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二年目

121
2020年の詩まとめ
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2020年12月の記事一覧

きらきら

きらきら

早朝、マスクをつけたまま 自転車を漕ぐ
呼吸した証が 水滴となって睫毛にうまれて 視界が溺れる
苦しくないけどすこしだけ 不安になって
ぼやけながら きらきらと揺れる景色が
ほんとうの世界なんじゃないかって、視力の良いわたしには思えたんだ
朝は誰にでも平等に 始まりを与える
リセットされて、繰り返す 365日
いつだって始まりは輝いているけれど、美しい景色を 美しいと思える真冬の朝は とくべつすき

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雪の詩

雪の詩

SNSでみつけた「雪だ!」の投稿に愛しさを感じます
わたしの住む街にはまだそんな気配は微塵もないけれど、
確かに何処かでは雪が降っていることに感動してしまう

早朝、誰の足跡もついていない真っ白で神聖な雪を、おろしたてのレインブーツで踏み込む瞬間はこどもの頃からどきどきして、ちょっぴりいけないことをした気分になります
さくさくと微かに足裏に伝わってくる感触に寒さをすっかり忘れて玄関まわりの雪をひと

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うそつき

うそつき

君は嘘をつくときに少し首を傾けて笑うこと、わたしに気づかれていないと思っているのだろうか、どこか苦しそうになにかを諦めたとき、自分が傷ついて終わるなら良いといつから君は正義のヒーローになってしまったの、ヒーローはもっと自分勝手に他人を救うものだと、誰かを救うことで自分も救われた気になっているのだと、オーディエンスは傷つける、言葉は一瞬で音は消えても届いた瞬間、確かに形をもって跡になること、君は知っ

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わんにゃん

ひとの心も満足にわからないのに、イヌネコに過剰な感情移入できるひとがすこしこわい

殺処分も民間保護施設も人間のエゴでしかなくて、イヌネコはわたしたちと同じ言語を発しないからわかったふりして同情する
自分は味方だから、傷つけないから、でもごはんもトイレも人間の決めたルールに従って、人間が愛せるイヌネコになってね、って笑顔で抱きあげる

イヌもネコも嫌いでないけれど、ノラネコの気ままさがすきだし、神

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