結局、「ネイティブアド」って何なのさ|今日のマーケティング用語
Webマーケティングを社内で取り組むと決めた時、実施する施策として必ず候補に出てくるのが「広告」です。
そして、インターネット広告について調べていると現れる「ネイティブアド」という単語に「ネイティブ…アド?それはどんな広告なの?」「え?新しい広告手法?なにそれ?」と悩まされるWeb担当者の方も少なくはないでしょう。
本記事では「ネイティブアドってなんぞや」という疑問を解消するべく、深く掘り下げて解説させていただきます。
ネイティブアドは「自然に溶け込んだ広告」という概念
ネイティブアドとは「広告を広告と思わせずに、掲載面に自然と溶け込ませること」という概念を指す言葉です。コンテンツの一部として広告に触れてもらうことがネイティブアドの目的で、そのために行うべき取り組みを意味します。
つまり、ネイティブアド(ネイティブ広告)は広告の手法ではなく、概念の一つという位置付けになります。
コンテンツとして広告に触れてもらうために、記事広告やインフィード広告のような広告フォーマットを利用しますが、ネイティブアドはそれらの広告手法を活用して実現したい理想の状態のことです。あくまで概念のため勘違いしないように注意しましょう。
従来の広告との違い
従来の広告は掲載されているサイトとは「切り離されたコンテンツ」を提供していました。景観に馴染んでいない看板のようなもので、いわば異物です。
ネイティブアドの考え方は「配信する広告を掲載先のメディアに溶け込ませること」なので、配信方法はもちろんのこと、デザインも馴染んでいることが特徴です。また、ネイティブアドは必ず『広告である』ということを明記しなければいけません。
仮に広告であることを隠してプロモーションを行なってしまうと、それは『ステルスマーケティング』に当てはまり、トラブルの元となってしまいます。
※ステマ自体は日本では違法ではありませんが、ブランドの信用を落としてしまう行為です。法的責任はありませんが、インターネットが発達した昨今ではバレる可能性の方が高いので、ハイリスク・ローリターンの手法となっています。ステマ、ダメ、ゼッタイ
ネイティブアドを実現する広告フォーマット
■インフィード広告
参考:AllAbout
インフィード広告はメディアサイトやSNS(FacebookやTwitterなど)で利用されている配信プラットフォームで、コンテンツとコンテンツの間に表示される体裁の広告です。
リンク先に設定してあるページもチラシのようなLPではなく、同じ体裁の記事型広告に遷移させる傾向にあります。
配信枠のある媒体と同じデザインで広告を表示するため、ストレスを与えることなく広告表示できるのが特徴です。
※インフィード広告の肝は「サムネイルのデザイン」と「タイトルの付け方」だけではなく、配信したいターゲット設計も重要です。誰に配信するかで成果が大きく変わるので、ターゲット設計は『えいや!!!』で決めないことがオススメです。
■リスティング広告
参考:Google検索
検索結果に表示されるリスティング広告もネイティブアドの一種です。検索結果と自然に馴染んでいるので思わずクリックしてしまった方も多いのではないでしょうか。
リスティング広告は検索エンジンに対して広告を出稿するため、基本的に GoogleやYahooです。Webマーケティングでは基本中の基本となる広告なので必ず覚えておきましょう。
※リスティング広告は出稿するKWの精度が重要です。検索意図を読み取りながら、見込み確度の高いKWを狙い撃ちすることでクリック率増加が狙えます。また、訪問したユーザーを成約に向かわせるためのLPも重要のため、リスティング広告は一度配信を開始したら常に微調整を繰り返していく、根気が試される広告です。
■レコメンドウィジェット型
参照:msnニュース
ニュースサイトでよく見かけるレコメンドウィジェット型の広告は、ユーザーの行動に合わせて「こちらもオススメですよ」と広告を紹介する形態を取っています。
一見すると広告に見えないほど溶け込んでおり、表題やサムネイル画像によってはストレスを与えることなく配信することが可能です。
※サムネイルとタイトルが重要なレコメンドウィジェット型ですが、こちらも例に漏れずターゲティング設計が大切です。また、配信先のページのコンテンツがサムネイルとタイトルから連動される内容になっているかが問われます。
■プロモートリスティング型
参照:Amazon
ECサイトにて導入されていることが多いプロモートリスティング型ですが、高い成約率を誇るとして重宝されています。
特に大型ECサイトで広告枠を提供している傾向にありますが、上手く機能すると、高い訴求力を持つため大変オススメな広告と言えます。
※購入に最も近い領域で配信される広告のため、出稿時はより高い制度のターゲティングやセグメンテーション、ポジショニングの設計が求められます。
■ネイティブ要素を持つインアド型
参照:食品新聞
コンテンツ連動型の要素を持ち、メディアが用意した独自の広告枠に掲載されたバナー広告を指します。
インアド型の広告も通常の広告よりも関連性が高い内容のため、訴求力はありますが、デザインに関しては溶け込ませることができない独自のものなので、警戒されてしまうことも珍しくありません。
※インアド型の広告こそターゲティング設計が最重要です。また、該当のサイトにくると想定されるユーザーは誰なのか目星をつけることが成果をあげる重要ポイントになります。
■カスタム型
参照:mofuya/LINE
カスタム型(その他)の広告は上記のフォーマットに当てはまらないもの(独自のフォーマット)を指します。
代表的なのはLINEスタンプの企業広告や、オウンドメディア内で広告として掲載される記事広告(配信先のメディアのデザインで掲載される)です。
カスタム型は基本的に上記の手法を独自フォーマットに当てはめるため、出稿する時は自社のサービスや商品との相性が最重要です。闇雲に配信しても成果は得られないので注意が必要ですが、カチッとハマると高い成果が期待できます。
※記事を出稿する形で枠を提供しているメディアも多くありますが、出稿先の選定する時は「どれぐらいのPV数が見込めるのか」はチェックしましょう。
自然に溶け込ませるためには細かい調整が必要
ネイティブアドを実現するためには「なんだよ!広告じゃん!」と思わせないクリエイティブと、不快に思われないターゲットに対しての発信が最重要となります。
インターネット広告を扱うときに、ターゲット設定を広く取りすぎてしまうことは悪手に回ることの方が多く、適切な層にだけ配信する方が費用対効果の高い配信ができます。
しかし、「あわよくば」の精神で欲張ってしまい結果的にブランドイメージを下げてしまうのが広告配信の難しいところです。
また、クリエイティブへのこだわりも「お金をかけたくない」という思いから予算を割かないことは多く見られます。ただ、この「なんとかして売れればいい」は現代ビジネスでは時代遅れの考え方になりつつあり、マーケティングを投資としてマインドをシフトしなければ成果を得ることは難しいでしょう。
ネイティブアドを自社の広告配信で実現したい時は「クリエイティブ」「LP」「配信設計」「目的別配信先の選定」について本気で取り組むことが大切です。
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いいですか、本気ですよ!!!!!!本気!!!!!
「なんとなくいい感じにこの予算で沢山CV獲得して〜〜〜」は無理です。不可能です。2000年代前半ならまだしも、デジタルが当たり前になった2021年にその考え方は無理なんです。
ネイティブアドは確かに素晴らしいコンセプトですが、実現するにはかなりの努力と投資が必要なので、実現を目指すなら覚悟を持って取り組みましょう。
あと、広告配信をするのであれば「誠実さ」は絶対に忘れてはいけません。邪悪にならないように気をつけましょう。
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【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い
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Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
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