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SNSマーケティングの視点からサウナブームを考える

爆発的なサウナブームが到来し、今最も熱いニューカルチャー「サウナ」

2011年にタナカカツキ先生による「サ道」が発刊したことを皮切りにサウナに関連する紹介記事や著名人のサウナ好きを公言することでサウナへの注目度が上がっていきました。

2016年辺りからサウナブームという言葉が使われじめ、2017年、2018年とサウナに関するコンテンツがどんどん増加していき、2019年のドラマ サ道の爆発的ヒットによってサウナブームに完全に火がつきました。

前回<SEOの視点から考える21世紀のサウナブーム | 【なぜサウナブームは起きたのか?】>でサウナブームの歴史を紐解き、Google検索のトレンドから「いつ」「どのタイミング」でサウナブームは起きたのかを分析しました。


本記事ではサウナブームのもう一つの立役者である「SNS」をテーマに掘り下げていこうと思います。

サウナブームを引き起こしたのは「SNS」の力が大きい。

ソーシャルワイヤー株式会社による「サウナ」に関するTwitter投稿の調査、分析結果より、2019年からサウナに関する投稿は増加傾向にあり、ドラマ サ道の放送されたタイミングで銭湯を抜いて投稿されるようになった傾向にあると報告されています。

「サウナ」が含まれる投稿が前年比の約170%増加し、サウナブームに火が付いたタイミングと言えます。

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2019年の7月〜9月はGoogleの検索でも「サウナ」の検索件数が急増したタイミングと重なり、Google検索+SNS投稿で両方ともに爆発的に増加したことになります。

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また、調査期間で最も1日当たりの投稿数が多かったのは3月7日の2,857件で、「サウナの日」として多くのイベントが行われた日とのことです。


また、SNSの投稿で使用されたハッシュタグの投稿数は2019年は「サ道」が最も多く、ドラマ サ道のブームがSNSの投稿からも見て取れます。

「ロウリュ」「水風呂」が2位3位と投稿数が多いこともサウナに通うことでサウナを楽しむ要素が注目され投稿数が増えたと想定されます。

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SNSによるサウナブームの構造に関しては、マーケティング会社のトライバルメディアハウスさんがTwitterの登校傾向から考察した<Twitterで考察! サウナブームの構造>はマーケティング専門会社ならではの視点で分析されており、一読の価値ありです。


プロサウナーによるサウナの布教活動

TwitterにおけるプロサウナーのSNS開始時期
2007年:タナカカツキ
2009年:ヨモギー、熱波師匠、池田晶紀
2010年:サウナ王
2011年:濡れ頭巾ちゃん、サウナクレイジー
2012年:JSNA日本サウナ熱波アウフグース協会
2014年:井上 勝正(熱波師)
2015年:日本サウナ総研

2007年にサ道の作者タナカカツキ氏がTwitterを開始し、早い段階からサウナについてツイートを開始しております。

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※2020年12月時点に確認できるタナカカツキ氏最古のサウナ関連のツイート


「サ」とサウナを略した言葉を使用するタナカカツキ氏の最古の「サ」を使ったツイートは2007年11月5日のツイートです。

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また、サウナーにとって超重要人物ことサウナの伝道師「蒸しZ」について2007年11月9日に歴史的ツイートをしております。

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2009年から2011年にかけてSNSを通じてサウナに関してのツイートをプロサウナーが投稿を行い始めました。

サウナの啓蒙活動を行い多くのサウナーを生んだ有名サウナー「ヨモギー

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サウナ界を進化させ続けているキングオブサウナこと「サウナ王

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ととのいの生みの親にして現代サウナ氏の最重要人物「濡れ頭巾ちゃん

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※2020年12月時点で確認できる最古の「ととのった」を使用したツイート


有名サウナーたちのSNSによる啓蒙活動はサウナへの興味関心を起こすきっかけとなり、現在の爆発的な状態を生み出していると思うと感慨深いものがあります。

また、有名サウナー同士やサウナ施設との交流が生まれ出し、SNS上でサウナコミニティが発生し後のサウナイベントや関連書籍、サウナ施設の誕生へと繋がっていきます。


サウナ施設のSNSアカウント開設時期
2011年:サウナ&カプセルホテル北欧、スカイスパYOKOHAMA、ウェルビー
2012年:サウナ&カプセル ニューウイング
2013年:ニュージャパンスパプラザ、カプセル&サウナ ニューセンチュリー
2014年:おふろcafé utatane
2015年:新宿天然温泉 テルマー湯、二コーリフレ

2016年:ザ ベッド&スパ 所沢、湯らっくす、SaunaLab、タイムズ スパ・レスタ

2017年:草加健康センター、マルシンスパ、サウナ レインボー、ゆ家和ごころ 吉の湯、金春湯、サウナ&カプセル アムザ、神戸サウナ&スパ、神戸クアハウス、ひだまりの泉萩の湯

人気サウナ施設のSNSアカウントの開設時期を見てみると2017年以降からアカウントを開設する傾向にあります。

2020年時点では多くの施設がSNSアカウントを開設をし、サウナ室の混雑状況やサウナ関連のイベントに対して投稿をするアカウントが多いです。

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サウナ利用者との交流もあり、ファンの獲得や新規利用者の獲得にSNSを活用している動きが見られ、サウナブームが爆発的に広まったポイントに「SNSによるサウナ情報の発信」は高い影響力を持っていると思われます。


SNSによる有名サウナーの啓蒙活動

業界人や芸能人によるサウナ情報の発信もSNSを通じて行われ、各Webメディアによってインタビュー記事やYouTubeなどで発信が行われました。

それによりサウナの認知は広まり、多くのフォロワーを生み出しました。

サウナブームの立役者の一人であるオリエンタルラジオの藤森慎吾氏はSNSを通じてサウナに関する投稿を行ってきました。

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こうしたサウナに関するツイートがリツイートにより広がっていき、サウナへの関心を集めていきました。

藤森慎吾氏は後に「サウナしきじ」のオフシャルブックでインタビューが掲載されていたり、多くのサウナ関係のメディアコンテンツに登場するようになります。


大人気サウナ番組「サウナを愛たい」のメインパーソナリティであるヒャダイン氏もSNSを通じてサウナに関するツイートをしています。

自身のブログでサウナ好きを公言し、サウナ記を連載することでファンを中心にサウナの啓蒙活動を行いました。

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SNSを通じてサウナに関する発信をすることで「サウナ」が拡散されていくことで少しずつサウナへの関心が増え、芸能人がインフルエンサーとなって関心を抱く人が増加していきました。


女優として活動しており、サウナイキタイのモデルとしても有名な清水みさと氏もまたSNSでサウナについて投稿をしファンと交流をしています。

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芸能人が「サウナが好き」と公言し、サウナに対して発信を行うことでサウナ関連のコンテンツを手掛けることでサウナの魅力が多くの層に広まり、ブームの火付け役の一つとなりました。

SNSの持つ「コミュニケーション力」と「拡散性」に「サウナ」が掛け合わさり、一気に広まったと言えます。



サウナ施設の関係者による情報発信

SNSの活用はプロサウナー、芸能人、サウナ施設だけでなくサウナ施設で働く従業員の発信もサウナブームを支える要因となっています。

サウナ&カプセル ニューウイングの支配人の吉田氏や、実家がサウナの聖地「しきじ」の娘でブームの仕掛け人でもある笹野 美紀恵氏など施設側の方が個人でSNSのアカウントを持ち、施設のみならず自身もブランディングしタレント性の高いサウナ情報の発信を行っています。

自身のタレント性が上がることで施設だけでなく関係者へのファンも生まれ、施設への集客に繋がります。

結果的にサウナブームにおいて「サウナ体験」や「サウナ施設」だけでなく「サウナ施設の支配人・従業員」にファンが付き、根強く愛されることになり、サウナカルチャー自体が深く根付いていきます。

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サウナ活動の記録を発信することで広がるコミュニティ

サウナブームはプロサウナーの方々や芸能人、サウナ施設によるSNSでの啓蒙活動がブームを引き起こした要因であることは間違いありませんが、あくまで氷山の一角にすぎません。

彼らの活動に影響を受けた多くのサウナーによるサウナ体験の発信と口コミ効果もまたサウナブームが爆発した要因となります。

SNS上で自身が行ったサウナ施設に対して「サウナ活動」を発信することで口コミ効果を生みサウナへの関心度合いが広まったと考えられます。

特に高い効果をもたらしたのは<日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」>と<サウナ専門の口コミメディアサイト「サウナタイム」>が持つ「サ活投稿」の機能です。


例えばサウナイキタイでは自身のアカウントから「その日のサ活」を記録することができ、記録したサ活を共有することができます。

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共有することでタイムラインに自身のサ活が掲載され、交流が生まれる仕組みとなっています。

また、SNSでシェアすることもできるためサウナイキタイ以外のSNSで交流を持つこともあります。

SNSを通じて全国のサウナーと繋がれるという環境はコミニティが生まれやすくなり、サウナを通じて新たな人間関係の構築が行われることで「居心地の良い空間」が生まれます。

サウナの持つコミニティ性について考える」にも書きましたがサウナの持つ「交流」という一面はサウナーの交流を生み、結果的にカルチャー自体に自身が染まっていきます。

SNSによって関係性が持ちやすくなりコミュニティーが多く生まれたことでサウナブームは個人だけのものではなくなり、多くのサウナ好きの集団を生み、独自に発展と拡散をしていきます。

その結果、入り口が広くなり、サウナに興味を持った人がサウナに行きやすい環境が構築されていったと思われます。


まとめ:SNSのよってサウナブームは爆発を起こした

サウナブームは突然発生したのではなく、長い時間をかけて少しづつ興味関心の輪が広がり、有名サウナーや芸能人による発信、サウナ施設からの情報提供、口コミやSNSのコミニティーによる拡散で広がっていきました。

また、多くの情報が発信されていたことで入り口が広くなり、サウナに行きやすい環境になっていることもブームが起きた理由となります。

ブームとして爆発をしたのは「ドラマ サ道」の大ヒットであることは間違いありませんが、それ以外にも多くの要因が複雑に絡み合っており、その根っこにはSNSによる「交流」と「拡散」があります。

サウナはカルチャーとして根づき、今後もSNSを中心に情報が発信されることで発展していくと思われます。

また、SNSの力を上手く扱えれば全国の温浴施設を発展させることや、地域そのものを発展させることにも繋がるはずです。

サウナカルチャーが今後も発展できるように、上手くSNSと付き合っていくことが大切です。


本記事では<SEOの視点から考える21世紀のサウナブーム | 【なぜサウナブームは起きたのか?】>に続いてサウナブームの構造について独自に分析してみました。


構造を知ればよりサウナが楽しくなること思い調べましたが、結果としてサウナにすごく行きたくなりましたし、先人の方々による啓蒙活動に感謝と尊敬の念を抱きました。

これからも良きサウナライフを共に過ごせたら幸いです。




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