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マインドフルネスと慢性疼痛の関係

今回は、マインドフルネスと慢性疼痛の関係についての文献を紹介していきます。

はじめに

マインドフルネスとは?

”今ここでの経験に注意を向ける”
という一種の心理状態と定義されています。

マインドフルネスの効果

・ストレス軽減
・慢性的な痛みの軽減
・抑うつの改善
・集中力の向上
・睡眠の質向上
・自律神経のバランスが整う
など

慢性疼痛とは?

①急性痛

急性痛は、明らかな組織損傷がある場合がほとんどで、その治癒に必要な期間内に生じる痛み。つまり、急性痛は、生体の警告信号の役割がある。
痛みの多面性からみると、感覚的側面が色濃い痛みである。

②慢性痛

慢性痛は、組織損傷が明らかに治癒しているにもかかわらず残存する痛みや、組織損傷がない状況で通常痛みと感じない程度の弱い刺激で痛みと感じるもの。
痛みの持続期間が、3か月以上と定義されている。
痛みの多面性からみると、情動的側面認知的側面がより色濃く反映した痛みである。

今回の文献での慢性疼痛は、後者を指しています。

文献の紹介

タイトル

Mindfulness Meditation for Chronic Pain: Systematic Review and Meta-analysis

著者

Lara Hilton, MPH

結論

マインドフルネス瞑想は、疼痛のわずかな減少と関連していた。
統計的に有意な効果は、うつ病の症状、身体的QOL、精神的QOLにもみられた。

※QOL→納得する生活ができているか

方法

対象者

片頭痛、頭痛、腰痛、変形性関節症、神経痛などによる慢性疼痛患者

介入

マインドフルネス瞑想を行った場合の効果
介入期間は、3~12週間(平均で8週間)であった

検討された項目

主要な項目:疼痛
副次的な項目:うつ病、QOL、鎮痛剤の使用

具体的なマインドフルネスの方法

多くの研究では、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)が用いられていました。

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)とは

基本的には、8週間の瞑想プログラムになります。

1~2週目

①ボディスキャン瞑想45分
【方法】
1、仰向けになる
2、呼吸をする度にお腹が上下するのを感じる
3、自分の身体と床が振れている感覚を感じる
4、ボディスキャン瞑想スタート
5、15か所の身体の部位に集中する
6、意識を向けている部位から空気が抜けて行くイメージ
7、2~3回呼吸をしたら部位を変える
8、注意が逸れたら呼吸に集中する

15か所の部位
①左足
②右足
③腰
④お腹
⑤背中
⑥胸
⑦両腕
⑧両肩
⑨首
⑩喉
⑪顔
⑫後頭部
⑬頭のてっぺん
⑭頭からつま先まで
⑮全身

②静座瞑想10分
【方法】
1、姿勢を正す
2、呼吸に集中する
 <ポイント>
 鼻呼吸で行う
 4秒吸って、6秒吐く
3、注意をコントロール
 意識がそれたら呼吸にも戻す

③日常の瞑想トレーニング
・ひたすら洗い物をする
・ひたすらシャワーを浴びる
など

3~4週目

①ボディースキャン瞑想45分
②静座瞑想15~20分
③日常の瞑想トレーニング

5~6週目

①静座瞑想(45分)
②ヨガ瞑想
③歩行瞑想

7週目

瞑想を自由に組み合わせる
例)ボディースキャン瞑想15分、呼吸瞑想15分、歩行瞑想15分など

8週目

自分の状況に合わせた瞑想プログラムを作ります。
例)集中が途切れた時→呼吸瞑想
  眠れない時→ボディースキャン瞑想
  など

8週間と長めのプログラムになります。
すぐに効果が出るのを期待せず継続することが重要となります。

結論

マインドフルネスは、わずかに痛みの軽減をすることができます。
また、うつ症状の軽減、身体的・精神的な生活の納得感の向上にも繋がります。

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