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5つのキーワードから見るBtoBマーケティングのトレンド

変化の激しいビジネスの世界において、トレンドを理解しておくことはマーケティングに携わる者にとって必要不可欠です。

本記事ではBtoBマーケティングを起点に5つの重要性の高いキーワードをピックアップし、それぞれの用語解説と特徴について紹介しています。

ビジネス活動における何かしらの参考になれば幸いです。

① カスタマーサクセス

カスタマーサクセス(Customer Success)とは直訳すると『顧客の成功』を意味する言葉で、ビジネスにおいて顧客が提供しているサービス・商品によって『問題解決』による成功体験を提供するものとして使用されます。

顧客体験(CX)の最大化を目指し、LTV(顧客生涯価値)を伸ばしていくための重要概念として注目されています。

似た言葉に『カスタマーサポート』がありますが、大きな違いとして受動的なサポートか能動的サポートかに分かれます。

カスタマーサクセスは顧客の成功体験を創出することを目的としているため、能動的に顧客と接点を持ち、問題点の改善に努めます。

対してカスタマーサポートは顧客から提示された問題に対して迅速に対応することが求められ、受動的なサポートとなります。

新型コロナウイルスの世界的な大流行もあり、多くの業界で重要性が注目されており、BtoBビジネスでも顧客成功を生み出すための取り組みを実施している企業が増加しています。

特に収益モデルとして『サブスクリプション』を採用しているサービスやSaaS系のサービスは継続して利用してもらうための仕組みとしてカスタマーサクセスは欠かせないものになりました。

『所有』から『利用』の時代へと移行しているのは消費者だけでなく、BtoBも同じです。いえ、BtoBの方がより一層『利用』の考えの方が大きいでしょう。どのようなサービスも成果が出なければコスト削減の対象です。今後それがより謙虚に出るようになっていくことでしょう。

BtoBマーケティングにおいて、カスタマーサクセスの考え方を抜きにして活動することは難しく、マーケティング活動のKPIも『新規獲得による利益』よりも『既存顧客のLTV最大化』にシフトしています。

カスタマーサクセスはBtoBマーケターにとっても必ず押さえておきたい最重要項目なので、常にチェックしておくことが大切です。


② ハイパーオートメーション

ハイパーオートメーションとは『RPA』『AI』『機械学習』といったデジタルテクノロジーを屈指してソフトウェアを横断した『完全なる自動化』を実現する概念と技術のことです。

現在の自動化におけるプロセスはRPAやAIを活用したソフトウェアを導入し、業務単位で設計を行うことで自動化を実現していました。

ハイパーオートメーションはそうした壁を取っ払い、複数の業務に対して自動化をおこないます。そのため個人単位の業務効率化ではなく、業務全体の効率化が可能になります。

自動化をするには<発見、分析、設計、自動化、測定、モニタリング、再評価>というステップを踏む必要があり、それぞれ専門的な設計を行う必要がありますが、ハイパーオートメーションはそうした『自動化するためのプロセスを自動化する』ことが可能で、より高度なレベルで業務効率化が行えます。

人手不足やテレワーク化といった課題がある現代社会において、ハイパーオートメーションの登場はビジネスの活性化に大きく貢献します。

もちろん、導入には「業務全体の見直し」や「システム連携のコスト」など課題もありますが、うまく機能させることができれば、少ないチーム体制でも最大限のパフォーマンスを取りやすくなる業務環境を構築することができます。


③ コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングという言葉自体は目新しいものではなく、中には「古い概念じゃないの?」と感じている方もいるのではないでしょうか?

コンテンツマーケティングという言葉が登場したのは2000年前後と言われていますが、考え方としては遥か昔から存在し、その起源は紀元前まで遡るとも言われています。(適切なコンテンツを即した媒体で発信するという方法は壁画などにも当てはまると言われているため)

そして、この概念は2021年現在においても大変強力なツールです。

BtoBでは直接的な効果はもちろんながら、間接的に「信頼性」「安心性」「専門性」の向上に対しても効果が見込めます。

また、人材確保においてもコンテンツマーケティングは強力で、活用しないことで企業の存続の危機に関わることも大袈裟な話ではなくなってきました。

新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて、BtoBの領域においても急速にデジタルへとシフトしている中、情報収集は対面ではなく、完全にインターネットが起点が中心となりました。

つまり、継続的なコンテンツ配信を続けてきた企業はここにきて大きなアドバンテージを得たことになります。SEOはオワコンと一部囁かれていましたが、形勢は逆転し、今や検索は再度重要なチャネルとして脚光を浴びています。

発信できるコンテンツの種類も格段に増え、記事に加えて画像・動画・音声・アプリケーション・ライブ配信・SNSでのコミュニケーションと多種多様です。

発信できるプラットフォームも増加しており、どの媒体を選ぶのかもマーケティングにおいて最重要項目となっています。

そうした背景の中、BtoBでもコンテンツマーケティング(特にオウンドメディア)は再評価されつつある状態です。


④ ウェビナー/オンライン商談

新型コロナウイルスの世界的大流行が生み出した最も大きなトレンドの1つとして『ウェビナー/オンライン商談』が挙げられます。

これはコロナ以前にも注目されていた『ライブコマース』や『ライブ配信』『オンラインサロン』『テレビ会議』といった動画配信によるコミュニケーションが新型コロナウイルスの流行をきっかけにビジネス上のあらゆる部分で応用が始まったことで生まれた潮流です。

従来のセミナーや商談、会議などはオフライン上で行われる対面形式となっており、場所と時間の融通が効かず、双方にとって調整が必要になるデメリットがありました。実際に会うことができるメリットが大きすぎるので一概には言えませんが、全てのコミュニケーションが対面である必要性はありません。

そういったニーズがある中、コロナ禍による『対面の停止』はオンライン上でのコミュニケーションを一気に加速させました。

おそらく、この流れはコロナ以降の世界でも変わらないと思われます。人間一度楽な方法を覚えると、わざわざ非効率な方に戻らないものです。

また、グループウェアや社内SNS、チャットシステムなども急速に発展し、コミュニケーションそのものがデジタルに完全移行しつつあります。

そういった変化もBtoBマーケティングを進めていくにあたって考慮すべき要素の一つです。例えば商談は原則『オンライン』にすることで、時間や場所に縛られずに商談を行えるようになり、かつ双方の時間を奪われずに済みます。作業効率も生産性もともに向上が見込めるでしょう。

また、ウェビナーの開催を定期的に行える環境を構築すれば、リード獲得の手法として有効活用も可能です。


⑤ インフォグラフィック動画

インフォグラフィック動画とは「文字」や「数値」などの情報を図・イラスト・写真・アニメーションを使ってわかりやすく表現した動画を指します。

例えばYahoo! JAPANによる『マルチスクリーン時代 デバイスのいま』という動画ではインフォグラフィックによって難しいテーマを分かりやすく視覚的に説明をしています。

グラフや図表による数値の変化をアニメーションで分かりやすく比較することで直感的に情報を理解させることができます。

BtoBマーケティングにおいて『動画』の活用は既に重要視されていますが、その中でも適切に情報を伝えるためにはインフォグラフィックは非常に適した表現方法です。

手法そのものは珍しいものではありませんが、スマートフォンが普及している現代にマッチしていることもあって現在注目度の高い表現方法となっています。


BtoBマーケティングに取り組む

BtoBマーケティングは奥深く、様々な領域を横断する複雑で難しい活動ですが、うまく機能すれば大きな成果を得ることができます。しかし、そこに至るまでのプロセスは単純ではないため、挫折してしまう企業が多いのも事実です。

私自身、フリーランスのWebマーケターとして様々な業種の企業様とご一緒させていただいてますが、BtoBマーケティングは業界や業種だけでなく、企業の活動拠点や顧客の属性など様々な要素が複雑に絡み合うため、トライアンドエラーの繰り返しでマーケティングの土台を整えていくしかないと感じています。

すぐに成果が出るような魔法ではないため、根気も必要になる地道な作業の繰り返しの先に、マーケティング活動の成果は待っています。

本記事で挙げたキーワードは確かに重要度が高いですが、必ずしも現在抱えている課題を解決してくれる特効薬ではありませんのでご注意ください。

受け皿となるWebサイトやSNSのアカウントを育てていき、集客を行う中でリード顧客獲得のために様々なコンテンツを発信する。そして取得した顧客情報をもとに「顧客との関係性」を定期的なコミュニケーションで構築し、商談へとつなげる。この流れを作ることが最優先事項です。

その中の一つとして紹介したキーワードをうまく当てはめることで、今抱えている課題を解決し、大きな成果を生み出すことでしょう。

Webマーケティングにおいて、『どのように進めて良いのか分からない』『そもそも何が課題なのか見えてこない』『一旦誰かに相談をしたい』といったお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご連絡いただければ幸いです。

また、別件でも何かお仕事の依頼や相談したいことがございましたら、お気軽にご連絡ください。


主にWebマーケティングに関する情報を発信しておりますので、もし「面白い」「興味がある」と思っていただけたら「スキ」と「フォロー」をしていただけますと幸いです。

【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
   Webライター、Webマーケティングスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
   ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い

【連絡先】特技:和太鼓、フットワークが軽いメールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM

Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツール
のベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。

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