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これから学校や職場では新学期/新年度を迎えるシーズンですね。

地方出身の筆者は大学生となる新年度から一人暮らしを始めました。

新年度ネタを探していたら、こんな記事がありました。


 

記事にある通り、朝食を食べないと体重以外にも、筋肉量が低下する結果が出た、というもので、

先進国では若い人の3割程度が朝食を食べないとあります。

 

なるほど、現在の自分のライフスタイルを振り返ると、朝食はパンをかじるだけで終わらせているような・・・

小学校から高校までは、朝食の時間が十分にあって、
ご飯・味噌汁・主菜・副菜・・・というように、しっかりと朝ごはんを食べていたように思います。



 

ところで、現在の大学生は、実際に、朝食を食べているのでしょうか?

 

農林水産省が公表している「令和元年度 食育白書」(令和2年6月16日公表)の【特集】のなかで、「若い世代における食生活の現状」なるものを発見。

白書のデータによると、朝食を食べない(「週に2~3日食べる」及び「ほとんど食べない」)若い世代の割合が、2019年度の場合、25.8%とあり、
特に男性は31.5%だそうで、先ほどのネット記事の通りの数字です。

 

 

ただし、このデータは、20歳~39歳までの層を「若い世代」としているので、大学生というより、社会人ということになりますね。

そこで、白書を深掘りしていくと、「食事時間」というデータもありましたた。これは、年齢階層別にデータが示されており、「15歳~24歳」という括りがあるので、参考になりそうですね。

データをみると、「15歳~24歳」男子における1日の朝食平均時間は17分、女子は21分という結果で、先ほどの「若い世代」とされていた階層に含まれる「25歳~34歳」も同様に、他の年齢階層に較べて低い結果となっていました。

完全に「大学生」の年齢層に合致していないまでも、農林水産省の調査を見る限り、中学生~大学生(大学院生?社会人?)は、朝食に時間をかけない傾向にあるようですね。


こう言った事態を踏まえてなのか、2020年のコロナ禍において、大学では「●●円朝食」というのが急増しました。


例えば、早稲田大学では、2019年11月から「50円朝食」を実施したそうで、それに関連した早稲田大学の記事には、農林水産省が公表する「平成28年度(2016年度)食育白書」の結果が紹介されており、「2016年の政府の食育推進会議(会長・安倍晋三首相)でも朝食欠食率を15%以下までに下げる改善方針が定められ」とありました。

 

 

もしかして、「●●円朝食」の取り組みが急増したのは、政府の政策によるものか・・・

 

ありました、ありました!

 

平成28年3月に農林水産省が示した「 第3次食育推進基本計画」にはたしかに、以下の記載がありました!

「朝食を毎日食べることは、基本的な生活習慣を身に付ける観点から非常に重要であるため、引き続き、子供の朝食欠食をなくすことを目標とする。〔…〕第2次基本計画では、20歳代及び30歳代の男性を対象に目標を設定してきたが、女性も20歳代を中心に朝食を欠食する割合は高く、加えて、男女を問わず若い世代は次世代に食育をつなぐ大切な担い手でもあるため、20歳代及び30歳代の男女全体での目標とする。具体的には、平成27年度に24.7%となっている割合を、平成32年度までに現在の国民全体の朝食欠食と同様のレベルである15%以下になるよう目指す。」

農林水産省「 第3次食育推進基本計画(平成28年3月18日食育推進会議決定)」


政府として、20歳代から30歳代の朝食欠食を
2020年(平成32年/令和2年)までに15%にするとあります。
「●●円」の背景には、政府の調査結果の影響があったのですね(!)


と、スカッといきたいところですが、
実は、それだけが理由でもないようです。


例えば、東北大学が2020年から学食で始めた「100円朝食」。
河北新報の記事によると、開始した背景には、確かに、東北大でも調査した結果、朝食欠食の学生が30%程度おり、食育推進に伴う取り組みと言えそうですが、それ以上に、コロナ禍により仕送りやアルバイトで減収等により、経済的に困窮している学生を支援する目的のため、期間限定で開始したという側面が強いようですね。


 

記事をサーフィンしてみると、2021年だけでも、岩手大、専修大、亜細亜大、文教大、立命館大、甲南大、広島大など、多くの大学で実施をしており、広島大学においては、支援者から資金を募り、学生に廉価で朝食を提供するクラウドファインディングをするところもありました(いずれも終了した企画です)。

 

 

これらの大学も、やはりコロナ禍で経済的に厳しい学生を支援するという目的で開始した側面と、2016年の「第3次食育推進基本計画」のように、食育推進の観点から、少しでも多くの学生に朝食をとってもらう、という側面があるようですね。

 

都市部の学生や社会人は、通勤/通学時間が長く、特に学校の場合、授業開始が早い時間となるため、前日の就寝時間などを考えれば、「朝はぎりぎりまで寝ていたい」という人も少なくないと思います。
そうなると、朝食時間が削られてしまう、といったことになるのかもしれませんね。

その点を考えるならば、期間限定だとしても、大学が提供する「●●円朝食」というのは、ありがたい取り組みですね。

 

4月からしっかりと朝食をとるようにしてみようかなぁ🤔


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