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雪の詩

SNSでみつけた「雪だ!」の投稿に愛しさを感じます
わたしの住む街にはまだそんな気配は微塵もないけれど、
確かに何処かでは雪が降っていることに感動してしまう

早朝、誰の足跡もついていない真っ白で神聖な雪を、おろしたてのレインブーツで踏み込む瞬間はこどもの頃からどきどきして、ちょっぴりいけないことをした気分になります
さくさくと微かに足裏に伝わってくる感触に寒さをすっかり忘れて玄関まわりの雪をひとしきり水っぽくした後の達成感と無力感に身震いして我にかえる
ストーブのついた暖かい居間でそっとカーテンの隙間から観察する雪は、
どこまでも美しく非現実的でいつまでもそこに存在し続けてしまいそうだった

スマートフォンから顔をあげても目の前には存在していない雪は、
やっぱり美しくて眩しくていつまでもわたしの頭の隅に住んでいる
それでも本物の雪を見たときにはきっとあの投稿と同じように「雪だ!」とはしゃいでしまうだろう



作品をまとめて本にしたいです。よろしくお願いします。