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不要なものを買ってしまう理由は〇〇だった

2週間ほど前にTEDというアメリカのプレゼン動画で「なぜ私たちは不要なモノを買うのか、、、すでに我々にはそれらが不要なモノであるという知識はあるのに」というタイトルの動画を見る機会があった。

知識が行動を作り出すというわけではない

動画でまず紹介されたのは、食生活とお金の使い方だ。

まず食生活の話においては、大人であればバランスの良い食事への知識はああるものの、「食べ過ぎ・飲みすぎ」を繰り返し、生活習慣病の扉をたたくことになることが紹介されていた。お金に関しては、お金を無駄遣いしない、そしてしっかりと節約・倹約する事が大切であるという知識があるにも関わらず、衝動買いをしてしまうことや予算以上の買い物をしてしまうことが紹介された。

すなわちこの動画では「知識」と「行動」の乖離について話が展開されたのだ。

知っていることは行動を改善することには繋がらない

その動画はお金の話を掘り下げた。

例えば、すでに使うことが無くなってしまった有料サービスをなかなか解約することが出来ないという経験。例えば行かなくなったジムの会員費、雑誌の定期購読、さらには使わなくなった有料アプリやオンラインサービスなどを解約せずにお金だけ払い続けているというような行動が紹介された。

私自身、すでに使うことが無くなった偏頭痛用の有料アプリを解約するのに半年以上かかったとう経験がある。なので、TEDで紹介された事例が自分も例外ではないと感じた。

すなわち、我々がお金についての行動を改善しようとしたとしても、正しい消費や賢いお金の使い方に対する知識だけでは行動改善にならないということなのである。

言うのは簡単

英語でよく使われるフレーズに次のようなものがある。「It’s easier said than done」である。これは「言うのは簡単」というのと同じだ。すなわち、言うほうがやることよりもずっと簡単であり、実際にやるということは大変だとことだ。

そしてこの的を得たフレーズこそ、人が無駄なものにお金を使ってしまったり、予算以上の買い物をしてしまったり、さらには貯金や資産運用などに取り組まないというからくりであるということなのである。

研究者たちによる「知識と行動」の差

この動画では次のことも紹介されていた。

アメリカでは毎年約700億円がなにがしかの金融教育に使われているようだ。しかしながら、研究者たちは、この学習がもたらす行動変化を算出したところ、変化した行動は0.1%という数値に留まったようである。学習したことが行動変化を全くといっていいほど作り出さなかったという調査結果ということである。またアメリカのおよそ20州では高校生に金融教育が義務化され実施されているにも関わらず、実際に学習したものが生徒たちの日常に落とし込まれることがなければ、将来的に彼らが家計の消費選択などにおいて良い結果を生み出すことはほぼ無いという調査結果も出ているということなのだ。

このような調査結果を考えると、やはり「知っていること」は「賢い行動」を生みだすことにはならず、行動そのものを変えるという体験的な取り組みが必要になるということのようだ。

お金のことを学ぶということと、実際にお金にたいして賢い行動を選択するということは違う


「無駄遣いをしない」ということは一言で表されるお金に関する知恵である。しかし「無駄遣いをしない」ということを行動に反映してもらうためには、体験学習を通じて教えることしか方法は無いよう感じる。

資産運用も同じである。

「この世にはお金に働いてもらう方法がある」と言ったところで、それは知識にしか過ぎず、実際に体験的に学習を積み重ね、将来の経済活動に役立ててもらうためには、実際に証券口座を開き、そして資産を株や投信などを通じて、自分のお金を「運用」する事を経験してもらうしかないのである。

さらにこの運用に関して付け加えるならば、例えば投資や株を「安い時に買って、高い時に売る」という事だって、実際に株価を見だすと、常に上下する株価で今の株価が実際に安いのか高いのかなんて分からない。その上で「積み立て」という買い方が加えられるわけだが、実際に積み立てて買うことを繰り返すことをしているから「積み立て」という手段を理解し始めているだけで、座学のみで「資産運用には積み立てという手法もある」という事を教えられたとしてもピンとくることはないだろうし、子供にそれを言ったとこで理解を得ることはまずないだろう。さらにアメリカの調査結果に基づけば、座学のみの解説が子供たちの将来的な経済活動に反映されることもほぼ実現されることはないということになるのだろう。

加えて、13歳からの億万長者で紹介されていた「お金は使えば無くなる、だから使わないほうがいい」というセオリーであったとしても、実際にお金を使ってみて「お金が無くなる」という体験をしない限りはこのセオリーの言わんとしていることは分からないだろう。

「必要なもの」と「欲しいもの」には違いがあるという事でさえ、概念的に理解するだけでは具体的な経済活動なしには学びえるものは限られるてしまうだろう。

4月から金融教育が始まる

日本でもいよいよ高校生を対象に金融教育が始まる。

日本は世界的に見れば金融教育は後発となるだろう。しかし後発のメリットはある。それは先発組から学ぶことができるということだ。

前述したように、アメリカの金融教育は体験的な学習を伴う必要があるということだった。

であれば、今年の4月が金融教育が開始となる子供がいる家庭であれば、家庭内で体験学習的に金融教育に取り組むことで、将来的に役立つ金融リテラシーを得ることに繋がっていくということなのである。

高校生といえばアルバイトをはじめる生徒もいるだろう。

そのような学生に「稼ぐ」「使う」「貯める」「運用」という4つの学習テーマを家庭内で取り組めるのであれば、それこそ「生きた教育」となるのではないだろうか。

我が家では早々にお金の教育に取り組み始めているが、いつ始めても遅いということはないと感じている。さらに言えば、「資産運用」などは誰かと一緒に取り組んだほうがより良い学びが得られるとも感じてる。

私は「資産運用」は子供と一緒に取り組み始め、共に学んでいるが、すでに大人になった私でさえ、楽しい学習テーマであると感じている。

またお金というテーマは家族が共有できる学習テーマの一つであるということもできると思っている。家族それぞれが取り組みそして取組結果を共有しあえる学習テーマでもあるのだ。

失うことも少ない学習テーマであり、子供たちの将来にも役立ててもらえそうな学習テーマにぜひ取り組んでもらいたいと思っている。

内容を気に入っていただけた方はぜひ

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