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映画鑑賞記『日本のいちばん長い日』

映画鑑賞記。

『日本のいちばん長い日』

著名な歴史家である半藤一利氏の著作が原作。

半藤一利氏はNHK『堂々日本史』(小学生当時よく観ていました)などのテレビ番組にも多数出演されており、多くの日本人に知られた歴史家である。

第二次大戦最末期の日本の決断(昭和天皇および政府首脳の決断)を克明に描いた作品。

数多くのセリフや表情などで克明に当時の昭和天皇を描いた日本で初めての作品とされる。本木雅弘が昭和天皇を演じた。

「軍人」と聞くとどうしても戦後に生きた私たちは拒否反応を示したり、アレルギー的な反応を示してしまうことが多いが、彼らをひとりの人間として見、その意見や考え方に耳を傾ける必要性を感じた作品である。

「軍人」と呼ばれる人々は純粋な意味での”軍人”ではなく、あくまで「軍部」という場所を任された政治を行なう人であり官僚であったのかもしれない。それゆえ、豊かな人間性と指導力、軍事に関する極めて高い専門性を求められた存在なのだろう。

この作品がきっかけとなり、私は米内光政という人物(海軍大臣などを歴任した海軍大将)に興味を持ち、阿川弘之著のノンフィクション作品『米内光政』を読んだ。一般的な昭和期の軍人像とは異なり、国内外を問わず当時の極めて多くの人から敬愛され、尊敬された人物であったようだ。当作品で描かれた阿南惟幾(あなみこれちか、終戦時の陸軍大臣、1945年8月15日に自刃)という人物もより深くその人物像を知る必要があるのかもしれない。

多角的な歴史認識を持つためにも鑑賞すべき作品のように感じる。

原田眞人監督。

役所広司、本木雅弘、山崎努、堤真一、松坂桃李、戸田恵梨香、キムラ緑子等。2015年。

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