラッセしておいたたまねぎとマッシュルームをジュとともに真っ白ソースに加え、味を整えたら本体完成。

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付け合わせ?もちろん米ですよ!

我が家にあるのは細長系米のサラっともっちり系カンボジア米、もっちりもっちり系なジャポニカ米なので、今日は前者にて。

米が炊き上がったら、春らしくお花型で形取ってみよう。
我が家のごはんにしょっちゅう登場するこのお花型は、Otto氏と築地場外に行ったときに氏が買ってくれたもの。こういうのがすぐに手に入る日本で爆買いしたい欲に駆られて仕方ない。

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Otto氏には2輪、私は1輪の白いお花を咲かせて、周りに真っ白なソースをまわしかけたら出来上がり。
これは合格点な白さでしょう!

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構成材料でおわかりのように、濃厚で美味しい〜!
けど、レモンの酸味のおかげか、こってりしすぎず。
望郷の念が蓄積している昨今だけど、たまにはがっつりフレンチも悪くないな。

そして、ブイヨンをとった野菜、捨てるのもったいないからにんじんは入れたほうがいいな、色合い的にも。ちなみにネギ系は味噌汁の具に。脱・食品ロス!!


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2輪の白い白米花をぺろっと平らげ、翌日のObentoとして用意したところ喜んで完食して帰ってきたOtto氏のコメント。

「最初はバゲットが必要なんじゃないかと思ったけれど、このブランケットのソースには米合わせが素晴らしかったから、最終的にバゲットは不要だった」と。

おやおや、パンの国の人にも米OK認定されましたよ(わー、パチパチ👏)



4年前、ブランケットデーの俺ショット

鏡よ鏡、世界で一番イケてる犬はだあれ??

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