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市内RPG 15決戦、蛙神社!

蛙神社に着くころには日が傾いていた。

蛙神社に飾られた風鈴の音は、蛙の鳴き声に少しずつ押されていくのが感じられる。

ぼくら勇者、戦士、魔法使い、僧侶パーティーは、蛙神社の鳥居をくぐり、石畳みを踏みしめながら奥に進んだ。

蛙が鳴いている。ゲコゲコ、ゲコゲコ。

竹林に挟まれた小道。右手に池があるらしい。蛙の鳴き声もそっちの方から聞こえてくる。

少し開けた場所にぼくらは出てきた。池も見える。太い木の柵で池は囲まれていて、「入るな、キケン」の看板が立てられている。

「どこに魔王がいるのかな」僧侶のカナが言った。
「あのおやじ、ガセネタつかませやがったか」
戦士ヤスは刑事ドラマのせりふを真似て言った。

そのとき、小さな高い声が聞こえた。
「帰れ、ゲコ」

「何?だれ?」魔法使いのヒラがつぶやいた。
「どうしたの?」
「しーっ。聞こえない?今、声がした」

耳を澄ました。蛙の鳴き声が聞こえる。

「ゲコゲコ、ゲコゲコ、ゲコゲコ、帰れ、ゲコ。帰れ、ゲコ」

「帰れだって?」ヒラが言った。
ぼくもそう聞こえた。

すぐに「帰れ」の大合唱になった。

「ゲコゲコ、帰れ、ゲコゲコ、帰れ、ゲコゲコ、帰れ、ゲコゲコ、帰れ、ゲコゲコ、、、」

看板に青い蛙が張り付いて、ぼくらを睨んでいた。

どこからかたくさんの蛙が湧いて出ていた。たくさんの蛙は、青い蛙にどんどんくっついていく。

「か、か、か、蛙がデカくなるーー」
たくさんの蛙がくっついて、牛ほどもある巨大蛙になった。
「ウシガエル、、、」ヤスが呆然としながらつぶやいた。そのとおりだ。

「帰れーーーーーー」野太い声になった。

青いウシガエルが襲いかかってきた。前足を振り上げて、振り回す。
攻撃しようとすると、素早く振り返る。なかなか隙がない。

ぼくらは少し離れて囲い込んだ。
「アツッ」ヒラが火の呪文を唱えた。火の玉が青いウシガエルを直撃する。

その瞬間、青いウシガエルは大きく跳躍した。火の玉は地面を少し焦がして消えた。

「なかなか素早いわね」カナが木魚を構えながら言った。
「うわぁっ、あぶねー」いきなる青いウシガエルが噛みついてきた。ヤスがバトルステッキでウシガエルの口を押さえた。さすが、剣道部、随所に技が光る。

「今だ!」ぼくはヒノキボーで薙ぎ払った。ばらばらと小さな蛙が落ちていった。

「ダメージはあまりなさそうだな」ヒラが言った。

また、青いウシガエルは跳ねて、体勢を立て直し、前足を振り回す。

「アツッ」ヒラがまた火の呪文を唱えた。今度は命中した。ばらばらと小さな蛙が落ちた。

青いウシガエルが噛みついてくる。カナが避けながら、木魚を振り回す。逃げながらではダメージはほとんどない。
そのとき、青いウシガエルが長い舌を伸ばしてきた。
「あぶないっ」

カナの木魚が長い舌にとらえられた。
「カナ、木魚をはなせ」ヤスが言った。

木魚は、あっと言う間に、ウシガエルに呑まれていった。
「黙って持って来たのにー」カナは涙目になった。

これでは、迂闊に近づけない。

「このクソ蛙め」カナは悲しさを通り越して怒っていた。

蛙よりもコワイかも。
蛙、、、、コワイ、、、これならどうだ?

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