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マンダロリアンが好き?じゃあ、これを観ろ!! 『夕陽のギャングたち』(1972)

67点/100


古い映画って、絵が古いだけで、敬遠しがち。

だけど、掘り出し物も、あるんですよね。


あらすじ


メキシコの砂漠。

裸足で、汚らしい身なり、弱々しい小太りのおっさんが馬車に近づき、

"母の葬式に向かいたいから、乗せてくれ"

と訴える。

"80kmだ。歩いていけ"

と断わる馬車の男。

"これで"

とわずかばかりのチップを渡す。

盗るように受け取る男。

そして、おっさんを見回して、"完璧だ"という。

おっさんが馬車に入ると、貴族やお金持ちが豪華な食事をとっており、汚らしいものを見る目で、おっさんを見る。

座ろうとするも、座らせてもらえず、真ん中の補助席を出して、座る。

周りから、おっさんにヤジが飛ぶ。

"言葉は、しゃべれるのか?”

”字は、読めんだろ"

"数は、数えれるのか?"

"作った子供の数も、覚えてないだろ"

"なんで、こんな野蛮な生物に我々の土地が取られなくちゃいけないんだ"

食事を口に運びながら、罵声を浴びせる。

すると、急に、馬車が止まり、発砲音が外から、聞こえる。

次の瞬間。

窓という窓から、長銃が飛び出し、おっさん以外の乗員に狙いを定める。

おっさんは、ファンといい。

ここらで、息子を使って、盗賊団をやっていた。

"これが俺の息子たちだ!!わかったか!!"

とファンは、乗員の身ぐるみを剥がして、豚の餌にする。

そんなファンが通りすがりのアイルランド人革命家の爆弾野郎 ジョンと出会うことで、悪政と戦う革命の渦に取り込まれていく。


ショーン、ショーン


マカロニウエスタンと言えば、この曲。

『トップガン』のデンジャーゾーンぐらい度々、流れる。

観終わった後は、この曲が耳から離れず、"ショーンショーン"と自然と、口ずさんでいた。


アイルランドの爆弾野郎 ジョンこと、ショーン。

ショーンがサイコ野郎。

体に国半分を火の海に変える量の爆発する謎の液体を常備している。

なので、撃ったら、国ごと滅ぶよ。

という銃を向けられても、脅しにかかるヤバい奴。

爆発させた後、ニカっと、異様なぐらい白い歯を出して、笑うのが特徴的。


革命とは


最初に、毛沢東の言葉から始まる。

"革命とは、優美なものでなく、生々しく、血生臭いものだ"

ファンが

"革命に巻き込むんじゃない"

"革命によって、頭のいい奴が貧乏な奴をけしかけて、貧乏な奴は、それに踊らされる。"

"頭のいい奴らが机を介して、議論してる間に、外では、血が流れているんだ。"

と言う。

ジョンが読んでいる本よりも、字も読めないファンの言葉の方が道理を得ている。

ジョンは、そう感じて、"愛国主義"という本を投げ捨てる。

また、一緒に戦っていたメンバーが軍隊につかまり、仲間を売る。

人間の脆弱さが滲み出ている。

本作は、革命を肯定する映画では、決してない。

むしろ、その悲惨さをしっかり、描いている点が本作品の良さである。


感想


アクション映画なので、言語化するのが、難しいと感じた。

とにかく、爆発の火薬の量がすごい。

昭和仮面ライダーの比では、ない。

橋の爆破シーンでは、300mくらい煙で、観えない。

プライベートライアンで、橋を破壊して欲しかったなーというのをまさに、叶えてくれる映画だった。


スターウォーズの大人気シリーズ マンダロリアンでの面白さは、民族的な対立と原始的な戦い方にあると思う。

その面白さが本作には、グッと詰まっている。

殺す事に躊躇のないハンソロみたいな奴しか、出てこない。

難しい事を考えなくても、非常に面白い。


前述したとおり、本作は、革命を肯定する映画ではない。

その悲惨さを目の当たりにしたファンの顔のアップで、映画が終わる。

戦争と生活を切り離して、考えることは、出来ない。


ここまで、読んで頂き、ありがとうございます。
愛してるぜ!!

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